休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ラウタヴァーラ/Cantus Arcticus,SYM. 4 & 5

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20180228(了)
ラウタヴァーラ/Cantus Arcticus,SYMPHONIES  & 
   Einojuhani Rautavaara(1928-2016);
(1)Cantus Arcticus(1972)17:10
    Concerto for Birds and Orchestra
   ①The Bog 6:48 ②Melancholy 3:51 ③Swans Migrating 6:35
(2)交響曲 第4番“Arabescata”(1962) 16:33
   ④Ⅰ.3:07  ⑤Ⅱ.5:00  ⑥Ⅲ.2:58  ⑦Ⅳ.5:19
(3)交響曲 第5番(1985) ⑧ 31:32
   ライプツィヒ放送交響楽団/マックス・ポマー指揮
   録音:1989&1990年、Leipzig、the Bethanien Church
   CD/現代音楽/管弦楽曲/Ⓟ1990/97 Ondine Inc.Helsinki
   <★★★★>

この1番から5番の2枚を聴いていても、メモってみようという気が起きない
ものだから、ほかのラウタヴァーラのCDをいろいろ車に入れて、片っ端から
かけていたのですけどね、やっぱりあんまり書く気が起きなくて、しまいには
ちょっと飽きてしまった。
ということで、しばらくは放置して、他の作品なんぞ気にせず聴いて、気楽に
書いてみた結果です。

ラウタヴァーラ、知らない間にけっこうたくさんのCDが溜まっていたもので、
一曲に3種類の演奏があったりして、ちょっとボケっぽい・・・。
その3種類もの演奏がある一つが(1)
この作曲家、ワタシ好きなのかどうかよくわからないのですが、この(1)は
俗っぽくても雰囲気は好きですね。鳥たちの声とオケのための協奏曲。
鳥の声は録音が主ですが、木管群もこまめに模す。前のCDでも書いたけ
れど、メシアンの鳥の声を‘音楽化’してしまうのとはまるで別物で、鳥の
声はあくまで鳥の声。
木管とキラキラした打楽器が細かいフレーズを作り、金管と弦が長めのフレ
ーズを奏で、大きな打楽器がズドーンと物々しい・・・というのが、多くの楽
曲で聴ける傾向なのですが、それはここでも当てはまる。
まあここでの雰囲気は、神聖ともファンタジックとも言えそうな感じが続きま
すがね。癒し系なんていう気色の悪いもてはやし方、されたかもしれない。
(2) ハープ、木管、打楽器などでしゃらしゃらひそやかに始まるも、尖った音
に支配されてゆき、現代音楽らしくなる。いろんなところから聞こえる音。ピ
アノなんかもいる。前のCDの時に、知ったかぶって、60年以降からはセリー
から離れて云々なんて受け売りで書いたが、これなんて、セリーじゃないの
かな?そんなことはべつに興味あるわけじゃありませんが。
楽章がほとんど続いている感じで、気が付くともう⑥。ティンパニなどが若干
うるさく聞こえがちだけれど、わりと抑えた調子がなかなか素敵です。こうい
うの、好きです。さっさと最終楽章に入っても、そんなに調子は変わらない。
副題“Arabescata”ってのはアラベスクのような(イスラム系の装飾模様のよ
うな)意味なのだろうか。
(1)に比べると地味かもしれないが、嫌いじゃないです。
(3)始まりは、アコースティックでもってこんな風にワーンとジャーンを合わ
せたようなちょっと宇宙的な音。出るんやねぇ。慣れてくると案外いい。
単一楽章でできた30分強ある交響曲
次には、「2001年;宇宙の旅」で用いられたハチャトゥリアンの「ガイーヌ」の
中の『アダージョ』のような曲調に入る。そのあとは『アダージョ」からは離れ
ていくものの、宇宙を漂うような感じは続いて・・・そう思ってしまうとドツボで、
頭ん中が「2001年;宇宙の旅」から離れなくなっちゃった。

あちこちでかすかに鳥の声を模したものが聞こえる。宇宙じゃなく「森」、あく
まで地球上の神秘なんでしょうかねぇ。そうやって、中間部は非情に息の長
い感じの曲調が続き、その後は徐々にテンポが上がり激しくなるが、結局上
記のアダージョのような感じに戻り、消え入るように終わる。
これだとやっぱり癒し系、かな。
4番とは23年も間が空いているが、繋がってもいるよう。
好きなCDに(曲に、というべきなんでしょうが)なった気がします。