休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『家へ帰ろう』

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20190904(了)
映画『家へ帰ろう』

   パブロ・ソラルス監督//ミゲル・アンヘル・ソラ
   2017年製作/93分/スペイン・アルゼンチン合作

   原題:El ultimo traje/The Last Suit
   <★★★☆>

 

新作DVD観ました。

(映画.com解説から) ホロコーストを生き抜いたユダヤ人の老人が、70年の
時を経て、友人との約束を果たすためにアルゼンチンから故郷ポーランド
旅する姿を描いたロードムービーブエノスアイレスに暮らす88歳の仕立て
屋アブラムは、自分を高齢者用の施設に入れようとする子どもたちから逃れ、
故郷であるポーランドを目指して旅に出る。そして、その旅には、第2次世界
大戦時、ユダヤ人である自分をナチスの手から救ってくれた親友に、自分が
仕立てた最後のスーツを渡すという目的があった・・・

 

この爺さんはオフクロより数歳若い。
意固地でなんともめんどくさく付き合いにくそう。
いちいち傲慢な感じで、悉く人とぶつかる。オレと違って(?)孫にはわり
と優しいけどね。
でも、基本的には傲慢というよりは年寄りというだけなのであって、意地が
悪いとか悪人というわけじゃ全然ない。物わかりもホントは悪くない。
でも、もう気になることは減ってしまい、上記解説にあることぐらいに少な
くなってしまったということ。 ポーランドユダヤ人として死ぬまで関心が
失せることがないこと、70年もうっちゃらかしてしまっていたこと、だけ

になった・・・

 

子どもや孫たちはスマホを使う今に生きている。時代に対応し変わって行く

のでしょうがない。爺さんはもう対応することをやめている。
4人の娘たちのうちの3人に、追い立てられるかのように(まああくまで‘よ
うに’ではあるけれど)、70年前の約束を果たす気になるきっかけを与えら
れる。

 

ブエノスアイレスからマドリッドへは空路、そこからは陸路でポーランド
ある町まで、切り落としたほうがよい右脚を引きずり、興味深いいろんな目
に遭いながら目指す。言ってみりゃあ、ブエノスアイレスの娘3人以外は、
会う人はみないい人・・・なのね。
しまいにゃあ、この爺が(めんどくさいには違いないんだけれど)鬱陶しく
なくなっている。
ユダヤを思わせる音楽がずっと聞こえている。片道切符のロード・ムーヴィ

ー。


やれやれ、わかっているようなものなのに、カミサンともども、泣かされち
まった。

でも、ポスターの“観客総なめ”ふうなやすっぽい表現は苦手です。