休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』

20210413(了)

映画『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』

 
  監督;クラウス・ハロ//ヘイッキ・ノウシアイネン/アモス・プロテルス/
             ピルヨ・ロンカ
  音楽;マッティ・バイ
  2018年製作/95分/フィンランド/原題:Tumma Kristus/DVDレンタル
  <★★★☆>

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強い印象を残してくれた『ヤコブへの手紙』の監督の9年後の作品。
地元の教会の、あの若い牧師さん、『ヤコブ・・・』観たろうか。まさかね。
さて、今回はフィンランドの田舎の景色はなし。
 
もはやヨレヨレの画商オラヴィの最後のチャンス(商売の)がどうなったか
というお話でした。
感覚が古いのか、商売は全く振るわなくなっている。店じまいを考えなきゃ
ならない。それでもオラヴィは最後のひと輝きを求めてやまぬが、機会は訪
れない。家族を愛しているのだろうが、そうやって商売のほうにのめり込ん
で、一人娘やその子どもすらも顧みず、彼らの苦境など知らなかった。
そんな時に、いささか問題児ふうな孫が社会実習ふうなことのためにオラヴ
ィの店にやってくる。祖父の状況なんぞまるで分っていない孫だが、オラヴ
ィがおりしも見つけて執着し始めた絵に関して、その調査や準備などを手伝
う形になってくる。
その絵は、ワタシなど名前しか知らないんですが、オラヴィはロシアの大画
家レーピンの作品ではないかと、あたりを付けて、老体に鞭打って、孫と共
に大チャンスに向かい始める・・・
 
実在する絵かどうかは知りません、多分架空の絵なんじゃないかなぁ。
その絵はレーピン作「キリスト」じゃないかという。でも署名がないのがず
ーっとひっかかり続け、オークションまでいよいよ日がなくなってくる。な
んとかそれがレーピン作である証拠を見つけておかねば、勝負のディールを
かける意味がない・・・
 
ヨレヨレの画商の力の入りようや孫とのやり取りに、緊迫の度合いが増し、

そして競売の盛り上がり・・・

 

好きな画家は何人もいますが、全体としては絵は詳しくありません。詳しい

人だともっと楽しめるのかもしれませんが・・・

で、ネットでレーピンの絵をパラパラ見てみると、歴史に題材を得た劇的な
場面の写実や肖像が多く、目を奪いますね。もっともワタシにはレーピンの
絵は観続けるのはいささかしんどい気がします。
中に、明らかに見覚えのある絵がありました。ぎょろ目のでっぷり肥えた悪
役面としか言いようのないムソルグスキーの肖像。

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オラヴィが目を付けた「キリスト」はレーピンの自画像と似ていたから、素
人考えですが、多分映画用の脚色やストーリーなんでしょう。
おしまいのほうで、“通常聖画には署名を入れない”なんていう説も出てきて、
身辺整理もひと段落ついたオラヴィは、自分の見立ては正しかったとウキウ
キする。画商としてのほんのつかの間のよろこび。
そのためというべきか、期待しがちな流れには(やっぱり)ならなかったも
のの、それでも、とてもきれいなエンディングにはなりました。
 
 
考えてみると、映画は絵の絡んだものが二つ続いてしまったんでした。
これは偶然。
それと、音楽がこれまたミニマル・ニュージック中心だったのです。こっち
はあまり嬉しくない偶然。

 

松山英樹が‛マスターズ’というゴルフのメジャー大会の一つに遂に勝って、
ゴルフの道具やグッズや練習場に客が押しかけたとか。ワタシにとっては、
同窓会ゴルフが近づいているので、行くとすれば練習場かな。もう3度ほ
ど行っていて、100球づつぐらいは打ちました。
ホントはね、目のせいかメガネのせいか、年齢によるカンの鈍りのせいか
(明らかに3つ目!)、パターがどんどんダメになっているから、ただ打
ちに行くだけじゃアカンのはわかっているのです。松山選手のグッズなん
かにはまるで関心はありません。もとより、松山選手の優勝に影響を受け
るなんてことはない。MLBを楽しむのと同じ。
でも、絵画については、絵がネタの映画が続いたので、若干ながら関心が
高まったかもしれないですね・・・絵の本がちょっと気になります。展覧
会は、行きにくいですが。なんてね、余計で強引なこじつけ・・・。 
 
子どもたちや孫たちと、とんと会わなくなってしまっているせいか、家族
を顧みず、ビッグチャンスに賭けるオラヴィを見ていると、そのせいかど

うかは怪しいけれど、割とね、ワタシ、感情移入をやってるなぁと感じま

した。

これをメモっている日は、大阪の感染者数が1099人。翌日は1208
人! 子どもたちや孫たちの顔を見られるのはまだまだ先の話だし、町内会

じゃあ、集会所に集まることも出来ていない・・・ って、ますます関係

あれへんな。