休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

バツェヴィチ/弦楽のための交響曲 他

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20180704(了)
バツェヴィチ Grażyna BACEWICZ(1909-1969)
 
(1)弦楽のための協奏曲(1948) 14:38
  ①4:52 ②4:41 ③5:05
(2)弦楽のための交響曲(1946) 23:44
  ④5:54 ⑤5:08 ⑥4:40 ⑦8:02
(3)ピアノ五重奏曲第1番(M・スモリーによるピアノと管弦楽(1952/2013)
  ⑧8:24 ⑨4:38 ⑩8:19 ⑪5:28
 
  マリウシュ・スモリー指揮/カペラ・ビドゴスティエンシス
  エヴァ・クピーク(ピアノ,(3))
  録音:2013年9月、ポーランド、Bydgoszcz、Hall of the Pomeranian Philharmonic
  CD/現代音楽/Ⓟ&ⓒ 2014 Naxos Rights US,Inc.(ブックレット:英、ドイツ製)
  <★★★☆>
 
 
 
〈CD帯紹介文〉 ポーランドの女性作曲家において、最初に国際的に認知された
のがこのバツェヴィチです。父からヴァイオリンとピアノを学び、1928年にワルシ
ャワ音楽院に入学、1932年に卒業してすぐにヴァイオリニスト、作曲家として活
動を始め、奨学金を得ながらパリに留学、エコール・ノルマル音楽院でナディア・
ブーランジェの薫陶を受けます。ヴァイオリニストとしてはカール・フレッシュに師
事、演奏家としても作曲家としてもその才能に磨きをかけました。そんな彼女の
作品にはヴァイオリンをメインにしたものが多いのですが、この戦後に書かれた
「弦楽のための協奏曲」はバロック時代の様式を模したスタイルで書かれた闊
達な音と大胆な動きを持つ作品で、なぜか聴き手の闘争本能を掻き立てるよう
な不思議な魅力を放っています。 その2年前に書かれた「弦楽のための交響
曲」も活力と欲求が漲るギラギラとした光に溢れたもの。一度聴いたら底なし沼
に沈むかのように抜け出せない音楽です。スモリー自身が室内管弦楽用に編
曲した「ピアノ五重奏曲 第1番」は彼女の作品の中でも、最も人気の高いもの
の一つですが、原曲の持つ力強さと荒々しさが一層強調されたこの編曲ヴァー
ジョンは、一層の歯ごたえを感じさせるものです。ポーランドの名手クピークのピ
アノも聴き所です。
 
 
(1)の協奏曲は『なぜか聴き手の闘争本能を掻き立てるような不思議な魅力』、
(2)の交響曲は『活力と欲求が漲るギラギラとした光に溢れたもの』。
合わせて、『一度聴いたら底なし沼に沈むかのように抜け出せない音楽』だって。
なかなか強力なレコメンドです。
しかも、実は(3)が最も人気が高いものの一つときたもんだ。
 
通販の宣伝にひょっこり出てくるようになって、気にして見ると、NAXOSでもほか
弦楽四重奏曲が載ってましたし、メジャーのレーベルでもいくつも出ているよ
うでした。
気軽に聴くならカルテットだろうとは思いましたが、このところヴィラ=ロボスのカ
ルテット17曲をとっかえひっかえ聴いていましたから、別の編成にしてみたわけ
です。
 
(1)と(2)はなかなかステキで、評もわかる気がする。もっとも、ベターっと流れ
て行き、気分的に息継ぎがしにくい感じ。
むしろ、『一度聴いたら底なし沼に沈むかのように抜け出せない…』のは(3)で
しょう。これは編曲(ここで指揮をしている方)がものすごくうまいんじゃないでし
ょうか。激しいところもいいが、沈潜してゆく⑩と⑪は魅力たっぷり。
戦争や国情などが反映しているような気はしますが、決して尖った音楽ではあり
ません。
カルテットよりヴァイオリン協奏曲を聴いてみたくなりました。