休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

青柳いずみこ ドビュッシーリサイタル

20211004(了)

青柳いずみこ ドビュッシーリサイタル

 Claude Debussy 1862-1918

映像  第1集(1904-5)       
 ①1.水の反映 5:09
 ②2.ラモー頌 6:14
 ③3.運動 2:59

映像  第2集(1907)

 ④4.葉蔭をもれる鐘の音 4:31

 ⑤5.しかも月は廃寺に落ちる 4:52
 ⑥6.金色の魚 3:37

前奏曲集 第1集

 ⑦1.デルフィの舞姫たち 3:10

 ⑧2.帆 3:47
 ⑨3.野を渡る風 1:49
 ⑩4.音とかおりは夕暮れの大気に漂う 3:22
 ⑪5.アナカプリの丘 2:41
 ⑫6.雪の上の足跡 3:56
 ⑬7.西風の見たもの 2:57
 ⑭8.亜麻色の髪の乙女 2:21
 ⑮9.とだえたセレナード2:15
 ⑯10.沈める寺 5:19
 ⑰11.パックの踊り 2:21
 ⑱12.ミンストレル 1:58
 
   青柳いずみこ(ピアノ;スタインウェイ)
   録音;1996年5月、三鷹市芸術文化センターでのセッション
   CD/1996年/クラシック/器楽曲/ナミ・レコード/邦盤/中古
   <★★★☆~★★★★>

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珍しや、ドビュッシーのピアノ名曲。
ワタシはラヴェル好きだからでしょうか、ドビュッシーは決して嫌いじゃないん
ですが、普段は特に聴きたいと思わない。青柳の本には、ドビュッシー好きとラ
ヴェル好きではいろいろ違うことがあるんだと、面白おかしく書かれていたのが
思い出されます。(「モノ書きピアニストはお尻が痛い 」) 話はおもしろかっ
たが、はっきり言って現実的な違いはそんなに明確だとは思えなかったですね。
出だしはラヴェルよりうんと遅れてダサかった作曲家?が、ワグナーなんかを経
た後(「・・・ボクはライトモチーフが大嫌いだ・・・」となり)、音楽的にう
んと先へ到達していった・・・なんて話もありましたっけ。ラヴェルのファンと

してはなんだか取り残されたみたいに感じてしまった・・・ハハハ・・・が、そ

れはともかく・・・

物書きとしての青柳に触発されて、リストアップしていて、手に入れてみました。
日本での師安川加寿子さんにぼそっと、「あなたのドビュッシーはメロディがく
っきり聞こえすぎる」とかなんとか言われたと、確か書いてらっしゃいました。
ドビュッシーの熱心な聴き手じゃないんだが、それでかえって聴きたく思ったこ
とは確かです。
 
ホールでのセッション、と書かれています。それでなのか、ちょっと細かいパ
ッセージで、粒のそろわないところがちょっとだけ聴き取れた気がしたんだが、
あえて録りなおさなかったんじゃないか。だからこそ感じたライブセッション
のような雰囲気はその辺からも出ているんじゃないか、なんて。
わかりません。音がとてもくっきりとしていい。くっきりしすぎたんじゃダメ
なのかもしれないけれど、ワタシの耳にはとてもなじむ。スタインウェイの強

靭な音、特に低音のくっきり感がいい。こういう感想って、素人もいいところ

なんでしょうけどね。

 
音楽としてより形が整っている「映像」は、ワタシには落ち着いて聴けるとい
うふうな感覚でした。②「ラモー頌」とか東洋的な神秘性の⑤。
いっぽう前奏曲は有名で、知っている曲も多い。だいたいがワンポイントの曲
というというか、一曲が一つのセンテンスで出来ているとでもいう感じ。⑭や
⑯などの超有名曲もあってなじみはあるものの、好奇心によって、どんどん次
の曲に行っちゃう。でもとにかくドビュッシーという時の音や音楽のイメージ、
フワーっと空想が広がって、どこへ行くかよくわからない感じが、飽きさせな
い。いやいや、そういうの、みんな青柳さんのせいなのかもしれない・・・
 
なんてね、本当にエエカゲンなことしか書けません。でもこんなに繰り返して
ドビュッシーピアノ曲を聴いたのはたぶんはじめてじゃないか。
そして、彼女の演奏する次のアルバムを聴きたいと思いはじめています。