| たまに・・・確実に・・・聴きたくなるサクソフォン・クァルテットもの。日本の |
| アーティストです。リーダーであろう須川展也の関連で見つけたアルバム。 |
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なんとも珍しいことに“ベストもの”!
須川展也(ss.)、彦坂眞一郎(as.)、新井靖志(ts.)、田中靖人(bs.)
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| はじめっからサクソフォン・カルテットに行きついたわけじゃない。木管アン |
| サンブルというくくりが最初で、そもそものはじめは、モーツァルトの「グラン |
| パルティータ」というしごく当たり前なもの。いくつかポツリポツリ聴いてい |
| るうちにインパクトがあったのがデュファイエ・クァルテット。けっこう長い話 |
| なのです。2曲目の作曲家であるフランセの木管ものもポツリポツリの一つ。 |
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| 〈Disc1〉 |
| いきなりだけど、長生淳という人の曲①-④、これがこのベスト盤の白眉 |
| じゃないだろうか。セリーとかいう感じじゃないけれど、変化やセンスに富 |
| み熱量もデカイ。十分尖がっている。この作曲家はこのあともアレンジと |
| いう形でいくつも参加している。(他のアルバム紹介欄で、このカルテット |
| の‘パートナー’と書いてあった) |
| それに比べると、フランセのたまたま知っている曲⑤-⑦は、美しくセンス |
| いっぱいながら、時間がたっているって感じかな。そのクラシックらしい古 |
| さもいいんですがね。ついでに言えばフランセは、ワタシが木管アンサン |
| ブルを一層好きにさせた作曲家の一人。 |
| ボザの曲⑧⑨もたまたま知っています。どのCDに入っていたか思い出せ |
| ません、このジャンルではきっと有名なんだね。甘いサウンドが非常に魅 |
| 力的でラヴェルを思わせるところがある。スケルツォはアンサンブルとして |
| 超絶技巧。 |
| ここからはピアノが加わっている。 |
| ⑩はそのラヴェルの超名曲弦楽四重奏曲から第一楽章。合いますねぇ! |
| 元のアルバムにはほかの三楽章も演奏しているようで、聴きたい! |
| これを全部聴けるCDは手に入るみたいだけれど、悲しいかなそこがベ |
| スト盤を手に入れてしまった時のつらいところ。Disc1の⑬、Disc2の⑫ |
| -⑮がダブってしまう。 |
| ⑪もいいけどな、好きなミヨー、これでは短すぎ。オリジナルへどうぞ・・・か。 |
| カルメンのごちゃまぜ⑫。いやカルメン自体もごちゃまぜなんだけど、ほか |
| の全く関係のない曲がいろいろ挟まって、遊び心満載の編曲。例えばイタ |
| リア民謡や‘シェヘラザード’・・・ |
| ⑬上記遊びはこのエリントンものでもっと徹底的に発揮される。エリントン |
| の名曲以外に、ガーシュイン、ラヴェルの‘ダフニスとクロエ’や‘ボレロ’、 |
| ストラヴィンスキの‘火の鳥’・・・などなど、これは長生淳氏の異常なほど |
| 凝った(遊んだ)編曲。 |
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| 〈Disc2〉 |
| 2枚目は1枚目とは雰囲気が違ってますね。なんかいい言葉を探してみま |
| しょう・・・ |
| 全体が『四季』からの春①と夏⑯で挟まれている。それらはこれでもか! |
| というくらいの凝り方。もうわかったようなものだけど、長生淳さん、スゴイ。 |
| ‘春’では「春が来た」まで入っているよ。 |
| それらに比べるとロリンズの②はジャズの本田俊之さんのアレンジ、まあ |
| 大分ジャズから逸脱しているようでもあるけれど、ジャズはジャズ。 |
| ③は菅野洋子(よう子)さんで、アニメやゲームやCMなど、とにかく夥しい |
| (夥しすぎる!)数の楽曲をいろんなジャンルに提供するのみならず、編 |
| 曲やアレンジ、アルバム製作にまで関与している。まあ日本の男女を問 |
| わない洋楽系のトップ・コンポーザーの1人。東北大震災の『花は咲く』だ |
| とかNHK大河ドラマの『おんな城主 直虎』なんてのもそうでしょ?その彼 |
| 女の一曲。抜群のセンス。おそらくこのグループや須川個人のアルバム |
| の中にもたくさん入り込んでいるんでしょう。 |
| ④ジャズバンドの大物の残したバラード。おとなし目でいいアクセントです。 |
| ⑤コルトレーンのアドリブのフレーズもしっかり入れて、絢爛豪華なアレン |
| ジ。長生氏じゃないけれどクラシックのフレーズ(大峡谷?)もちょろっと。 |
| ピアソラの⑥は有名曲二つ。アレンジャーは日本のバンドネオン奏者。 |
| ⑦と⑧は本田俊之のオリジナルの本人アレンジ。⑦はジャズ系のイディオ |
| ムがベースにある気はするものの、とにかく超絶技巧を要する超難曲だ |
| そうです。⑧のDはDinosaurのDで、つまり‘恐竜ウォーク’。コミカル。 |
| ⑨-⑫も続いて本田俊之。ご本人が演奏にも加わっている。分厚い音は |
| 少なく、かわいく軽快な調子が支配している。やはりジャズベースみたい。 |
| ⑫-⑮は吉松がビートルズ(サージェント・ペパーズ・・・)、ELP(タルカス)、ピクフ |
| ロイド(アトム・ハート・マザー)、イエス(こわれもの)、‘鉄腕アトムの十万馬力’ |
| をシェイクして作ったという弦楽四重奏曲、それをトルヴェール流にアレン |
| ジし直したとか。なんやねん、それ。でも吉松さんらしいかぁ。 |
| で、締めの『四季』の夏。短いので、さほどいじらず、わりと(あくまで、わり |
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と、ですけどね)真面目!
| 大雑把には、1枚目がクラシック寄り、2枚目がポップス寄りというぐらいの |
| 分かれ方かしらん。そう言ってもあんまり意味はないようなんだけど。 |
| とにかくこんなに上手いサクソフォン・カルテットがずっと日本にあったなん |
| て、ワタシャ‘もぐり’だったんだね。 |
| ワタシの好みは・・・Disc1の1曲目から4曲目まで。なーんだと言われそう |
| ですが。 |
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