休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

フラトレス/マリア・バックマン

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20181016(了)
フラトレス/マリア・バックマン
(1)ジョン・コリリアーノ(b.1938) ヴァイオリン・ソナタ
  ①2:33  ②7:09  ③4:48  ④7:32
(2)アルヴォ・ペルト(b.1935) フラトレス 11:14
(3)ポール・モラヴェック(b.1957) ヴァイオリン・ソナタ
  ⑥9:08  ⑦7:25  ⑧5:27
(4)アルバート・グリンスキー(b.1952) トッカータ/スケルツォ 4:55
(5)オリヴィエ・メシアン(1908-92) イエズスの不滅性への頌歌 ⑩7:20
  (「世の終わりのための四重奏曲」より)
  マリア・バックマン(ヴァイオリン)、ジョン・クリボノフ(ピアノ)
  録音:1993年5月、NY、BMG Studio A
  1993年12月/CD/器楽曲(現代)/Catalyst/BMGビクター/邦盤/中古屋
  <★★★~★★★☆>
1993年発売。BMGビクターといった頃のCDです。
美しい方なので、中の写真を写してみました。というか、もともと美人ヴァ
イオリニストという売込みだったか。
25年も前のものということになります。まだわたしは‘仕入れ’をしていた
かもしれませんが、この名前記憶にありません。
フラトレス’という文字が見えたのでつい拾い上げてみました。
(1)映画「レッド・バイオリン」でオスカーの作曲賞を受けたコリリアーノ。こ
れを使ったヴァイオリン協奏曲はCDを確か持っています。このソナタは若
い時のものらしい。
全体的にもそうなんだけど①は特に新古典ないし新即物主義風・・・という
か、もろにストラヴィンスキー風。②はロマン派風に甘い。③では激しさが
あって張り詰めた感じだけれど、どこか東欧のような民族色が匂うロマン
派調。④中間部は②のように甘いけれど、前後の軽いアレグロが楽しい。
ヨーロッパのロマン派から近代にかけてのヴァイオリン・ソナタの最大公約
数みたいな感じ。
(2)‘フラトレス’はヴァイオリンとピアノでも聴かせますね。民族色と宗教色
を静かに溶き合わせた感じながら、弦楽器が多い編成の場合より古典的
で、粘り気がうんと少ない。それでも情念に不足はない気もした。
‘フラトレス’のタイトルでこのCDを選んだと書いておきながら、実はペルト
が必ずしも好きとは言えない。でもなかなか良かったです。曲のよさ。
                                     (世界初録音)
(3)コリリアーノの(1)と似たような言い方ができそう。いい表現ではなかっ
たみたい。ワタシより若い作曲家ですが、基本ロマン派の音楽やね。
モラヴェックというとモラヴェッツに通じるみたいなんで、ポーランド系の方な
んでしょうか。
⑥Lovelyはハイテンポ。どこがラブリーかわからん。 ⑦ Singing,tender,
rubato は気持ちのこもった緩徐楽章。⑧Impish,sprightly、小鬼にように元
気のよいさま?
(4)というか⑨は前の曲⑧の続きみたいな調子。(世界初録音)
モラヴェックもグリンスキーも初めて名を知りました。
(5) このちょっとしんどい曲の緩徐な部分が、この編成で聴けるとは思わな
かった。これは初録音とは書いてないので、当たり前に演奏される編成らし
い。たいそう美しい。「フラトレス」の上をいく。
CDアルバムの締めとして、余韻がとてもよろしい。ちゃんとメシアンの感じが
出てます。
(2)や(5)はリサイタルに時々にしろかかる曲なんですかね。いや。「フラト
レス」はこれが初録音というのだから、たいてい馴染はない編成やねぇ。
ヴァイオリン奏者である息子夫婦に、ヴァイオリン曲としてのこれらを知って
いるかどうか尋ねてみたくなりました。
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