休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

較べて楽しむ地図帳

20241115(了)

          60年前と現在の世界地図

             較べて楽しむ地図帳

 

  関 眞興(編著)/二宮書店(協力)
  2021年11月/山川出版社
  <★★★★☆>

 

カミサンが投げ出していた(多分)もので、面白いかもともらっておいた。
まあ、60年前と比較してあるだけの地図帳といっては、身も蓋もありません
が、一応そういう発想のもとに企画されたんでしょう。
で、この地図帳で案外面白かったのは、世界のあちこちの60年前との比較が
わかりいいように、地区地区の60年の歴史(実際にはそれに留まるものでは
ありませんでしたが)をわりと丁寧にさらってくれて、めぼしい変化にも言及
してくれていること。簡潔でわかりやすかった。ほんとはね、それが一番大事
なことなんですが。
でもやっぱり地図帳なんだし、較べられるんだから、較べて「発見」するに越
したことはない。

そうそう、先に書いておきますと正式な国名がものすごくたくさん変わってい

た!

 
結局は、パートの仕事場でぽつりぽつりページをめくるぐらいしかできず、そ
れもプーチンウクライナ、ドイツのAfD、ハンガリーのオルバン政権、パ
レスチナとイスラエル、トランプ次期大統領、等々戦争や目立っている右傾化

や自国ファーストのことまでは届いていないのですが、一応気にしいしい眺め

はしました。

 
それだけなんですけどね。
ド派手に変化したのはもちろんアフリカ――「アフリカの年1960年」なんかは
ワタシの小学校高学年から中学にかけてのど真ん中。地図の中身は、今でこそ
当時の現実には追いついていなかったことが色々わかりはしましたが、とまれ、
そのころは地図帳を眺めるのは妙に好きでした―― 、旧ソ連周辺、旧ユーゴあ
たり、ではありではありますが、強い印象としては、なんたって、60年前の
地図がいかに「雑」あるいは「大雑把」なものだったかということです。まあ
しょうがなかったのですけど。
経緯、国境線、民族、宗教など、ややこしくてワタシにはとても覚えきれない
のが、コーカサスでしょうか。民族や宗教というとややこしいのは世界中にあ
って、地図を観るだけではまったくわからないのですが、コーカサスと続いて

いる中東もそうで、眺めているだけで、なにやら不安な気持ちにさえなってく

る。

 
世界の現代史概説なんていってもいいような文章をたくさん読まされたような
格好と言えなくもないけれど、ウンと読みやすかったし、知らないことも忘れ
ていたことも、あらかたなぞってくれた感じです。
今は、世界の問題といったら、トランプが世界をどんなふうに引っ搔き回すこ
とになるかが、きわめて大きな関心の対象ですが、、、それすらも歴史という
流れに絡めとられていくんだ、なんてね(えらそうに)。
でもまあ、今を生きる生き物としての人間にとっては、「歴史」なんてものは
第一の関心事なんかじゃない・・・
そんなふうに、わざわざ断りでもしないといけないような心持にさせてくれる

現代。「現代」なんて、毎年毎年、そんな傾向に染まるものものなんだ、きっ

と。

はい、のんびり眺め続けて、ひとまず読了。
いわゆる地図上の60年間の比較みならず、この冊子の中には、地図に載らな
い歴史のほか、実に色々な項目に関する比較(社会的なものもたっぷり)が、
たくさん載せられています。良心的。ほぼ教材やね。時々眺めるには最適の本
です。
以上、だらだらメモでした。
あと6年たてば、70年前との比較なんてものも観たくなるかもしれません。
生きていることと、どうか、目が悪くなりませんように・・・。