20241229(了) |
エルネー・ドホナーニ
/ヴァイオリン協奏曲 第1番
Ernst von Dohnányi(Dohnányi Ernő )(1877-1960)
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ短調 Op. 27 43:21 (1914-15) |
① Molto moderato, maestoso e rubato 13:50 |
② Andante 8:45 |
③ Molto vivace 6:04 |
④ Tempo del primo pezzo, rubato 14:42 |
(2)アメリカ狂詩曲 Op. 47 4:35 (1953) |
ウルフ・ヴァリン(vln.) |
アラン・フランシス指揮/フランクフルト放送交響楽団 |
録音:1995年11月&12月、独 58:12 |
1996/CD/クラシック/協奏曲/cpo/輸入/中古 |
<★★★★> |
ハンガリー人だから、正しくはドホナニー・エルネーながら、作曲する時は常に |
エルンスト・フォン・ドホナーニと名乗ったそうな。有名な指揮者クリストフ・ |
フォン・ドホナーニさんが息子さんかもと想像していたら、なんとお孫さん。 |
音楽学校じゃバルトーク(1881-1945)と同窓なんて書いてある。バルトークよ |
り4つほど年上だけどね。ブラームスの流れを汲む、19世紀ロマン主義音楽の伝 |
統に忠実であり続けた、とも。 |
まさにその通り。 |
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番 |
2番もあるのですが、こちらが安く手に入ったので・・・ |
音楽の出来が悪かったら感想文はやめてましたが、始まったら、これがなんとも |
魅力的。馥郁たるロマンの香り横溢の(オーバーやけど)、とてもよくまとまっ |
てもいそうなヴァイオリン協奏曲。4楽章もあって、ちょっと長いのが玉に瑕な |
がら、これ、ブラームスのVコンの代わりにプログラムに入れちゃっても、ワタ |
シなら問題ない・・・なんて書いてしまいそう。 |
第二楽章のアンダンテ、ブラームスと違う盛り上げ方がいい。 |
第三楽章はドイツものではない踊りなどの雰囲気や、バルトークのお国なんだな |
と思わせるニュアンスもちょっぴりあります。ロマン派ではありえない不協和音 |
もあって、ご愛敬。 |
カデンツァから始まる最終楽章。いやもう感じがよう「似てます」。 |
ブラームスを聴くように聴ける気がします。そりゃプログラムを入れ替えてもい |
いという発言は、まあ許されないでしょうが、いい曲に出来上がっていると思い |
ました、本当です。 |
全体に甘く聞こえる理由の一つは、ハープが聞こえるからかもしれません。 |
このヴァイオリンの演奏がね、若干細いがよく歌って(楽譜の指示でなきゃ歌い |
過ぎかも)美しく、実にロマン派っぽい。オケはブラームスほど厚みは感じない。 |
表情は濃くなく滑らかで、アンサンブルは十全。 |
クリスチャン・フェラスのヴァイオリン、カラヤン/ベルリンフィルによる |
ブラームスの協奏曲の録音をちょっとだけ思い出しました。ヴァイオリン |
の細さってことかな。オケの厚みは全く違うしね。 |
(2)アメリカ狂詩曲 |
アメリカ国歌をもじったみたいなスタートだったんですが、次第に黒人の歌のア |
レンジへ進み、途中ではそれがなぜか西部劇のように聞こえたあとは、テンポの |
ある(アイルランド由来のものが多いのかな)アメリカ民謡と黒人の歌が入り混 |
じるようにして盛り上がって行く。 |
なんだか「公平」な音楽になっている感じ。アメリカ人には案外こういうの、作 |
りにくかったりして。知りませんがね。で、この方、結局はアメリカに亡命した |
んだ。編曲がうまかったそうで、さもありなん。これもなかなかどうして、いい 曲でした。 |
半分はピアニストだったよう。そっちの曲はいまいち聴きたい気は起きないんで |
すが、シンフォニーは2番あたり、ちょっとだけ聴いてみたいですね。 |