休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

OMPS「やさしい本泥棒」

20221028(了)

サントラ『やさしい本泥棒』

THE BOOK THIEF/Original Motion Piture Soundtrack
MUSIC COMPOSED AND CONDUCTED BY JOHN WILLIAMS
  ①-㉒
  CD/映画音楽/OMPS/Ⓟ&ⓒ Twentieth Century Fox Film Corporation/
  ソニー・クラシカル/輸入/中古
  <★★★★>

    《映画》ブライアン・パーシバル(監督)/ジェフリー・ラッシュ
                 /エミリー・ワトソン/ ソフィー・ネリッセ
    2013年製作/130分/G/アメリカ・ドイツ合作/原題:The Book Thief

今年5月に載せた『アンジェラの灰』のサントラと、どうしても較べてしまう
ことになりました。これは名作サントラです。ちょっと分が悪いか。
これに敵わない点は、、、
わかりやすい耳に残るメロディやピアノ、ハープなどの扱いの出来、などでし
ょうか。といっても、違う映画なのだから、違いは無論当たり前。
『アンジェラの灰』が、むしろ素朴な内容であるにも拘らず、美しく出来過ぎ
ていたり、新天地に向かうことが、まるでゴージャスに賛美するかのような聞
こえ方をする。それでよかったのだろうかという意見もありうると思うのです。
『A.I』に似たキラキラ感もふんだんで、そう思と、音楽だけ聴く分にはいいけ
れど、映画にはどうだったのだろう・・もう少し地味でもよかったんじゃない? 
ファンタジー? 
ワタシは実は大好きです。
 
さあ、それに対し、『本泥棒』のほうは・・・
全体に抑えたタッチで、目立ったメロディや歌い上げはほとんどない。
いや地味とはいえ、なかなかいいメロディなんですよ。でも『アンジェラ』に
は対抗できない。むしろおとなしく、沈潜しがちな雰囲気に貢献している。
もっとも、そうではありながらも、どこか都会的なセンス、っていうのかな。

感覚的なものだけど、その辺の感じが大きく違う点ということになるように思

う。

 
ああ、『アンジェラ』にちょくちょく出てきて、『本泥棒』に一切なかったよ
うだったサウンドが一つあるね。弦のピツィカート。チャイコフスキーの第4
交響曲のように、大々的にピチカートが使われるところがあります。
 
『アンジェラ』の記述のほうが多くなっちゃったな。
似ているのは、柔らかくぶ厚い弦、オーボエ・ソロが多いこと・・・
でもね、いろいろ比較はしても、ジョン・ウィリアムズサウンドとでもいう
ような音(色)の作り方やメロディの形は、個性としてあるのですよ。それは
あちこちで感じられました。
メロディだって作曲家自身の癖や個性。音色は彼と彼の専属オーケストレータ
ーたちとのコンビネーションの癖や個性。

 

そうだ、ウィリアムズの映画音楽でのミニマル、今頃一つ思い出した。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
これって、もろにそうだったじゃないか・・・ 非常に上手な使い方。そして
木管の音色が独特だった。
ま、いろいろ記憶の襞には残ってるんだろうけれど、必要なものでなきゃ、そ
う簡単には思い出さなくなりました。

 

もはや90歳になっておられるジョン・ウィリアムズさん(観客として「スタ
ー・ウォーズ」は見たことがないそうな!)、お元気でしょうか・・・