休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ヴィラ=ロボス/交響曲 第10番「アメリンディア」

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20180402(了)
ヴィラ=ロボス(1887-1959)/交響曲 第10番「アメリンディア」
   テノールバリトン、バスと混声合唱、オーケストラのためのオラトリオ(1954)
 ①第1部:大地と創造物  Allegro
 ②第2部:戦いの叫び Lento
 ③第3部:イウルピチュナ Scherzo
 ④第4部:大地の声と父アンシエタの出現 Lento
 ⑤第5部:Poco allegro
  イサーク・カラブチェフスキー指揮/サンパウロ交響楽団&合唱団
  レオナルド・ネイバ(バリトン)/サウロ・ジャバン(バス)
  録音:2013年2月、ブラジル、サンパウロ、サラ・サンパウロ Tot.60:47
  CD/クラシック/交響曲/Ⓟ&ⓒ 2014 Naxos Right's,US,Inc.
  <★★★★>

続いてブラジルもの。
(帯紹介文) 最近、人気沸騰中の作曲家ヴィラ=ロボス(1887-1959)は、ブラ
ジル音楽文化の発展のために大変な力を尽くしました。この交響曲第10番「ア
メリンディア」はサンパウロ創立400周年の記念行事のために1954年に作曲さ
れた、壮大なカンタータです。曲はしばしば暴力的なリズムと野性的な響き、そ
して時には繊細さを持つ、ブラジルのセンチメンタリズムを想起させるもので、
色彩的で派手な様相を備えています。
ヴィラ=ロボスの交響曲は、第9番までは基本的にオーソドックスなもので、珍
しい楽器を使ったり、型破りなことなどはせず、彼の作品の中では 「おとなしい
もの」 として捉えられており、演奏される機会もあまりありません。しかしこの第
10番は例外的な仕事であり、この作風の多様性と折衷主義はとてもユニーク
なものとして聴き手の目に映ることでしょう。この楽譜のスコアには2つの副題
が付けられており・・・「アメリンディア」 と 「Sume, Father of Fathers(神話の登
場人物)」・・・ベートーヴェンの第9のようではなく、マーラーの第8番、もしくはヤ
ナーチェクのグラゴルミサのようなものと説明されています。様々な事象が内包
された素晴らしいこの作品。ぜひ味わってみてください。
カンタータですか。カンタータもいろいろやね。惹句はこう・・・
  宗教、人種問題、そしてブラジルの歴史・・・
  あまりにも壮大で色彩的な交響曲
合唱や独唱が入り始めると、宗教とか歴史とか言いたくなる。
ショーロという音楽が中心にあるんじゃないかと思うんだが、それよりももっと
もっと古いものに思いを馳せさせるものが確かにある。マヤやインカやアステ
カなど、スペインやヨーロッパ人が渡って来る前に。
だから、マーラーの8番? グラゴルミサ? ワタシの印象とは違うなぁ。
カンタータは宗教的なもので、言葉のうえで共通するものはなくもない。
でもやっぱり古代の感じ。例えば・・・どんちゃん騒ぎに近い‘祭儀’とは言え
ると思います。オケの規模感があり、巨大な混沌と言えなくもないけれど、繊
細さだってある。そしてとてもカラフル。
第1楽章からすでにテンションは高いが、第2楽章のlentoが効いて形式感と
いうか、収まり感が出ています。この楽章、War Cry とある。交響曲第3番
の副題が「戦争」で、それなのにほとんど戦争らしい表現がなかったのと似て
いる感じで、激しさも悲嘆もなく、ただ乾いて妙に美しい。
第1楽章ではお隣の国のヒナステラにとても似たところを感じた時もあったの
ですが、根本的には違う世界観なんでしょう、その後はそういうところ――ヒ
ナステラのどこかダークサイドふうなもの――を感じることもなく、わかりやす
い、あるいは、親しみやすい音楽であり続け、第4楽章や第5楽章の大盛り上
がりに快哉
今迄に聴いたのは3番/4番/6番/7番/12番。
3番や4番と6番との間で、オーケストレーションの進歩が猛烈にあったみたい
に思えます。紹介文では9番まではオーソドックスだと書いていいるものの、
8番や9番はまだ聴いていないので、オーソドックスさというのはいまいちわか
らないが、6番のニュアンスの豊かさは素晴らしい。(マルコム・アーノルド
オシャレな5番や6番を連想しました。こういうのって、演目に載ることなんて
あるんだろうか・・・コンサートに行かない人が言うのもなんだけど、アーノルド
の名なんて、そもそも見たことない)
最近感想文を書いた12番は、ミヨーの交響曲(いわば金太郎飴的)と、さまざ
まなところで似た音がする。ミヨーも確か南米を好んでいたんだった。10番の
ミヨーに似た音は、この12番ほどには顕著じゃないけど。
ともあれ、この後も未聴の分は機会を持つつもりですが、10番はカンタータ
いうだけあってある種宗教臭さはなくはないものの、濃くもない。そんなに型
破りとは思えないけれど、これも十分現代音楽。オーケストレーションのニュ
アンスの豊かさは、さらに増していると思う。
とまあ、結構真面目にシンフォニーを聴いてきたけれど、WIKI解説じゃあ、
 「その古典的形式という制約が彼の音楽のテンペラメントと必ずしも一致せ
 ず、彼の作品の中では第二義的な作品群にとどまっており、耳にする機会
 は希である」
古典的形式、制約、第二義的・・・  アーノルド同様人気なし、か・・・
大盛り上がりになるとはいえ、バーバリズムというほど荒々しくはなく、抑えて
センスのある表現方法でもって言いたいことを言っている気はする。
そんなに不自由だったのなら、交響曲もカルテットもそうたくさんは書くまいよ。
これだと、生で聴く機会はないと言っているに等しい。 17曲ある弦楽四重奏
曲も同趣旨の言われ方。こちとら気にする必要などあるわけもないが、やっ
ぱり少しがっかりしたかな。より実験的な「ブラジル風バッハ」やショーロスを
聴けと言わんばかり・・・。
最後にジャケット写真を眺めたんだよね。
元から‘古代ネタ’だって言ってくれてたようなもんじゃないか・・・