休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『イノセンツ』 子どもたちとギフト

20240525(了)

映画『イノセンツ』

 エスキル・フォクト監督
 2021年製作/117分/ノルウェイ・デンマーク・フィンランド・スウェーデン合作/
 原題:De uskyldige/DVDレンタル
 <★★★☆>

ポスターの写真では英語で「INNOCENTS」となっていてちゃんと複数。これ
だとなるほどです。
夏休みだったんだ。(これは後知恵)
郊外らしい大きな集合住宅に住むの3家族、計4人の子どもたち限定のホラ
ーな物語。両親がいて姉妹であるイーダ(7-8歳)と自閉症12-3歳のアナ、
北アフリカ系と思しい母子家庭らしい6-7歳の女の子アイシャ、やはり母子家
庭らしい男の子で8-9歳ぐらいの男の子ベン。(年齢はみな想像です)
彼らが友達とまではいかないが、知り合って遊ぶようになる。そしてじきに
ホラーめいてくる。ギフトがあることがわかってくるのね。
 
この「ギフト」については、はじめは気づかず、だんだんに目覚めてゆくよ
うにも思えるし、初めからある程度はわかっていたようなところもある。両
方じゃないかしらん。
はじめにベンの念力。それだけでなく、徐々に力を増し、人の脳にアクセス
して思いのままに操る力も加わる。
次はアルビノであるアイシャで、人の考えていることがわかるだけでなく、
自閉症アナにもアクセスでき、アナの霞んだ脳を一時的にでもはっきりさせ
る(≒覚醒させる)手伝いのようなこともやるみたい。
アナにも強いギフトがあるのだが、それはもう少したってから。時々ふっと
正気に戻る瞬間なんざ、ホラー風味に大いに貢献していたように思います。
特にギフトがあるようには見えないイーダは最初に出て来て、目つきがどう
もあまりよくはないので、はじめはこの子が最も不穏なムードを醸している。

イーダがベンのサイコキネスを遊び半分的に喜ぶところから、彼らのギフト
が徐々に徐々に顕れ始める。はじめはイノセントの複数、ぐらいの感じだっ
たのが、イノセント故に深みにはまり始め、悲しくもエスカレートが止めら
れなくなってくる。
その先は、書くわけにはいきません。
はじめ、テンポがどうもついて行きかねたのですが、だんだん慣れてきまし
た。ああこれはカタストローフェまで行くなぁ、という感じ。
4家族だけの話、それも、子どもたちだけの話。大人は誰一人、気づかない。

最後なんて、あれだけ大勢の人がいるのに・・・ いやいや、やめておきま

す。

面白いムードで、楽しんじゃいました。

何語かわからないが、北欧だろうということはわかって、それじゃあ、ノル
ウェーかスウェーデン。上から下へ流れるヘンなエンドタイトルをボーっと
眺めていたら、音楽担当ではないけれど、トヴェイトという名が見えたもん
で、そんな名の不運・不遇の作曲家の曲をいくつか集中的に聴いたなぁと思

い出し、ならばこれはノルウェー。それは当たっていたようですが、なーん

だ、北欧4か国の合作だったんだ。