休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『ポッド・ジェネレーション』

      未来の妊娠・出産ってことなんやね

20241120(了)

映画『ポッド・ジェネレーション』

  監督;ソフィー・バーセス//エミリア・クラーク/キウェテル・イジョフォー
  2023年製作/111分/G/ベルギー・フランス・イギリス合作
  原題:The Pod Generation/DVDレンタル
  <★★★△>

未来の話.。子どもを持とうが持つまいが自由で、裕福であれば、まだ順番待
ちではあるが、体外で赤ん坊を育てることができるという新技術が開発され、
商業ベースに乗っている。お金がない場合は(というのはちょっと違うが)、
一応自分の子宮で育てて、産むのが普通。体外の子宮代わりのシステムとい
うのが、でかい卵のようなしろもので、このお話の中では「ポッド」という。
 
ある夫婦がいて、妻(E・クラーク)はバリバリ働くキャリアウーマン。夫(K・
イジョフォー)は大学のようなところで(時代遅れにも)植物を研究している。生
活は妻の収入が支えて都会の高層マンション住まい。元々は親の持ち物だっ
たのかもしれないが、南の島に別荘を持っている。
妻の仕事が評価され、昇進に繋がりそうだが、希望していた子どもを持つこ
とにも繋がりそうなことになった。大人気のポッドでの出産に応募していた
ところ、たまたま、空きが出た。すぐ申し込めば、それを使えそう。
結局そのスタイルで子どもを持つと決める。
 
子どもが生まれるまでの、色々な苦労や不安を描いている。
親、職場を中心とした友人たち、夫の古めかしい研究や植物園的な活動など
のほか、ポッドを扱う結構胡散臭そうな最先端企業やその案内係などが、ど
ちらかというとマイナスなイメージを伴って描かれる。

そうそう、もう一つ気色悪く感じてしまうのが、けばけばしい一つ目のお化
けのようなAIの「相談係」。確か女性名が付いていました。これが様々な
問いに応え、サジェッションしてくれるんですけどね、感情や生物学的な感
性を、理屈としてしか理解できないために、いやらしさがかえって増すかの

ように描かれていますな。もっともこのAIさん、自分は「意識」を持たない、

と、ちゃんと自認はしていました。エライやん!

 
いろいろ起きてしまいそうな夫婦関係は意外に堅固というべきなんだろう、
ふたりで大して話し合いもしないが乗り越え、ひどい言い合いなども起こら
ない。基本的に子どもへの愛情は多分に生物学的な反応が濃く、ノーマル。

この「ノーマル」さが、進んだ技術(の世界)との軋轢を生むという程度で、

過激なシーンは一つもない。

 
少々安易なエンディングが用意されていたものの、これでいいとも悪いとも
よう言わんネ。
とはいえ、これに似た世界が待っていそうだとは言えると思います。
ストレートなSFでした。