休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ヴィラ=ロボス/弦楽四重奏曲全集

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20180623(了)
ヴィラ=ロボス(1887-1959)/弦楽四重奏曲全集
 Heitor Villa=Lobos/String Quartets(complete)
 
  CD1~CD6(全17曲、1915~1957)
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  ラテンアメリカ弦楽四重奏団
  録音:1994~2000年、ニューヨーク&メキシコシティ
  2001年12月/CD/6枚組/室内楽/Brilliant Classics/中古
  <★★★☆>
 
40年間にばらばらと書かれ続けた弦楽四重奏曲の全集。
あんまり気の入ったレヴューはなかったんだけれど、かしこまってヴィラ=
ロボスの個性が出ていないかもという交響曲の評と並べて、この四重奏
曲も似たような感じで書かれていた。ならば聴いてみよう、うんと安いし、
と手に入れてみました。
 
6枚ですからね、聴いた尻から忘れる・・・というところかもしれませんが、
実は、17曲もあるからというだけでなく、どの曲も形式にのっとった穏や
かなものがほとんどで、「これだ!」という特徴が乏しい。
細かく言えば言えなくもないけれど、すべてすーっと流れ、聴いた後は
みなゴッチャになっちまう。
冷たかったり、涼しかったり、甘味が利いてみたり、民族色的に聞こえて
みたり、、、どれだったか(というしかない感じ)、「ラ・クムパルシータ」が
聞こえてみたり。(第12番) でもとてもブラジル固有の、なんてことはな
い。いや第6番なんかは「ブラジル」というあだ名があって中では知られ
た曲らしいのだけれど、ワタシには抒情や悲哀が印象の曲だった。
ワタシに印象が残ったのは・・・あまり意味ないけど・・・
第2番:楚々とした感じ、涼し気なところ
第3番:優しさや軽やかさがよく、英国ものを思わせた
第7番:甘さやメロドラマっぽさ、はたまた陰鬱感、スラーの多用など。陳
     腐にならずに、長大さも音楽を緩ませることがなかった。
第15番:俗っぽいものと尖ったものが替わりばんこに現れたり、ひどく繊
     細だったりするが、尖った感じが中では珍しかったかな。第9番
     も言葉の上では似た感じ。
第16番:若干大仰なセンチメンタル、悲劇的、沈潜などがとてもいいんだ
     が、後半の踊りや遊び心とのバランスがとれている。
 
こんなところでしょうかね。結局なんだか国籍不明だったなあ。
ちょっと思い出したのはね、ミヨーの交響曲。くだらない類似点です。
ほぼ全部聴いたんだけれど、なんだか知らない間に全部混ざり合っちゃ
って、どれがどうだったかわからなくなったのに、少し似ているかも・・・。
いわば「金太郎飴」、その度合いはミヨーの比じゃない。上に5曲挙げた
のもあまり意味はない。
 
多くの人に演奏され続け聴かれ続ければ名曲になる、それが“クラシッ
ク”らしい曲ということになりますが、そのだんで言えば、残念ながらこの
17曲はどれも名曲の仲間入りをしそうには思えない。埋もれた曲たちの
仲間入りならする。でもどれもこれも穏やかで独特の感性に貫かれた室
内楽の世界だと思いました。時代錯誤なほど古風な形をとりながら、決し
て凡庸というわけではない。
ハイドンミャスコフスキー交響曲を全部聴いたら、ひょっとするとこ
んなふうになってみたりするかも・・・なんて、空想します。ミャスコフスキ
ーは聴こうと思ったが、果たしていません。CDの枚数が半端でない。
ヴィラ=ロボスの交響曲だってまだCD2枚分ぐらい、残っています。こっち
が先だし、それも言うなら、「ショーロス」や「ブラジル風バッハ」がさらに
手前にあるべきなんだろうな。ワタシはこんな時、少し偏屈になってしま
うようです、「時間」もないくせに・・・)
 
これほどBGMにピッタリの室内楽のセット物もなかなかないんじゃないか
な。
 
CD6枚、17曲をこれだけで済ませるのはどうかと思うんだけれど、まあ
こういうの聴いてみましたという紹介だね。
幅の広い作曲家の、真面目でお固い分野の作品ばかり聴いてきてい
ます。
 
四重奏団はメキシコの団体。悪くないと思います。
 
<ジャケット写真>
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