休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『6才のボクが、大人になるまで。』

20211007(了)

映画『6才のボクが、大人になるまで。

  リチャード・リンクレイター監督//エラー・コルトレーン/
         ローレライ・リンクレイター/パトリシア・アークェット/イーサン・ホーク
  2014年製作/165分/PG12/アメリカ/原題:Boyhood/DVDレンタル
  <★★★★>

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長そうで、敬遠していたんですが、思い切って観ることに。結構観た人多

いかもね。

6才から18歳ぐらいまでが描かれる。一つ二つ上のオネエチャンも一緒に。
彼らを翻弄してしまうが、結果的には姉弟を成長もさせる、 23歳で彼らを
生んだ母親。彼女は恋多く、そして男運が悪い。一緒になっては別れ転居、
一緒になっては別れ転居、、、料理はヘタクソだが、どの場面でも子育て
は必死。最初の夫が終始つかず離れず。まあ子どもたちの父親だからね。
父親も含め、誰が悪いというのでもないけれど、子供の生活は波乱万丈。
だけど子どもたちには、母親のパターンがわかってくるというか、なかな
か冷静に母親や自分たちの状況を見ており、親の言うことをおおむね聞き、
非行に走ることもないしほぼ正直。時々会う最初の男親の存在がこの場合、
とってもよかったのかもしれない。
 
子どもたちにとって、危ないことは山ほどあったんだが、決定的に踏み外

すということがなく、振り返ればなんだか「普通」。このほとんど奇跡的

に「普通」に育っていくのがいい。

男の子に焦点が当たっているようなので、原題のBoyhoodはこれで
いいのだけれど、オネエチャンも入れたいね。
そして、結果論という扱いにしてしまうのはどうかと思うんだけれど、オ
カアチャンがエラかったのよ。
二人の子供を大学に行かせるところで映画は幕になってしまうんだが、送
り出すときに、この母親が「あんたたち二人が出て行ったら、ワタシは何
をして(楽しみに?)生きて行ったらいい」のと茫然、あるいは万感、オ
ーバーでなく涙を流す。第三者的には母親冥利だろうと言ってしまいそう。
でもそれはどうなのかな。

ごくありふれた人生のごく短い一シーン、母親の宿命。それを子供たちも

ちゃんと受け止めている。理想である「普通」といってもいいんだけれど

も、ぐっとくるものがありました。

 
まあそんなところです。

12年間ほどを同じ俳優さんたちを使って撮ったというのがすごいねぇ。

男の子の顔が変わっちゃった・・・

文芸作品だと、昔、ソ連版の『戦争と平和』という、この映画の倍ぐらい
の長尺ものがありましたっけ。ナターシャ役のリュドミラ・サベリーエワ
さん。ワタシ、下宿の部屋にポスター貼ってました。

今、セルゲイ・ボンダルチュク(監督&アンドレイ役)の名もボケずにす

っと思い出しました。

えー、だからそれにくらべりゃ、少々長いというぐらいのもんで、無駄に
長いということはぜんぜんなかったし、ワタシには、これ、なかなかの傑
作だと思いました。
(中学や高校ぐらいの映画鑑賞会に最適・・・なんてね。まぁそれにはい
ささか長すぎやろうけど。)