休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ステンハンマル:ピアノ協奏曲第1番、第2番

  (帯の惹句)
  大海を氷河が流れていくかのような 
  冷たい煌めきと、雄大な時間が感じられませんか?
20240625(了)

ステンハンマル:

 ピアノ協奏曲第1番、第2番

(1)ピアノ協奏曲 第2番 Op.23 25:52

    ①Moderato 14:41
    ②Adagio 4:54
    ③Tempo moderato 6:17

(2)ピアノ協奏曲 第1番 Op.1 42:02 

    ④Molto moderato e maestoso 14:21
    ⑤Vivacissimo 5:01
    ⑥Andante 10:13
    ⑦Allegro comodo 12:27
 
  ニクラス・シヴェーレフ(p)
  マリオ・ヴェンツァーゴ指揮/マルメ交響楽団
  録音;2009年8月、スウェーデン、マルメ・コンサートホール Tot.67:57
  CD/ピアノ協奏曲/Ⓟ&Ⓒ 2011 Naxos/Made in Germany/輸入
  <★★★☆>

(公式アルバム紹介) ストックホルムでピアノと作曲を学び、最初はピアニスト
としてデビューしたスウェーデンの作曲家ステンハンマル。1897年からは指揮者
としても活動を始め、1900年にはストックホルム王室歌劇場の楽長に就任したほ
どの才能の持ち主でした。この2曲のピアノ協奏曲は、そんな彼の全ての才能を目
の当たりにできる素晴らしいものです。1893年に書かれた第1番はブラームス風で
もあり、チャイコフスキー風でもあるという、まさに後期ロマン派の音楽。そし
て1904年から1907年に書かれた第2番は、ピアノとオーケストラの緊張感に満ち
た対話で始まり、少しずつ劇的な流れへと変化していきます。めまぐるしく変化
する楽想からは一時たりとも耳を離すことができません。ピアニストのシーヴェ
レフのテクニックは感嘆ものですが、指揮をしているヴェンツァーゴの圧倒的な
存在感にも注目。あまりにも独創的なブルックナーを振ることで知名度がぐんぐ

ん上がっているという通好みの人です。

  (参照)

  ブルックナー      1824-96
  ブラームス       1833-97
  チャイコフスキー    1840-93
  Wilhelm Stenhammar 1871-1927

 

ロマン派の音楽と、まあ境目なんかはっきりしませんが、後期ロマン派音楽の
中間ぐらいに位置するでしょうか。いまはあまり興味を覚えない時期のものな
がら、ほとんどちゃんと聴いてこなかったので、交響曲に取りつくよりいいか
なと思って探してみたアルバムです。
 
(1)ピアノ協奏曲 第2番
弾けるような才能というのとは対極の、地味目で非常に安定感のあるピアノ協
奏曲。惹句にある「氷河」とか「冷たい煌めき」とは違うように思いますが、
冷たく燃える感じはあって、後半の1番とはまるで違う、自身の作風がきっと
バッチリ表れている作品なんじゃないかと思います。
第1楽章では、確かにアルバム紹介にもあるように、ワタシもチャイコフスキ
ーが匂った気はしましたが、わずかなもの。
かなり絢爛と技巧的なピアノに対して、オーケストラは強い主張のある仄暗く
独特のもので、やはり次の時代を感じさせるような気がしましたね。ま、聴い
たことがないものだからそう感じたのかもしれませんけど。
第2楽章は美しくもしっかり北欧を連想させ、切れ目なく続く第3楽章はにぎ
にぎしく、結構煌びやかに盛り上がってくれました。

これはいい曲です。

 

(2)ピアノ協奏曲 第1番
作品番号が1番。42分と長く、やる気満々のコンチェルト。最初の満足曲で
しょうか。なかなか立派で聴きごたえがあります。ただそれは言ってみれば、
例えば「ブラームス命」をかなり徹底したからなんじゃないかな・・・
始まりが「悲劇的序曲」の出だしの音型にあまりに似ているもんで、つい笑っ
てしまった。その音型があっちこっちにアレンジされて出てきます。全部が全
ブラームスってわけでもないんだけれどね、でも、きっと完全にイカレテい
たんだろうと思いますね。
愛らしい第2楽章もなんだか聞き覚えがあるような。
アンダンテの第3楽章は、これは偶然、叙情歌『朧月夜』(作詞;高野辰之/
作曲;岡野貞一)の始めの一節のメロディによく似ていました。これがひたす
らロマンティックに変奏されます。
第4楽章もしっかりブラームス。いけてます。ご本家はこの曲、知ってはった
んやろか。穏やかに終わって、ちょっと物足りない。
第1番ではワタシには、チャイコフスキーは聞こえなかった。
 
曲も良くて、ピアノもオケもなかなか充実してましたので、だらだら書いてろ

くでもない鑑賞記にはなってしまいましたが、気に入りました。ロマン派の音

楽をさほどしげしげ聴かなくなっているのと、よく知らなかったけれど、いろ

いろと完成度の高い音楽だったことが利いたか、新鮮に思えましたかね。

もう一つなにか探してみようと思います。なにがいいだろう。