休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

志ん朝;〔お見立て〕〔火焔太鼓〕

20240611(了)

古今亭志ん朝(1938-2001)

(1)〔お見立て〕
   ①出囃子「老松」~マクラ
   ②仮病作戦
   ③入院先はどこだ
   ④実は焦がれ死んだ!~寺はどこだ
   ⑤墓はどれなんだ~サゲ~仲入り
      録音:1999,4,17 第2回朝日名人会
(2)〔火焔太鼓〕
   ⑥出囃子「老松」~マクラ
   ⑦汚い太鼓
   ⑧殿様の関心~お屋敷へ参上
   ⑨世に二つという・・・
   ⑩道具屋凱旋~サゲ~追い出し
      録音:1999,2,25 第1回朝日名人会(共に有楽町朝日ホール)
 
   CD/落語/ⓅⒸ 1999 Sony Music Entertainment/邦盤/中古
   <★★★★>

 「このディスクの内容は伝承古典落語ですので、現社会には実在しません」
 ですって。わかりました。いちいちご苦労様。
 朝日名人会ライブラリーシリーズと銘打たれたシリーズの第一巻。
 
(1)吉原でのお話だそう。
花魁がどうしても嫌だという客が来てしまう。いないことにして、なんとか帰
ってもらおうと画策するが、ついた嘘が次々にほころびや引っかかりを生じさ
せて、なかなか帰ってもらえない。病気で入院したことにし、しまいにゃ花魁
を死んだことにしてしまう・・・
てなぐあいで、裏で無茶振りをする花魁、帰りそうで帰らないのらりくらりと
揚げ足をとり食い下がる客、間に入って花魁の指示する嘘をふくらませては墓
穴を掘るなかなかに芸達者な若い衆がタイヘン。当意即妙とはいえ、嘘に嘘が
重なって、情報伝達がどんどんこんがらがって行くのを笑う。
 
 
(2)江戸の古道具屋の店先。古ぼけた太鼓を挟んで、夫婦の会話・・・
ほとんど粗忽といってもいい道具屋のおやじがこ汚い太鼓を仕入れてきて、い
つものようにカミサンに、まるで子供を叱るように、さんざん馬鹿にされ叱ら
れている。このかけあいが楽しい。
手伝いとして預かっている親戚の男の子が、この太鼓のほこりを払っていると、
なぜかドンドンと音が出る。
店先を通りかかったさるお大臣がこれを聞いて気に入ったかで、買うかもしれ
ないから屋敷にもって来るように言いおいて帰っちまう。
また夫婦の掛け合い。売れるわけぁない、失敗してひどい目に遭う前に帰って
こい云々と、またぞろカミサンにさんざ脅されるが、オヤジが太鼓をおっかな
びっくり持って行ってみると、火焔太鼓という値打ちのあるもので、とんでも
ない値段で買い取ってくれるという。そのすったもんだ、さらに帰り着いてか
らのすったもんだ。
いやー、楽しい。

  (初めのジャケット写真のほうは、払った太鼓のほこりが舞っているとい

   うしぐさでしょうか)

すぐに聴けるものなら、近所の図書館にも在庫はいくらかあったから、そこか

ら借りてもいいんだけどな・・・ 返却期日までにちゃんと聴き終える自信が

ない。