休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『1秒先の彼』

マンガ、ではないみたいですが、そんな感じでした

20240528(了)

映画『1秒先の彼』

  監督:山下敦弘/脚本:宮藤官九郎//岡田将生/清原華耶
  2023年製作/119分/邦画/DVDレンタル
  <★★★△>

リメイクだそうで、もとは台湾の『1秒先の彼女』という作品らしい。
主役に当たる男女を逆にしたのが最も大きい変更点。舞台は京都に変わった。
まわりよりワンテンポ早い男(郵便局で働くハジメ)と、逆にワンテンポ遅
い女性レイカ
子どもの時からの経緯というか因縁というか、そういうものがあるものの、
30歳のハンサム男子なのに、必ず女性の方から去られる男ハジメのほうは、
そんなことはたいがい忘れている。(実は気にしている)
目立つということがまったくないレイカのほうは、すくなくとも今のハジメ

には気づいていて、ハジメの前に現れてはいる。もちろん気づいてもらえた

ことはない。

 
ハジメがまだ中学だか高校だかのころに父親が失踪してしまったエピソード
があって、最後には回収されるが、とりあえず大事な事件は、川原でギター
一本で歌っていたストリート・ミュージシャンふうな女の子と知り合って親
しくなりかかることの方。
そっちの流れがきっかけとなって、不思議なストーリーが始まる。ハジメ
とって、一日が(大事なデートの一日が)なぜかすっ飛んでしまう(=なく
なってしまう)のね。気が付けば日焼けまでしている。
どういうこと?
 

(すっ飛んでしまった日は、オリジナルではどんなふうに描かれていたんで

しょうか・・・)

 
そこから先は書けませんが、これはもうあれこれ言ってもしょうがない、漫

画的といってもいいファンタジーの世界です。目標はもちろん、ラブストー

リー。

若い人のほうが文句を言いたくなるかもしれないですね。なんたって一日が
消えてしまうほどだから、理屈に合わないような箇所はわんさか出てくる。
時間を前後させながら、しかも、説明的にならないよう、脚本は案外注意深
くコントロールされている。何しろレイカの表情が乏しく、セリフもうんと
少ない。彼の父親のエピソードの回収方法だけはしんどかったけれど・・・
 彼の(彼の一家の)苗字は「皇」で「すめらぎ」と読む。単に訓読みとい
 う以上に古式ゆかしい感じ。他にも長たらしい苗字が二つほど出てきて、

 これを失踪オヤジがこねる屁理屈に繋げている。おそらく宮藤官九郎さん

    のお遊びなんでしょう・・・

 
かわいいお話でした。楽しく観ました。