休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

サントラ『エイリアン4』

OMPS; ALIEN RESURRECTION

20200916(了)

サントラ『エイリアン4』

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  ①-⑭
  作曲:ジョン・フリッゼル
  指揮:Artie Kane  
  オーケストレーション:Brad Dechter、Pete Anthony、Jeff Atmajian 他計6人
  CD/1998年/映画音楽/BMGジャパン/邦盤/中古 Tot.45:32

  <★★★★>

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                *1997年製作/米映/107分
               監督:J=ピエール・ジュネ//S・ウィーヴアー/W・ライダー/ロン・パールマン

 

随分前からリストアップはしていたんですけどね、今回やっと聴いてみる気
になりました。
映画としては前の3つより、ちょっと落ちましたからねぇ、それもあって随
分遅れてしまった・・・
 
一作目のJ・ゴールドスミスはホラームードたっぷり。これは映画の印象が
あまりにも強烈で、音楽もあの映像美にぴったりなもんだから、惹かれまし
たねぇ。ワタシは傑作と言っていいと思います。サントラは持っていますが
完全版じゃない。欲しいんですけどね、高い。
二作目はジェイムズ・ホーナー。真面目なホーナーが、戦争のような殺し
合いをド派手にバックアップしていまして、ゴールドスミスと比べるのは酷
というよりお門違い。でもこれはこれでよかった。
三作目はE・ゴールデンサール。辺境の星にある監獄という奇妙な条件下で
のグロテスクなホラーに、現代音楽作曲家がグロテスクなだけでなくひどく
神経にさわるようなチリチリ、チクチクとしたサウンドをつけて、これは一
作目にも負けない斬新さでした。
 
(先に書いちゃいますと、この4作のどれにもクラシックがちょっと使われ
ています。最も印象に残っているのは二作目に用いられたハチャトゥリアン
「ガイーヌ」の中の曲で、もう何度も書きましたが『2001年;宇宙の旅』
ですばらしい使われ方をしたものです。ホーナーさんもよほど印象深かった

んでしょう。始めと終わりに使っている。

この4作目では写真のようにヘンデルのオペラの中のアリア。

歌っているのはモーリーン・フォレスターという有名なアルト~コントラ
ト歌手。マーラー交響曲で知られる。で、このヘンデルの歌、映画の中で
はどうだったんだろう、、、、覚えてない。この曲自体は面白くないです)
 
この4作目は当時まだ若かったフリッゼル。『ダンテズ・ピーク』ぐらいし
か知らなかったし、溶岩ドロドロの音楽は、取り出して聴いてみたい音楽じ
ゃなかった。でも、今回のは、音楽を聴くのは当然本当に久しぶりなのです
が、ヘンデル以外は、力が入ったものでしたね。思いのほか面白かった。全
体の感じは二作目と三作目の間という感じ。一作目のサウンドも若干。
映画はさらにグロテスク(ほとんどゲテモノ・・・)な印象でしたっけ。
音楽はかなり激しく騒いだりもするんだけれど、べースには現代音楽っぽい
ものが随所に感じられて、言っちゃあなんですが映画より上質だったかも。
⑦⑩⑬あたりの騒ぎかた、特に⑩はすさまじい殺し合いの描写!こう書くと
誤解を受けそうですが・・・わくわくしました。
音楽の作り方としては、始めにシンセサイザーで書き上げ、それに何人もの
オーケストレーターでオーケストレーションを施し、更にその中へまたシン
セを様々に加えて行くというようなことをしたとかライナーに書いてありま
したが、編集作業などを加味するとエライ手間をかけたことになるんでしょ
うね。
でも、ひそやかな部分、不穏な部分、不快な部分も少ないがなかなかです。
その中には、ヤツラの気色悪い声のようなものとか、素早く動くときのカサ
カサというような擬音めいたものとかも含まれます。
ところが、ライナーによれば、一作目のゴールドスミスの2-3本のフルート
によるモヤーとした音楽を拝借していたところとか、大切なエンドクレジッ

トの音楽(これがよかったらしい!)とかが、このサントラ盤にはないのが

残念だという。

さもありなん。同感です。
CD用に録音し直したものなのでしょうが、オーケストラのメンバーや技師
たちの契約上の労働条件(時間)に収まらないので、収録対象から外したん
でしょう。この手の話にはもう慣れっこです。

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