休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

オムス:室内オーケストラのための音楽

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20190502(了)
         <SPANISH CLASSICS>
オムス:室内オーケストラのための音楽
Joaquim HOMS(1906-2003)/Music for Chamber Orchestra

(1)組曲“2つの線の間”(1948) ①-⑧ 9:52
    室内オーケストラのための8つの小品
(2)コンチェルティー(1946-47) ⑨-⑫ 16:42
    ピアノと室内オーケストラのための
(3)ピアノのための組曲 Op.1(1921) ⑬-⑰ 5:54

(4)弦楽のためのアダージョ(1950) ⑱ 10:55

(5)ウォーカー・アンド・ザ・ウォール(1962) ⑲-㉔ 9:11
    メゾソプラノと15楽器のための6つの詩
(6)ディプティクⅠ(1976) ㉕㉖ 4:58
    ピアノのための
(7)独白Ⅱ(1974) ㉗ 6:26

   ホルディ・マソ(ピアノ、(2)・(3)・(6))
   モンセラート・トルエリャ(メゾソプラノ、(5))
   フランシスコ・ギーエン指揮/グラノジェルス室内管弦楽団
   録音:2006年1月、Teatre Auditori、Granollers、Spain Tot.64:24
   2007年/CD/クラシック/Ⓟ&ⓒ 2007 Naxos/中古
   <★★★△~★★★☆>

バルセロナ出身。8歳のときから音楽を始める。1922年までチェロを学び、そ
の後独学で作曲を学んだ。さらに1930年から1936年までロベルト・ジェラー
ルに師事した。
初期の作風は自由な対位法が特徴であったが、徐々に無調を取り入れてい
き、1954年から十二音技法を採用した。後期の作風は依然としてモダニズム
に忠実だったものの、十二音技法から距離を置いたものであった。〈Wiki

WIKIの紹介文は上記だけ。その下にいくつか作品のタイトルが載っていて、
残念ながら、このCDにある曲は一つもない。
NAXOSにも紹介文はなし。
みんな聴きやすい音楽ですが、言葉にするのが難しいです。よわったなぁ。

(1)平均1分ちょっとの短いものが8つ。
かすかにデジャヴ感が伴うタイプで、フランス6人組(オーリックの映画音楽
にこんな感じのがあった気がする)やイベールストラヴィンスキーなどのご
った煮のよう。といってもごちゃごちゃしているわけじゃない。いかにも小オ
ケで、新古典の雰囲気。涼やかで風通しがいい。
こんな表現では失礼極まりないし、当然無茶な話なんだけれども、イランの
アッバス・キアロスタミ監督の作品3つをぽつぽつ観たのを思い出しました。
実にぴったり!

(2)ピアノが主役だけれど、雰囲気は上記(1)からそう遠くない。鄙びた
じ。でも部分によっては(1)は調性の不安定なところがあるけれど、このコ
ンチェルティーノのほうはもう少し落ち着いていて、調性の揺らぎのような
ものは感じない。

(3) ピアノ独奏。この作曲家がバルセロナ出身、つまりピアノのモンポウ
ブランカフォートなどと同じカタルーニャ出身なんだ。そう書けばわかる
方も多いと思います。テンポの速いのもゆっくりしたものも、メランコリック
な踊りという感じ。非常に素敵。でも、この曲だけうんと古く、他の曲と大
きく違う。と見れば、作品1。

(4)ありふれた曲名。これは無調なんでしょうか。揺らいでいるようではあ
っても、そうでもないみたいですが、しめやか。武満の弦楽のためのナン
トカなんていうのに似たような音色も感じますね。

(5)音がぐっと新しい。セリーなんじゃないかと思います。歌詞がわからな
いだけ余計にというべきか、楚々としていい雰囲気です。
2分以上の㉑と㉔がすてきで、ともにクリスマス。

(6)ピアノソロ。これもセリーなんでしょうか。わかりませんが、もちろん(3)
とは似ても似つかない。これしき、聴きにくくはありませんが、カタルーニャ
の雰囲気は当然ありません。

(7)SoliloquyⅡ。
「独白」では明るいわけはありませんが、暗くもない。少々陰気かもというレ
ベル。やはり聴きづらいということもありません。とまれ、これが‘現代’とい
うものでしょう。
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前半の(1)~(3)が明るめ。あとが少し暗め。
NAXOSらしい発掘的音楽紹介。
適切な言葉は書けませんでした。それは悲しいが、結構楽しく聴きました。
ワタシは後半ですね。(5)(6)(7)。特に(5)。歌の苦手なワタシですから、
これは名曲かも・・・。このメゾがもっと上手だったらなぁ。