休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ルイジ・ノーノ/力と光の波のように 他

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20181122(了)
ルイジ・ノーノ Luigi Nono 1924-1990
(1)力と光の波のように(1971/72)
    フリオ・ウアシの詩によるソプラノ、ピアノ、オーケストラとテープのための
 ①第1部: オーケストラおよび人声、さらにテープに録られたさまざまな
    女声合唱                                  6:29
 ②第2部: 独奏ピアノ、幾つかのブロックに分かれたオーケストラ、人声と
    ピアノとテープ                               9:00
 ③第3部: 独奏ピアノ、オーケストラとテープ               10:03
 ④第4部: 独奏ピアノ、オーケストラとテープ                4:31
(2)墓碑銘 第1曲 わが心のスペイン(1952/53)
    フェデリコ・ガルシア・ロルカとパブロネルーダの詩によるソプラノ、バり
    トン、シュプレヒコール、器楽のための習作
 ⑤Ⅰ.夕暮れ(ロルカ)                             3:36
 ⑥Ⅱ.戦争(ネルーダ)                             4:24
 ⑦Ⅲ.薔薇のカシーダロルカ)                        2:35
(3)墓碑銘 第3曲 故人のための祈り(1952-53)
 ⑧スペイン治安警備隊のロマンセ(ロルカ
    人声、合唱、オーケストラのための                  16:49
  ヘルベルト・ケーゲル指揮/ライプツィヒ放送交響楽団/同合唱団 その他
  録音:1976-77、ライプツィヒ・パウル・ゲルハルト教会
  1994年/現代音楽/ドイツシャルプラッテン/徳間ジャパン
  <★★★★>

(1)なんともはや。厳しい曲であり、厳しい演奏。
オーケストラやテープ(シンセサイザー的なもの)だけの部分は、正直言って
そのとんがり具合にゾクゾクしましたね。③と④。とくに③でしょう。唖然茫然
のものすごさ。
このCDよりはずいぶんあとのものだけど、アバド/ポリーニのDGG盤を昔一
度ならずラジオで聴いて、全くついて行けず、印象は非常に悪かったんです
が、なんでこんなに聞こえ方が変わったのかしらん。
ただし、知られているように彼は共産主義者共産主義者でない人間は、
共産主義者をまるでDNAに違いでもあるかのように感じてしまうと言っても
いいぐらいの見方をしてしまいがち。オーバーじゃないと思う。
ワタシはそこまでではないけれど、かなりの色の入った眼鏡は持っていると
言って間違いではない。
だから、音楽に国境はないという言い方はある程度理解できるものの、思
想や信条については、そうではないというか、そう簡単ではないという感覚
やね。困りものだワ。
以下のようなことを‘スペイン語で’言っているらしい。「革命」や「闘争」なん
てな言葉が入っている・・・
 in th hazardous winds
  on this country
  you will keep on
  growing
  young as revolution
  in every one of your peoples' struggles
  forever alive
  and as close by 
 as the grief for your death.
歌の部分はなくてもいいのに、などと勝手なことを考えている。これじゃあ
本当は理解などしていない。でしょ? ワタシャ歌物なんて、基本こういう調
子だものね、
そもそもシュプレヒゲザンクだとか、シュプレヒコール(学生時代を思い出し
ますな・・・)が、もともと苦手ですしね。
でもそれじゃあ身も蓋もない、などとはじめだけはぶつくさ考え・・・
けっきょく、なんだかんだと聴いてしまっています。
(2)&(3)
「墓碑銘」というタイトルは、想像を刺激する。もっとも(2)や(3)の歌詞は、
まったくくわからずじまい。
ネルーダやロルカの名は知っていても、詩はまったく知らない、興味もほ
とんどないので、いつも通りですが、わからずに聴いて、楽しんでます。こ
こでは墓碑銘の意味するものをなんとなく気にしつつ、という程度。
それがねぇ、音だけでも妙に楽しかった。
(1)でもあったのですが、ワタシの現代音楽事始めといっていいリゲティ
さらに苛烈にしたような音がふんだんに聴けました。(しんどかったら聴け
ません、健康のバロメータみたいなもんです。)
ベルリンの壁が壊され、東西ドイツが一つの国になったのち、ここで指揮
している共産主義者だったというケーゲルさんは、自死(ピストル自殺)さ
れたという。
ワタシのエエカゲンな聴き方を、少し申し訳ないと思う気もしないではあり
ません。でも結局理解はできないですからね、気に病むことはしません。
‘意味’も分からず言うことではないかもしれないが、緊張感に貫かれた優
れた演奏のようです。40年以上たっているのに録音も最上のようでした。
きまぐれで、エイヤッ!と聴かなきゃ無理な気がしていたんですが、まぁまぁ
うまくいったかな。
ただ、邦盤なのに解説らしきものがなかったのがちょっぴり残念。通り一遍
でいいのに・・・ もともと廉価版だからしょうがないとはいえ、当初の解説
をコピーして付けるくらいやってほしかった。

現代音楽の「ビッグネーム」とか‘クラシック’的扱いを受ける曲も時々聴く
ようにはしたいと思ってます。なにがクラシックかはホントはわからないん
ですけどね。

今は、ブーレーズ/ドメーヌ・ミュージカルの古い録音の4枚組のセットもの
二つと、長らく苦手だったクセナキスのアルバム1枚を、車に入れていて、
とっかえひっかえBGMとしてかけています。
変人扱いされてもしょうがありませんが、、、意外にいけるもんです。
クセナキスにいらいらしなかったし、今まで面白いと思ったことがなかった
ブーレーズの超有名曲「マルトー・サン・メートル」が、やたらと叙情的かつ
美しくに聞こえて、ワタシとしては大事件!びっくりしました。こんなものな
のです。
もういい歳になっちゃいましたが、ワタシにも聞き慣れるということが時々
は起きるわけで、またそういうことは起きてくれなきゃ困るんです。必要な
のです。
まあ、感情的なものに繋がることはほとんどゼロだけれど、それでいい。
楽しいとかオモロイとか思えればヨシ!