| 20220129(了) |
OMPS『欲望という名の電車』
A Streetcar Named Desire/Alex North(1910-1991)
| ①-⑮ |
| ジェリー・ゴールドスミス指揮/ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団 |
| CD/映画音楽/OMPS/Ⓟ 1995 Varese Sarabande ⓒ 1995 Masters Film Music |
| /輸入盤/中古 |
| <★★★★△> |

| 映画のデータとしては、 |
| 監督:エリア・カザン/製作:チャールズ・K・フェルドマン/原作:テネシー・ウィリアムズ |
| ヴィヴィアン・リー/マーロン・ブランド/キム・ハンター/カール・マルデン |
| 1951年製作/125分/米/原題:A Streetcar Named Desire |
| 映画は観ていないはずです。多分この先も観ないでしょう。 |
| この録音は、Original Motion Picture Score で、サントラじゃない。残された |
| スコアを録音し直したもの。アレックス・ノースとゴールドスミスについて |
| は、ノースが兄貴というより師匠格だったようですが、二人は親しかった。 |
| ノースの優れた作品がしかるべく録音されておらず、これではいけない、評 |
| 価してもらうためにちゃんと録音し直すべきだということになって、名プロ |
| デューサー、タウンソンのもと、盟友ゴールドスミスが指揮台に立った。 |
| その本来のきっかけになったのが、ノースのリジェクトされた(したのはか |
| のS・キューブリック)『2001年;宇宙の旅』のスコアで、これをこのコン |
|
ビで1993年に録音した後に、これも似たようなコンセプトのもと、録音され たもののよう。 |
| オーケストラは、ワシントンのナショナル・フィルじゃなく、ロンドンのナ |
| ショナル・フィルハーモニー管。アビーロード・スタジオでの録音のようで |
| す。このスタジオのせいか、とてもバランスのいい音です。 |
| 前半はジャズ系のサウンド、フルバンド編成によるハードボイルドタッチ。 |
| それも、東部の冷たい都会でなく、南部が感じられる。 |
| 中間あたりで、不協和音による鋭く抑えた調子の表現があったり、チェレス |
| タを使ったやや不気味な子供時代の思い出のような(妄想です)曲想があっ |
| たあとは、弦楽器が入り始める。この弦は単なるオブリガートではなく、非 |
| 常にぶ厚く鳴ったりして大いに主張し、後半の特色になっている。 |
| 『スパルタカス』の時の強烈な和音に似た音も少し聴かれる。ノースさんの |
| 作りがちだったサウンドなんでしょう。 |
| テーマは、始めから出てくる一つがところどころで編成を変えて出て来ます。 |
| その他にも二つ三つのモチーフがあるようですが、いずれもかなり形を変え |
| て出てくる感じなので、ライトモチーフというほどでもないのか、捉えづら |
| い。とにかく、緻密に書かれていて、全体がものすごく音の密度が濃く、ゴ |
| ージャスさを感じさせるサウンド。このことは強調しておきたいですね。 |
| 聴くにはいいんだが、音楽が喋りすぎているかもしれない。今風な同性愛な |
| んてテーマも含んだ暑苦しい愛憎劇に対して、果たしてこの音楽は実のとこ |
| ろどうだったんだろうと思わぬでもないんですが、基本、音楽だけ聴いてい |
| る身なので、たいして意味のある問いかけじゃない。 |
| 戯曲、映画(もちろんテレビドラマにも複数回)以外にも、オペラになった |
| り(アンドレ・プレヴィン作曲)、バレエ(ノースの音楽を用いたもの以外にもい |
| くつかのヴァージョンがあるそうな)になったりもしている。 |

(指揮は白髪を後ろにひっつめたゴールドスミスのようです)
| 映画を見ないでの鑑賞なので、偉そうに言えば「純音楽」としての感想文に |
| なりました・・・なんてね。嘘です。戯曲(のストーリー)はある程度はわ |
| かってますし。 |
| ジャケット写真は本のものか映画のものか、はたまた舞台のものか、とても |
| 古臭いものですが、聴いてびっくり、音楽のほうは、すごい出来で、ワタシ |
| は古さはまったく意識しなかった。 |
| ノースもゴールドスミスもいい仕事をしたと思います。 |