休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

アルメニアン・ダンス!/名古屋ダブルリードアンサンブル

20220912(了)

アルメニアン・ダンス!

   /名古屋ダブルリードアンサンブル

【収録曲】

(1)アルメニアン・ダンス パート1/アルフレッド・リード(1921-2005)  

    ①杏の木~やまうずらの歌~おーい、僕のナザン~アラガツ山~ゆけ、ゆけ

 (2)アルメニアン・ダンス パート2/アルフレッド・リード

  ②I、.風よ吹け(農民の訴え)

  ③II.、クーマル(結婚の舞曲)
  ④III、ロリ地方の農耕歌(ロリの歌) 

(3)吹奏楽のための第1組曲 変ホ長調 作品28-1/グスタフ・ホルスト(1874-1934)

  ⑤シャコンヌ ⑥インテルメッツォ ⑦マーチ

(4)吹奏楽のための第2組曲 ヘ長調 作品28-2/グスタフ・ホルスト

  ⑧マーチ ⑨無言歌 ⑩鍛冶屋の歌 ⑪ダーガソンによる幻想曲

                          (以上のアレンジ; 山本直人

(5)主よ、人の望みの喜びよ/J・S・バッハ  

  ⑫                        (アレンジ; 石田 正)

 
 
 ・演奏:名古屋ダブルリードアンサンブル
   (Nagoya Double-Reed Ensemble)
    オーボエ山本直人、小木曽栄里子、羽佐田優子
    オーボエダモーレ&イングリッシュホルン:石田正
    イングリッシュホルン:小室真美、須田聡子
    バスーンコントラバスーン:野村和代、桑原真知子
    コントラバスーン:冨士川健
 ・収録:2018年2月6-8日 三井住友海上しらかわホール
 ・発売元:フォンテック ・発売年:2018年
    <★★★★△>

吹奏楽ブラスバンドの情報マガジン「バンド・パワー」解説から);
世界的にも珍しいダブルリード楽器のみで構成される『名古屋ダブルリード
アンサンブル』が待望の3rdアルバムを発売。今回は吹奏楽の名曲「アルメ
ニアン・ダンス」とホルストの「吹奏楽のための組曲」を、なんと、ダブル
リードだけで演奏しちゃいます。
この歌心あふれるアンサンブルは、この編成にしか出せない独自の世界! 
こういうCDを発売してくれるメーカーがある限り、まだまだCDの時代を終
わらせちゃダメだよね。このサウンド、次はぜひホールで体験してみたい…
     
上の解説を読むまで知りませんでした。バッハは当たり前としても、リード
ホルストもアレンジものだったってことを。おめでたいことです。でもま
あ音楽なんて、本当はそれでいいのですけどね。
・・・ワタシが個人的にこだわりたいのは、音楽といっても、大雑把には
「歌と歌でないものとは分けたい」ということぐらい。
 
「まだまだCDの時代を終わらせちゃダメ・・・」の理由としては薄弱ながら、
なんといっても、「この編成にしか出せない独自の世界」であることは論を
待たない。いや、聴きゃあすぐわかります。
 
アルメニアン・ダンス」は数あるリードの曲の中でも傑作の誉れ高いもの
だそうで、吹奏楽はあまり知らないワタシですので、先日のライブを聴くま
で全く知りませんでした。
(1)はたくさんの曲想を一気呵成に繋いだ感じ。概して元気で楽しい踊り
が中心。
(2)になるとだいぶん変わって、②の美しくも悲しい調子は、とても素敵
だけれど、踊れはしない。コントラバスーン以外が皆メロディを吹いて、な
かなか複雑。複雑と言えば、この曲の出だし。ドヴォルザークのスラブ舞曲
のどれかの出だしの音色とそっくりで、思わず耳をそばだててしまいました。
③がライブで聴いた曲。軽やかで上品なダンスなんだが、カノンやフーガの
調子が、ダブルリード同士だと、なんでこんなに素敵に聞こえるんだろうと
、、、ライブの時、涙腺が緩んだと書きましたが、やっぱりね、そんな感じ、
ありますねぇ。
④農耕歌ですか。何本かでのユニゾンと、そこへ他から不協和音になるよう
に茶々が入る。そのあと、重くリズミックな曲調になり、どこかあのコサッ
クの踊りみたいになる。この編成では土俗的、なんて感じは出ないけれど、
想像はできる。そのあとは悲しげな調子を経て、前のコサックの踊りに戻っ
て盛り上がって終る。コサックといったら、ウクライナや南ロシアのものな
ので、コーカサスアルメニアも遠からず、なのかな。
リードさん、きっといろいろ採譜なんかもなさったんだろうね。
ロマン派の末裔ふうな香りのする、いいものに出逢いました。
 

(3)&(4)「吹奏楽のための組曲 『惑星』以外は、吹奏楽の方のほうが

よく知っていそうなホルストです。
⑤は擬古典ふう。イギリスは匂わない。どんどんぶ厚くなって、堂々と終わ
るのがかっこいい。
インテルメッツォなんだが、スケルツォで、イギリス風なメロディが駆け
抜ける。
⑦フルバンドなら見事なマーチでしょうね。想像するもよし、このサイズを
踊りのように楽しむもよし。
(4)こんどはやや気取った感じ・・・
⑧これも⑦と似た調子のマーチだけれど、歩くよりは聴くマーチ、かな。民
謡のようなメロディが中間部にある。
⑨無言歌だけれど愛や恋の歌らしい。物悲しい。
⑩リズムに特徴のある、、、これ聴いたことありますねえ、ちょっと軍隊も
想起するけれど。
⑪ダーガソンが何か知らないが、弾むようなテンポのメロディが繰り返され
アレンジされて行く中に「グリーン・スリーヴズ」のメロディがぽつぽつと
入れられるという構造です。フルバンドなら大盛り上がりのエンディングに
なるでしょう。
アルメニアン・ダンス」があまりに素敵なので、ホルストが割を食いまし
たが、ホルストも、ホント、よかったです。
 
(5)ライブでも、これ、アンコールで奏されました。ここでは、なくても
よかったけどね。

演奏会場のフロアの即売で、思わず買ってしまったアルバムです。
でも、正解!
しらかわホールの録音だったんですねぇ、この名古屋のホール、何度も行
きました。懐かしい。

 

 

戦争にかり出されそうな人やその家族が、お隣ジョージアに続々となだれ
込んでるというニュースを聞いてからちょっと経ちます。
好戦的なチェチェンを迂回するように行くんだろうが・・・
ジョージアアルメニアは、今どんな国情なんだろう・・・
ジョージアは西寄りで、アルメニアチェチェンほどでなくても親ロシア。
ジョージアに逃げ込んでも、不安な感じに見えます。
映画『2001年;宇宙の旅』で宇宙船が静かに木星への旅をしている最中
に流れる曲、ハチャトゥリアンのバレエ組曲ガイーヌ』の中の「アダージ
」は、映画ファンにもけっこう印象深いんじゃないかと思います。また
ェイムズ・ホーナーという作曲家が映画『エイリアン2』や『今そこにある
危機』でも、この曲を印象深く使っています。特に前者。ホーナーさんもよ
ほど『2001年』の使われ方が気に入ったんでしょう。物の解説によれば

ホーナーはアレンジしているようで、「アダージョのような曲」と、書かれ

てはいますが。

長くなりました、そのハチャトゥリアンが、ロシア人ではなくアルメニア
の作曲家だということを言いたかっただけです。

  (いかにも「紛争」という臭いが漂ってくる気がする国境線です)

 

こんな記事見つけたので、貼り付けておきます。(20221121)