休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

『きらわれ虫の真実』 谷本雄治(著)

20240523(了)

『きらわれ虫の真実』

   なぜ、ヤツラはやってくるのか

  谷本雄治(著) コハラアキコ(イラスト)

  2022年10月/単行本/生物学エッセイ/太郎次郎エディタス/中古
  <★★★★>

ベタなタイトル。

しかも副題が正しくない。なぜやってくるかについちゃあ、たいして書かれて

いるとは思えないんですけどねぇ・・・。

 

虫の季節が始まる前の、一種肩慣らしみたいな感覚で選んだ本です。

このところイヌコロとの散歩じゃあ短パン。蚊がたかるようになってきました

が、まだまだ序の口です。

子供向きな優しい表現が多く、ワタシにはガーンとくるほどではありませんで
したが、情報量は案外しっかり詰まっていましたね。でもまあ、小中学校の子
どもさんか、虫があまり好きでない人用のものかもしれません。
ヘビ、ナメクジ、クラゲ、ミミズ、ヒルなど、虫じゃないのもありました。
もっとも、クラゲには意外や意味はあったのですな。
虫でないこれらも案外面白く、アクセントになってました。

ワラジムシ・・・

 

発見・・・
カメムシがどうしても嫌なら、一家に一匹、蛙を飼いなさい! オモロイ。
 もううちでも少し入ってきてます。出てもらうために、気ぃ使います。
 
・なんとミミズに毛がある?へえ?そっと撫でればわかるんだとさ。
 
・あの堅く並んでへばりついているカイガラムシが昆虫とは知りませんでした。
 研究者、少なかろうて。
 
ヒルコウガイビル)、切っても再生する? へぇ、プラナリアと同じかよ。
 
・クビアカツヤカミキリのことはちゃんと出てきたが、さらに新手も・・・
 ツヤハダゴマダラカミキリ!新聞でも見かけた気がします。こいつは樹を選
 ばない!これのことはちょっと前にも載せましたね。
 
・ワラジムシとダンゴムシの区別がつきにくい。いわれなき不快感。確かに。

 近い仲間、、、というか、丸くなるかならないかだけの違いだと思っていま

 した。

 
・シオヤアブ。触ったらきっと刺されると思い込んでいました。でかい獲物を

 くわえて飛ぶ姿をガキの頃に怖いと思いこんだまま横目に見つつ、こっちは

 ジジイになっちゃった。

 
さて、なにか一つ紹介してみようと思って・・・
選んだのは「ゲジ」・・・ ゲジゲジは俗称だって。

  「ゴキブリは昆虫界でも足の速いことで有名だ。最高速度は秒速1.5~
  2メートルという実験データがある。ゲジはそのゴキブリに追いついて餌
  食にするのだから、いかに速いかがわかる。しかも走りながら相手のあし

  に自分のあしをからめて捕獲し、同時に何匹も確保することができるとい

  う・・・」

ムカデの仲間なんで、ムカデ同様、毒腺のある顎脚(ガッキャク)を持っていて、
これで獲物を狩る。
脚は、数があるとはいえ、あんなか細い感じの脚でなぜ猛スピードが出せるの

か。(ちゃんと研究がなされているそうな) しかもその大事な脚を簡単に自

切してしまう。

もっとも脱皮時には再生する(ナナフシと同じ)んだから、ま、いいか、てな

もんだ。

日本にいる二種類のうち「オオゲジ」なんて脚のお化けみたいなもんで、脚を
伸ばすと20cmを越す(!!!)んだって。ホンマ、気色悪い。毒のあるなしより、
この気色の悪さが先に立つ。小さくったって、触る気なんか起きないよ。
 
著者は家庭菜園にいそしむプチ生物研究家兼作家だそうで、なんとなく、第1
章の「田畑でバッタリ」の生き物への関心がもっとも高いのかもしれないな。
ちょっとそんな気がしました。

著者紹介文の上の漫画、頭の上に乗っかっているのは、たぶんナナフシやね。

 

その他、裏表紙の内側のゴキブリが生き生きして見えたので・・・

なかなかリアル。ササササーと行きそうやん。

はじめは「こんなもん、子供向きじゃないかぁ・・・」と馬鹿にしかけたので

すが、どんどん面白くなって、逆にもっといろいろ紹介してくれればいいのに

と、読み終えるのが惜しくなりました。