休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ジェリー・ゴールドスミス作品集

ジェリー・ゴールドスミス作品集

20210103(了)
 JERRY'S RECALL
      J.GOLDSMITH AT THE MOVIES
  全曲オリジナル・サウンドトラック
  1993年/CD/映画音楽/OMPS/㈱サウンドトラック・リスナーズ・コミュニケーションズ/
  日本コロムビア/邦盤2枚組//ⓒⓅ Varèse Sarabande/中古
  <★★★★>

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映画音楽なんて、ミュージカルものでもない限り、添え物でなくても、映画の
補助的なツールだということはわかって聴いています。
ポップス等を使うのは勝手だけれど、ワタシにはほぼ興味はない。
管弦楽曲インストルメンタルの趣味の延長線上にあるものとして、「別途」
評価や好き嫌いを云々してしまうのは、これはもうワタシの大事にしている楽
しみというに過ぎない。
そういう(?)聴き方をしてきた映画音楽の中では、ジェリー・ゴールドスミ
スの音楽は(出来のいいものについては、だけれど)、映画を音楽映画の如く
カラフルに彩るのみならず、映画を離れてしまっても、生き生きと頭の中で鳴
ってくれる。
正直なところ、厖大な担当作品の中には、やっつけ仕事的なものや、アレンジ
が(アレンジャーか作曲者、あるいは両方とも)気乗りしなかったみたいなも
のもありますがね。

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ここには80年代の担当音楽の内のいくつか、VARESE SARABANDE系のもの
を集めてある。
2枚組になっていてたっぷり聴けるのがありがたい。ひとつの映画から1曲~4
曲取り上げている。12の映画から28曲。
聴いたことのあるものが多いのですが、実は知らない映画があったり、記憶にな
いチューンもありました。
知らなかったのは「灰色の容疑者」、観たことがなかったのは「オーメンⅢ」、
「リンク」「ポルターガイストⅡ」「ライオンハート」(これは未公開ですが音
楽は知っています)。なぜかオムニバスもので聴いてみたくなって、いくらか前
から選んであったものから安いのを手に入れてみました。
 
「ザ・スタンド」や「ライオンハート」はゴールドスミスとしては、まあまあオ
ーソドックスな部類だけれど、それ以外は大体は個性豊か。
オーケストレーターはアーサー・モートンやアレグザンダー・カレッジだったの
でしょう。ゴールドスミスの指示のもと、彼らの力がいかに大きかったか!
 
12の映画の内、3曲以上取り上げているのは、「グレムリンⅡ」「ザ・スタン
ド」「オーメン」「ライオンハート」「氷の微笑」の五つで、なるほどなぁとい
う感じ。「リンク」と「未来警察」はJGさんとしてはやや平凡、かな。
今回ワタシが見直した、評価を上げなきゃ、と思えたのは、「氷の微笑」と「ザ・
スタンド」。前者はその特異性でしょうか。ともあれ傑作だと思います。後者は
ウーン、ジョン・バリーの『野生のエルザ』を意識したようなところはあるんで
すが、ジョン・バリーより上手い!「グレムリン2」は車中でカミサンが突然
グレムリンや!!!」と叫んだのです。名作というしかないでしょう?
逆に案外つまらなかったなぁと思えたのは、名作と言われる「ライオンハート
でしょうか。シンセの使い方が惜しい。ま、以前もそう思っていたんですけどね。
 
あまり前向きじゃないけれど、楽しみました。