休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『孤狼の血』

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20190425(了)
映画『孤狼の血
  監督;白石和彌//役所広司/松坂桃李/真木よう子/滝藤賢一/
  江口洋介/石橋蓮司/ピエール瀧/竹野内豊/嶋田久作
  原作:柚月裕子
  音楽:安川午朗
  2018年/邦画/東映/126分/DVD/レンタル
  <★★★△>
<映画.com解説から> 広島の架空都市・呉原を舞台に描き、「警察小説×『仁
義なき戦い』」と評された柚月裕子の同名小説を・・・映画化。・・・ 昭和63年、
暴力団対策法成立直前の広島・呉原で地場の暴力団・尾谷組と新たに進出し
てきた広島の巨大組織・五十子会系の加古村組の抗争がくすぶり始める中、
加古村組関連の金融会社社員が失踪する。所轄署に配属となった新人刑事・
日岡秀一は、暴力団との癒着を噂されるベテラン刑事・大上章吾とともに事件
の捜査にあたるが、この失踪事件を契機に尾谷組と加古村組の抗争が激化し
ていく。・・・
見たことのある役者さんがぞろぞろ出てきて、警官やヤクザとしてすごみます。
原作はけっこう話題になりました。
  第69回日本推理作家協会賞受賞/第154回直木賞候補作
  「このミステリーがすごい!2016年版」国内編3位
  「本の雑誌が選ぶ2015年度ベスト10」2位
とミステリー系(シリーズ三作目、完結編)なので、詳しくは書けないわけです
が、原作のもとになったよう話はきっとあるんでしょうねぇ。原作者の柚月さん
が「このミス」のイタヴュー記事に出てました。こんな普通な感じの女性が、こ
の凄まじい話を書かれたのかと、後付けながら意外な感じがしました。
映画は原作とはだいぶん違っていたようです。
ダーティ極まりないベテランマル暴刑事・大上章吾の立ち位置がなんとも微妙
で、どう見ても一線を越えていそう。爆発寸前のヤクザの世界を一層ヤバく見
せる。一方新人刑事・日岡秀一はヒロダイ(つまり広島大学)出のインテリで、
いわば優男。この考え方、よって立つところがまるで違っているらしい刑事コ
ンビがヤクザの事務所や凄惨な事件現場などへぶつかりながらばんばん出
かけていくことになる。警察内では大上のダーティさをほとんど黙認している。
その感じがなんだか奇妙・・・
エアコンが効いていない警察署は暑そうでした。
山が近い感じだから、「呉原」からの連想で、やっぱり呉市あたりかしらん。
見知った顔が多い映画というのが、ちょっとリアリズム系の緊張感を削いでし
まうということもなくはないのですが、まあこれは我慢するしかない。
でも、ワタシにはものすごく抵抗感があって、これは我慢できなかったに近い
点が一つ。言葉のアクセントです・・・
これは、テレビでもしょっちゅうあって、我慢我慢と念じることかなり頻繁。だけ
どね、映画ではもっと何とかしてほしい。
実際には知りたくもない世界なのに恐いもの見たさ。でもアクセントをちゃんと
頑張れていたら、点数はワンランク・アップだったかもしれない。
わりと本気です。
本ならその心配はない。読むことはないだろうと決めてかかっているわけだか
ら、しょうがないですかね。
リアリズムといえば・・・死体がえらいリアルやった。
音楽、悪くなかったです。小さめのオーケストラを使ったもので、ダサいという感
じを逆手に取ったようなオーケストレーションが生きてました。

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以下、いい加減なついでのメモです・・・
黒澤明の音楽をいくつも担当した佐藤勝さんの音楽を連想しました。わたしは、
『御用金』の音楽なんて、気に入ってたことだけはよく覚えているんだが、こうい
う感じのものじゃなかったか・・・
実は『雨あがる』をテレビでやっていて、昼過ぎ、朝昼兼用の食事の前後、チラ
チラ観ていましたら、緑濃い画面と共に弦中心の穏やかな音楽が気に入ったの
ですが、それが佐藤勝の音楽でした。ものすごく優しく美しいもの.だった。という
ことは黒澤のときの佐藤勝の音楽とはそうとうイメージの違うもの。佐藤の音楽
をよく知っているわけじゃないんですけどね。でもまあ案外珍しんじゃないかと思
った。印象に残りました。サントラ、探してみるかな。
さらに付け足し。この映画とはもはやまるで関係がありません。
音楽のこと、ついでに・・・
5/8(水)というのはつまり今日なんですが、もう日付が変わっちまった・・・
カプリコン・1
NHK-BSで始まって、つい観てしまい、一日がおしてしまった。
ドラマや音楽、今でもやっぱり素晴らしいじゃないですか。
ドラマは今だとさすがにメカ的に古さが目立つ。こういう映画の場合はしょう
がない。
でもジェリー・ゴールドスミスの音楽のほうは、これだけ聴いても素晴らしい
のに、ドラマと相まって、ほとんど音楽劇かというほど。極めてカッコよく強い
音楽。あまり上手でない電子音は使わず、アコースティックで通している。
もうこういうタイプの音楽は書かれることがないんだろうな。