20191103(了)
ケクラン/ピアノ五重奏曲&弦楽四重奏曲第3番
(1)ピアノ五重奏曲
① Andante tres calme presque adagio 9:42
② Allegro con moto 12:08
③ Andante 10:15
④ Allegro moderato 9:41
(2)弦楽四重奏曲 第3番 Op.72
⑤Trés calme 3:38 ⑥Scherzo 4:10 ⑦Adagio 3:22 ⑧Final 2:33
Antigone Quartet/Sarah Lavaud(ピアノ)
録音:2008年12月/スイス/Tot.55:29
CD/2011年/室内楽/輸入 ⓒ&Ⓟ AR RE-SE 2009
<★★★★>
〈Charles Louis Eugène Koechlin/1867パリ~1950コート・ダジュール〉
アンティゴーネ四重奏団はいいとして、ピアノはサラ・ラヴォーさんで読み
みはいいのかな。初めて見るレーベルです。フランスの団体でしょうね。全
員女性。ヴァイオリンの一人は日本人です。
ケクランは室内楽も多い。これが先に繋がるとっかかりだといいなと思って。
ピアノ五重奏曲はたぶんこれ一曲なんでしょう。
第一楽章。低音が強調され、暗くモゴモゴと沈潜するも、ふしぎに浮遊感が
あるし、緊張感が伴う。
第二楽章もアレグロながら暗く、まるで激しい民族的な感情の噴出みたい。
そんなものじゃないとは思うんだけれど。ちょっと圧倒される。その後、第
一楽章のように沈潜してしまう。
第三楽章。少し陽でも射すように明るさが感じられる。かなりスローテンポ。
ピアノやヴァイオリンを中心に、メロディやアルペジオが非常に美しい。
第四楽章。第三楽章でもそうだったけれど、ドビュッシーやラヴェルみたい
な、まあ重めのフランス音楽の代表的なサウンドだとつい思ってしまいまし
た。
ワタシは、第四楽章まで来てやっと落ち着いたので、その最終楽章が好きだ
とは思うのですが、この作曲者のレベルの高さにあらためて感嘆。
クァルテットは長大なピアノ五重奏に比べると、その三分の一ぐらいの長さ。
軽やかで美しいメロディに導かれる第一楽章。前曲とはうって変わってロマ
ンティシズムが溢れる。第二楽章はピツィカートがドビュッシーやラヴェル
のクァルテットをつい連想しちゃいますが、中身は二大作曲家とも違うオリ
ジナリティ。第三楽章は歌心たっぷりの歌謡調。第四楽章はフィナーレで、
スピードが上がって、まあ、あっさり終わっちゃう。
素敵なんだけど、ちょっと短すぎかなぁ。
聴きやすさなら、もちろんクァルテットですが、かなり短い。聴きごたえを言
うならピアノ五重奏。
女性だけとは思えない(決して男尊女卑じゃない!)力強さもあって、アン
サンブルも緊密だと思います。見事な演奏じゃないでしょうか。
室内楽も数多い作曲家のようで、、、この次はクァルテットの続きか、その
他の室内楽か・・・