休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ハウエルズ:ピアノ協奏曲 第1番・第2番

20241103(了)

Herbert HOWELLS(1892-1983)

      :PIANO CONCERTOS

(1)ピアノ協奏曲 第1番 Op.4(completed by John Rutter) 38:55
  ①16:24 ②10:58 ③11:30           <★★★☆>
(2)ピアノ協奏曲 第2番 Op.39 27:29
  ④11:01 ⑤9:21 ⑥7:05            <★★★★>
(3)Penguinski
  ⑦4:19                      <★★★☆>
 
   録音:2000年5月、Watford Colosseum(英) Tot.70:52
   CD/協奏曲/2000 ⓅⒸ Chandos Records/輸入/中古

ハウエルズのピアノ協奏曲は、というか協奏曲自体が初めて。宗教的なものが

知られる、ちょっと硬派系のハウエルズ、長いこと聴いてませんが好きな作曲

家です。

 
(1)第1番:
39分というなかなかの大曲。
シャンドス録音なんで暗くも仄暗くもない、むしろ明るく繊細で、妙に美しい。
でもこの雰囲気なんかは、イギリスって感じじゃないね。
とくに長めの第1楽章は、ピアノはドイツロマン派真っただ中という感じ。多
分そういう教育を受けたんだな。やたらブラームスが臭う。オケ伴のほうもぶ
厚く、そのような影響が濃く出てはいるけれど、イギリスぽい音もフレーズも
混じる。管の鳴り方やヴァイオリンのソロなんかにもイギリスが出ますね。
第2楽章は息が長く、涼やかで北欧の気温。ちょっとマーラーもいない?なん
て思ってるうちにピアノが入ってきたら、その感じは消えてしまった。北欧の
叙情の感じがいい。
第3楽章は曲想が多く、お国の色がすこし多く出てきたかなぁ。
全体的に、保守的というか、古くさいとは思いますが、なかなか素敵でしたね。
 
それが、なんと・・・よくよく見れば、作品4のあとに、なんとラターが完成
したなんて不思議なことが書いてあるじゃないですか。どんな経緯があったの
か知らないが、あのレクイエムで知られたラターがねぇ。NAXOSの紹介の中に
は「編曲」と書いてありました。へぇーー
 
(2)第2番:
1番に比べて感覚的にかなり新しくなりました。ドイツロマン派風は消えて、
ちゃんと英国の雰囲気やハウエルズが出ていると思います。
なかなか艶やかな感じのソロピアノの方は、お国柄なんぞよくわかりませんが、
オケの音色やムードは、アメリカにも多く伝わった「英国風」の感じですね。
通俗すれすれ、かしらん。映画音楽なんかでもよく聴かれたサウンド。時々入
るヴァイオリン(ヴィオラも?)ソロなどその最たるものかも。
尖ったところはなくてね、耳にとても心地よかったですね。
オルガニストとしても知られたとあるが、立派なピアニズム。
 
(3)ペンギンスキ(?):
バレエ関連の曲らしいが、よくわからない。
輝かしく楽しい曲。素敵でした。ストラヴィンスキーの影響もあるかも。
 
(1)と(3)がこのアルバムの時点で世界初録音だそうです。
なにしろ美麗至極な録音なので、甘ったるく聞こえてしまっているかもしれな
いですね。飽きも早いかもしれない。
でもワタシはこのコンチェルト2曲、なかなかコンサート映えするんじゃない
かと思います。