休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『緑の館』の音楽・・・

 

20200901(了)
 ヴィラ=ロボス/「アマゾンの森」
 HEITOR VILLA-LOBOS(1887-1959);
    FLORESTA DO AMAZONAS(1958)
   Poems by Vasconcellos
   Music revised and edited by Roberto Duarte
 
 ①Overture 2:26
 ②The Forest 8:05
 ③Dance of the Indians 3:21
 ④In the Depths of the Forest 2:15
 ⑤Bird of the ForestーFirst Song 4:24
 ⑥Nature's Dance 2:40
 ⑦Bird of the ForestーSecond Song 3:59
 ⑧Song in the Forest Ⅰ 0:37
 ⑨Conspiracy and War Dance 4:18
 ⑩Sailing Ships 3:23
 ⑪On the way to the Hunt 4:52
 ⑫Bird of the ForestーThird Song 2:06
 ⑬Twilight 3:06
 ⑭The Indians in Search of the Girl 0:56
 ⑮Bird of the ForestーFourth Song 3:24
 ⑯War Dance-repeat 1:51
 ⑰Interlude and Lullaby 2:50
 ⑱Song in the Forest Ⅱ 3:05
 ⑲Head Hunters 6:21
 ⑳Love Song 4:01
 ㉑Sentimental Melody 3:30
 ㉒Forest Fire 3:53
 ㉓Epilogue 2:34
 
  ジョン・ネシュリング指揮/サンパウロ交響楽団&同男声合唱
  アナ・コロンディ(ソプラノ)
  録音:2007年7月、サンパウロ・ホール、ブラジル Tot.78:38
  SACD/管弦楽&声楽/ⓒ&Ⓟ 2010、BIS Records/中古
  <★★★☆~★★★★>

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<解説から>
SACDハイブリッド盤。ヴィラ=ロボスの死の前年、最後の大作となった「ア
マゾンの森」は声楽を含む大編成の作品。もともとは1959年公開のオードリ
ー・ヘップバーン、アンソニー・パーキンス主演の映画「緑の館」(メル・フ
ァーラー監督)の音楽をヴィラ=ロボスが担当したものの興行的に失敗、それ
に落胆した彼が素材を演奏会用の作品にまとめ直しました。その秘曲が待望
の最新録音で登場、それも地元サンパウロ国立響というのが最高。最晩年の
作ながら熱と生命力に満ち、ノスタルジックなメロディと情感に胸を打たれ
ます。

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      (ネットを眺めていて見つけました。VHSのジャケ写)

改作というんじゃなく、reconstruction ぐらいの感覚だろうと・・・
映画的に(じゃない、興行的に、だ)失敗ということもあるけれど、音楽の
使われ方に頭に来たようで、まあズタズタにされ、妙な繋がれ方をしたんで
しょう。よくある話。でソプラノや男声合唱付きの交響組曲みたいなものに
変わった。もっとも Roberto Duarte というかたが改訂/編集したと書いて
ある。どんだけいじられたんだかは、もちろんわからない。案外ちゃんと映
画のストーリーに沿っている(つまり作曲者が考えるサントラに近い)可能
性だってあるわけです。
 
ヴィラ=ロボスの音らしいと思えるところも、先日聴いて気に入ったケクラ
ンのようなサウンドだと思えたようなところも、古いハリウッド映画の独独
の野暮ったさのあるところ(第一曲①がそう)も、野趣あふれるストラヴィ
ンスキまがいも、そして一方洗練されたロマンティックなものや非常に繊細
なところも。・・・ま、いろいろです。交響曲で聴いたサウンドも随所に聞
こえる。もちろん「ブラジル風バッハ」や「ショーロス」に通じるものも。
そして、進むほどに良く(?)なります。
四角四面な制約のために(?)にやや自由さが少し足りない感じの十数曲の
交響曲に対し、とても自由な感じ。そりゃまぁ当たり前です…
もっとも、それだけに逆にこの曲は長くて(78分を超える!)まとまらない。
 
『尼僧物語』は子どものころテレビで観たと思うのですが、うっすら覚えて
います(とりわけピーター・フィンチを嫌な奴だという記憶でもって)。そ
のあと作られ不評だったという『緑の館』は、観た記憶だけはあるが中身な

ど全く覚えていません。

いろいろごたついた作品だったらしい。

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第一曲はメシアンふうに始まった後にかなりやぼったい曲調(これは民族音
楽なの?)になるのが好みではないが、それ以外は特に抵抗感もありません。
決して嫌いじゃない。むしろ聴くほどに面白くなってきそうでした。
とはいえ、「今」聴きたいもんじゃない。もっとずーっと気温が下がってか
らなら、べた褒めする(?)可能性もあります・・・ハハ。
 
(追)放置しているうちに、台風が二つ過ぎて行き、気温がだいぶん下がり
ました。例えば分数の長い②「森」などは、①「序曲」よりはるかにカッコ
イイ。これこそ序曲にふさわしい・・・なんてね。曲別にはやめておきます。
 
このオーケストラ、NAXOSレーベルでヴィラ=ロボスの交響曲を何作も聴
いて、なかなか確かな力量のオケだと思っていたのですが、ここでもそう思
いました。日系人がぞろぞろ混じっていたりするんだろうか・・・
サンパウロも歴史があるので、ヨーロッパの文化が盛大に入ったんでしょう

が、南米の南のほうというと、ブエノスアイレスのほうが立派な歌劇場なん

かがあって、クラシック音楽だってもっと盛んだった感じなんだよな。でも
ブエノスアイレスに(優れた)オケがあるなんてワタシは聞いたことがない。
知らないだけかもしれない。歌劇場は運営されているんだろうか、レベルは
どうなんだろう・・・
ま、いいや。
音質もよかった。さすがSACD。ワタシの再生機ではロクな効果もなかった
のかもしれませんが、それでもいい感じに思えました。