休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ブルックナー交響曲全集/交響曲第9番

      アントン・ブルックナー 交響曲全集<9/10>

   ANTON BRUCKNER(1824-1896)

      COMPLETE SYMPHONIES<9>

               CD9

   交響曲第9番ニ短調(ノヴァーク版)

          I. Feierlich. Misterioso 24'57
    II. Scherzo. Bewegt lebhaft - Trio. Schnell - Scherzo 10'53
         III. Adagio. Langsam, feierlich 25'51

    録音:2010年4,6,7月、ジュネーヴ、ヴクトリア・ホール Tot.61:41 

             <★★★☆>

       交響曲第9番ニ短調

8番の最後にも書いてしまった「版」のことがあるのかもしれないが、この9番
が、3番以降で自分が抱いて来たイメージと最も離れた演奏、ということになる。
特に第1と第2楽章。テンポや細部の表現などだいぶん弄っちゃった気がする。
あちこち色々弄ったせいで、元々あったであろう大らかさや壮大さみたいなもの
がかなり減じてしまった。第3楽章はイメージとそれほど違いはなかった。
敢えて言うなら神聖さがうすれたかな。だから、バロックと後期ロマン派の共存

でなく、案外ブラームスみたく普通のロマン派。いい悪いじゃない。(普通でな

いと思い込んでいるこっちが悪い!)

ともあれ、あと何度か聴いてみようと・・・
 
途中で聴き比べをしてみたのは、指揮者は伏せますがウィーン・フィルで(8番
のメモに挙げたメータではありません)「原典版」。オケの音色や歌い方などは
元々違いがあるんでしかたがないとして、やはり気になったのは、始めに書いた
ように想像なんですが、「版」のこと。
ヤノフスキさんの本盤では、何度か聴いてみて(って、暇じゃないんやけどねぇ、
好きな曲やし、気になるもんで・・・ジジイの特権!)色んなパートが妙に色々
聞こえてきて、流れが損なわれてしまっている(≒こっちの気がそがれる)よう
に感じてしまうこと。
 
ああ、でも・・・おさまってきました。7番の時同様です。
ま、いつもとは言えないが、だいたいこんな感じです。これもありだな、って。
馴染んでくる。とはいえ、なかなかこだわりのアゴーギクだったなぁ! 最もよく
聴いた曲ということもあるのか、8番どころじゃないんだ。
第1第2楽章は、いってみりゃあ、細部をドラマティックに捉えた感じなんやね。
ある種取ってつけたような、でもあまりにもカッコいい第1楽章の終り(ワタシ
はそこんところが大好きです!)なんか、逆に無理せずむしろ抑え気味だった。
聴けるものなら聴きたい第4楽章・・・という感じで終われました。ワタシには
いい終わり方です。                    

 

そうそう、『テ・デウム』を第4楽章に充ててもいいというようなことを、作曲
者が言ったとかでしたよね。持っているCDで再聴。
ミサ曲なんかより、オケが段違いに充実して曲想も豊かなので、使えないことは
ないとは思うし、7番だかのアダージョのメロディを連想させるところなんかも

あって、交響曲仕様という発想もあってもいいけれど、時間を足すと、いかんせ

ん、長すぎ。

聴く方は相当つらいし、演奏者側だって、、、ずっと合唱が用意しておくのは無
理でしょう。とすると、第三楽章が終ってからぞろぞろ入ってくることになる。
なにも強引に一曲にしてしまわないで、いったん休憩をはさんで、別々の曲とし
て演奏すればいいんじゃないかな。いやいや、コンサートとしても長すぎですね。
 
交響曲はおしまい。最後にミサ曲が一つ付いています。    (メモ 20240909)