(ネットの解説文から) ・・・こうの史代氏による同名漫画の映画化で、第2次 |
世界大戦中の広島・呉を舞台に、激化していく世の中で大切なものを失いな |
がらも日々の暮らしを紡いでいく女性すずの姿を丹念に描いた。・・・ |
広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始 |
める。昭和19(1944)年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、 |
生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。 ある |
日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同 |
世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつな |
がりを感じてしまう。昭和20(1945)年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲 |
に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってし |
まう。そして昭和20年の夏がやってくる――。 |
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このまことにノーマルで前向き。ややこしいことにはこだわらない、ちょっとス |
ローモーな女の子の成長譚のような感じ。 |
この時代、男の子のこうした成長譚はまずない。あっても見せない。 |
ワタシは、このすずという女の子~女性におぼろげな共感を覚えるような気 |
はしますが、しかとはわからない。 |
この映画を観て、泣いたというレヴューがぞろぞろ載っていて、びっくり。ヘン |
だという気は強くはないものの、とてもじゃないが泣いてられない。ワタシが |
おかしいのでしょうかねぇ。 |
直接ではないとはいえ、たくさん観、聞き、読んできた戦争というものに対す |
る考え方や感じ方に、別に新たに付け加えなきゃならないというようなものは |
一つもなかった。 |
表現の斬新もたぶん・・・。 |
勿論、いいとか悪いとかいうことでもありません。 |
でもまあ、好むと好まざるとにかかわらず、これから‘頭の中で’戦争体験をし |
ていかなきゃならない子どもたちには、教材の一つとして使うことはできるか |
もしれません。ちょっと特殊かもしれませんが。 |
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はてさて、ワタシは、しっかり観たことは観たつもりですが、ひょっとすると映 |
画として楽しんではいなかったのかもしれません。 |
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この主人公の荒まない無垢なキャラは、現代では見つかりそうもない稀有な |
もので、間違いなく素敵です。でも普通とは言えないと思う。 |
彼女と戦争はべつに対というわけじゃなく、特別な彼女を、太平洋戦争下に |
置いてみたというような感じ。 |
議論をやる気はありませんけどね。 |