休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ドン・エリス/ティアーズ・オブ・ジョイ

20240411(了)

DON ELLIS / TEARS OF JOY

   2005年/CD/ジャズ(ビッグバンド)/2枚組/Wounded Bird Records
   /Sony BMG Entertainment/originally released 1971 Sony BMG 
   Music/輸入/中古
   <★★★★>

 

「ドン・エリス・ビッグバンド」とでもいうのが正しいんでしょうね。

来たのはPケースに入っていない状態のCD2枚。時折ありますね、こういう
の。そんなこと書いてあったかなぁ・・・ 人気のありそうなアルバムを選
んでみました。一応二つ折りのライナーというか解説ふうなものが入ってま
すが、アルファベットの字があまりに小さく、メンバーなど読む気起きず。
ライブかどうかはわからんが、パラパラ拍手。ならば、ライブってことか。

余っていたPケースになんとかおさまりました。

 

Disc1
①ひょうきんなアレンジ。これがアルバムタイトルなの?
②荒ぶるビッグバンド。イメージ通り。トランペット・ソロはご本人やね。
ブルガリアンなんとかと読める通り、東欧の民族舞曲の感じ。オモロイ!
④数人のストリングズが入るも、調子のよい変拍子ふうなビッグバンドへ。
⑤ストリングズ入りの都会の憂愁。まともなトランペットソロ。

⑥「月光ソナタ」の出だしからブルースへ。ストリングスのあと、トランペ

ット。

⑦ヴァイオリン・ソロがむしろ邪魔っけだけど、マカロニウエスタンのよう
に歌い上げる。
 
⑤以降がスローテンポでストリングス(いたって少なく薄っぺらい)も入る
ので、①②③はすごいのに、全体にはちょっとおとなしい印象になる。アレ
ンジ~オーケストレーションはしっかりできているようではある。
聴き慣れてくると、後半(④以降)も、都会的な情緒の表現としてアリだと
思えてくる。始めの違和感が薄れ、「ポパイ刑事」もこの中に置いてみるこ
とができる気がしてきた、なーんてね。結局『フレンチコネクション』をず
っと引きずっているワタクシメ・・・

Disc2
①細かいスコアがあるのに、野蛮なまでに暴れまくるフルバンドと弦数名。
ほんに不思議な・・・ ん?6拍子?変拍子? オモロイ!
②前の曲のように始まるも、一転カッコいい都会の刑事ものとかハードボイ
ルド。いいノリ。タイトルはサンバだけど、こりゃサンバじゃないでしょう
・・・ トランペットのふざけた妙技。ドラムスのすごいソロ。
③チェロのソロから始まるが一体どうなるのか。17分台の大作。木管アンサ
ンブルになって、それもいいのに、大都会のハードボイルドふうへ。でも暴
れない。色んな組み合わせのアンサンブルの連続。音楽のシーンがコロコロ
変わる。これが実に特徴的で魅力。長いコーダがついているも、あまり煽情
的ではない。でも最後は大爆発。
④中間部は抑えて少々不気味なサスペンスを思わせるが、両脇は大暴れ。

We shall overcome・・・なんてメロディも入れつつ、ま、たった4分半の

「小曲」?

いやなかなか盛沢山。
 
ライブのせいでバンドは大暴れするくせに、何度も書くがスコアはやはりち

ゃんと書かれているらしかった。曲想がものすごく多い。どんどん出てくる。

散漫にならずちゃんと密度を感じる。

ヤケクソとか粗削りとかの言葉も当たっているように思うけれど、そんへん
も計算に入っている感じもある。
何度聴いても、印象が違ってしまうので、捉えにくいですが、評価が高いの
はわかる気がする。元気なうちは、聴ける、聴いてもいい音楽だと思います。
あくまで元気なうちは、ですけど。
特にCD2が全曲お薦め。
 
アルバムタイトルはCD1の①。「うれし涙」ぐらいの意味? 違うか・・・