休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

志の輔 らくごのごらく❷ 「へっつい幽霊」「雛鍔」

20241114(了)

立川 志の輔

  (1)「へっつい幽霊」   

     録音;2003年8月7日

 (2)「雛鍔」(ヒナツバ)

     録音;2004年3月8日

     共に横浜・にぎわい座 
     2004/CD/落語/Ⓟⓒ ソニーミュージックジャパン/中古
        <★★★☆>

(1)「へっつい幽霊」

志の輔さん、若かったのかな。まくらのところがいささかあたふたした感じで

心配したんだが、杞憂でした。
古道具屋が(って、落語ネタに古道具屋は多いのかぁ?ちょっと前にも聞いた
ぞ)あって、細々と営業している。
売った「へっつい」つまり「竈(かまど)」が、縁起の悪いわけがあって返金
もいいからと返品されてくることが続くもんで、やけに儲かっちゃう。こんな
ものが度々売れるもんなのかねぇ、なんてことはともかく、、、
返されてくるのは、この「へっつい」からは、ものみな寝静まる時刻になると、
出てくるってんだよね、あれが、幽霊が。
道具屋は、儲けさせてもらいはしたが気色悪いもんだから、1円付けて売ろう
と(売るんじゃない、処分だよね)、ぼそぼそカミサンと相談していたのを、
ちょうど裏で聞いていたやつ(博打うち!)がいて、この男と連れが持ち帰っ
て1円は山分け。その後、この二人が「へっつい」の奇妙な真実にたどり着く。
なんで「へっつい」なんてものから幽霊が出るんだって話から、オチはとんで
もない方向に進んじゃう。
なかなか面白い話でした。
 

(2)「雛鍔

庭師の棟梁のごたごたが盛り上がって、どんなふうに発展するんだろうと思っ

たら、始めに出てきた世間知らずのいとこの若様(8歳)が、穴あき銭のこと
を、お金とは知らず、お雛さんの刀の鍔みたいだと言ったことが、巡り巡って
最後に出てくる。棟梁の息子が、棟梁から散々馬鹿にされたり怒られたりして
いるんだが、実に頭の回転の速い、機転の利く子(同じく8歳)だった、しっ
かり「学習」していた、なんてことがオチになっちゃうというというような噺。
去年志ん朝で確か聴きました。
志ん朝志の輔の笑いのツボは一応同じなんだけれど、工夫されていたし、や
はり演者の個性ってのは大きいものなんですねぇ。声質なんてものすごく違う。
どこら辺を印象に残させて、オチにつなげるか。もちろんそういうところが古
典落語の楽しみではあるんでしょうが。
これの喋りは、言うまでもないが、志ん朝さんの方が滑らかなべらんめぇ、い
たずらっ子めいた、やや上品なおかしみという感じなのが、志の輔さんだと、
例えば、、、ドラ声とか大声でやり合って、その後恥ずかしがる、というよう
な形をとるドタバタふう、かな。優劣も好き嫌いも付けられなかった。

面白い落語、たくさん聴きたい。古典でも創作でも構わない。