休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『はじまりへの旅』

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20180531(了)
映画『はじまりへの旅』 Captain Fantastic
   監督:マット・ロス//ヴィゴ・モーテンセン/ジョージ・マッケイ/
   サマンサ・アイラー/アマリース・バッソ/フランク・ランジェラ
   2016年/米映/119分/DVDレンタル
   <★★★△>

(映画.com解説から) 森で暮らす風変わりな一家が旅に出たことから巻き起
こる騒動を描いたロードムービー現代社会から切り離されたアメリカ北西部
の森で、独自の教育方針に基づいて6人の子どもを育てる父親ベン・キャッシ
ュ。厳格な父の指導のおかげで子どもたちは皆アスリート並みの体力を持ち、
6カ国語を操ることができた。さらに18歳の長男は、受験した名門大学すべて
に合格する。ところがある日、入院中の母レスリーが亡くなってしまう。一家は
葬儀に出席するため、そして母のある願いをかなえるため、2400キロ離れた
ニューメキシコを目指して旅に出る。世間知らずな子どもたちは、生まれて初
めて経験する現代社会とのギャップに戸惑いながらも、自分らしさを失わずに
生きようとする・・・
“・・・子供たちがコーラを飲むのを禁止し、時流に逆らい、物質主義に抵抗す
る、知的で厳格ながら愛情豊かで繊細でもある、ちょっとエキセントリックな
父親・・・”

スーパーな父親(モーテンセン)のこしらえた理想郷でのあり得ないほど統率
の取れた自給自足や教養の高さが描かれ、笑わせられるものの、旅の途中
や目的地で、父親の夢や理想像は徐々に崩壊し、子どもたちの‘文明’への
衝突もすさまじくなる。恐れるに足りないが、そのことは彼らにはわからない。
母親の死の真相だとか、大成功者であるオジイチャン(フランク・ランジェラ)の
パーフェクトな(キリスト教的)常識世界がいかにも‘強敵’。
さて、父親と子どもたちはどうなるんだろう。
わりと安直にこしらえられたお話だと思う。知りませんけどね。もともとのお話
があったとすれば、原題から連想するように、あまりシリアスに傾くシーンが
なかったんじゃないかと思われる。
おおむね楽しく寓意を感じさせてくれました。でも、感じさせられる寓意は、お
話同様かなり作り物めいてしまった感じ。けっこうシリアスにも傾くしネ。
小中学生ぐらいに見せて、どう感じるか反応を知りたい気がしないでもない
ですね。
人里から隔絶されたところでの自給自足の生活や学習、鍛錬、遊びなどのこ
とよりむしろ、その対極である完璧に都市化して見えるオジイチャンの世界に
ついて、かな。まるでオジイチャンとその世界が‘悪者’に見えかねない。
‘疑問’を持たせる、そう誘導する、というふうに作られていると、まず最初に
感じるのでね、子どもはどう感じるのだろうと・・・