20210123(了) |
NELSON RIDDLE/Two On One
(1)The Joy Of Living
(2)Love Is A Game Of Poker
CD/ジャズ&ムード/1997 Ⓟ&ⓒ EMI//1959-1962Capitol/輸入/中古 |
<★★★★> |
60年ほども前のジャズ系ムード音楽です! |
ネルソン・リドルと彼のオーケストラ。2枚のアルバムを一緒にしてある。 |
ビッグバンドとストリングスで、彼のお得意ジャンルらしい。 |
たくさんの映画音楽やテレビ映画の音楽、名だたる歌手との共演/伴奏と見 |
事なアレンジ。 |
多くを知らないワタシには、シナトラとのものなんかもいいけれど、ロー |
ズマリー・クルーニーのバックをカッコよく務めたRCAのアルバムは愛聴 |
盤なのです。 |
さて、ここではストリングスをつけて、歌はなし。 |
このタイプはほとんど初めて聴きます。目新しいわけじゃありません、ほ |
とんど懐かしい。 |
一時代を風靡した名楽団、名アレンジャーの面目躍如。 |
ワタシが色んな音楽を聴き始めたころには、その魅力に気が付かなかった |
ジャンルだったんですな。ストリングス中心のムード音楽はそれなりに耳 |
に入っていたのに、コルトレーンに出会うまでジャズ系のものには触れな |
かったらしい。ついでに言えば、ラテン系や中南米系のものは、オッサン |
になってからやっと気になり始めたんだもの、ずいぶん遅れてしまった。 |
(1)はビッグバンドは前面に出さず、おとなし目のリズムセクションとス |
トリングスの上に、ソロ楽器が乗っかっている。 |
トランペットやフルートやギターなどの普通の楽器のソロに交じって非常 |
に特徴的なのが、トロンボーンの低音を使ったソロでしょうか。おっとり |
した感じのもの、可愛い感じのもの、が多く、ただ流すだけでいいような |
ものかもしれないものの、なんだかもったいない独特のセンスにあふれて |
いる。(2)よりレベルは高いかも。 |
(2)は(1)と実質似ているのかもしれないが、かなり違って聞こえるの |
は、アレンジより派手な録音のせいかもしれない。 |
アレンジとしては、(1)よりビッグバンドがもう少し前面に出てきてい |
るのが大きな違い。音が分厚い。 |
しかし何より違うのは多分録音で、音がぎらつく録り方で人工的色彩感。 |
しかも残響が猛烈に長い。特に弦とキラキラした打楽器。ワタシの耳では |
混濁もあまりしているとは思えない。はっきり意図した音作りだと思いま |
す。普通ならどぎつくて嫌がられそうだが、まぁ、その寸前。下品の一歩 |
手前とでもいうか、上手いもんじゃないでしょうか。 |
弦なんかも、しょぼくならないように、アレンジも録音も工夫したに違い |
ない。どうせそんなにたくさんの弦を使っちゃいないでしょうから。 |
少々遅かった(半世紀以上かかった!)が、いいアルバム2枚分でした。 |
映画となると、マンシーニなんかのほうがもう少し守備範囲が広かったと |
は思いますが、この翳のない軽み、都会的センスは、そう誰にも出せるわ |
けじゃない洗練されたものだったと思います。 |
ほかにも探したくなりました。 |