休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『アサシンハント エイジェント:ゼロ』

20240319(了)

映画『アサシンハント

        エイジェント:ゼロ』

  ニック・スタグリアーノ監督/アンソン・マウント/アンソニー・ホプキンズ
        /アビー・コーニッシュエディ・マーサンデビッド・モース
  2021年製作/110分/G/アメリカ/原題:The Virtuoso/DVDレンタル
  <★★☆>

 

御大ホプキンズが、本が面白いので乗り気になったとか。低予算で、小粒な
作品。決して目新しいというものでもありません。
そのホプキンズの顔が、DVDのジャケット写真にバーンと載ってまして、な
んとなく引いてしまう感じでしたけどね、急いでいたんで、ぱっとひっつか
んでしまいました。
 
人里離れた山中のようなところで(知り合いになっただけの?)白い大型犬
とつかず離れず暮らす殺し屋の語りで進んでゆく「仕事」のお話。思わせぶ
りな喋りのボス(ホプキンズ)の指示にはちゃんと従う。殺し屋やボスの出
自、殺しの意図、意味は一切わからない。国外のケースは出てこない。
せかされたような仕事が二つ続く。準備が十分でない。一つ目では関係ない
人を殺してしまい、そのことがややトラウマ的に残るのだが、気を取り直し
て取り組んだ次の仕事は、さらに曖昧な部分が多い指示だったため、行き当
たりばったりにならざるを得ない。このお仕事がどうなって行くかが中心に
なる。もちろんのこと、非情な世界。
 
ただし、非情な世界であって殺伐としたストーリー展開であるものの、この
殺し屋の妙にクソ真面目な自問自答を聞きながら感じたのは、どういうもの
か、そこはかとないユーモア、あるいはおかしみ、あるいはばかばかしさ、
みたいなものでしたね。音楽で言うなら通奏低音、かしらん。
原題のヴァーチュオーソは、音楽では「ヴィルトゥオーゾ」という音で、広
いジャンルのものをなんでも完璧にこなすプロフェッショナルといったよう

な意味でよく使います。プロ(プロフェッショナル)、という時より格調が

高いですな。

 
さても、もちろんこんな世界の話なんで、ハッピーな終わり方をするはずも
ない。でもこれって果たして「アイロニー」?と言いたくなる感じなのです。
エンディングには白い大型犬がまた出てきて、締めてくれました・・・ 
この犬種、なんて言うんでしたっけ。(犬の種類のことはあまり知りません。
毛の長いでかいテリアというふうでしたね。ざっと見たところ、アイリッシ
ュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリア が似てました)
評価は低いようですが、意図的に緊張感をはぐらかしていて、存外オモロイ
と思う人もいるかもしれない。

(タイトルはなんだかヘンです、他にもあった「漆黒の暗殺者」なんてのは

論外)