休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『ノー・エスケイプ 自由への国境』


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20180302(了)
映画『ノー・エスケイプ 自由への国境』 Desierto 
  ホナス・キュアロン監督//ガエル・ガルシア・ベルナル/ジェフリー・
   ディーン・モーガン
  2015年/メキシコ・フランス合作/88分/DVDレンタル
  <★★★>
(映画.com解説から) ゼロ・グラビティ」で父アルフォンソ・キュアロンと共同
脚本を手掛けた息子ホナス・キュアロンがメガホンをとり、アメリカへの不法
入国を試みるメキシコ移民たちが謎の襲撃者に狙われ極限状態に追い込ま
れる姿を描いたサバイバルスリラー。メキシコとアメリカの間に広がる砂漠の
国境地帯を、モイセスら15人の不法移民たちが越えようとしていた。そこへ
突如として銃弾が撃ち込まれ、仲間の1人が犠牲になってしまう。摂氏50度
という過酷な状況の中、水分も武器も通信手段も持たない彼らは、生き残り
をかけて壮絶な逃走劇を繰り広げる。
低予算映画でしょうね。
原題は、スペイン語は知らんが、綴りからすると「砂漠」の意?
まだトランプさんが大統領になっていないからか、塀も垣根っぽいものもない。
ここではちゃちな鉄条網のみ。
不法入国を試みようという一団が国境まで来はしたが、トラブル発生。砂漠
を突破せざるをえなくなる。それだけなら水分や官憲を気にするぐらいでよさ
そうなものだが、この土地にすっかり倦んだハンターが一行を見つけてしま
い、逆切れ。一転、「ここは俺の国だぁ!」と吠え、あろうことか狩りを始める。
望遠付きの狩り用ライフルでバンバン殺戮を開始する。これはショッキング。
(‘謎の襲撃者’という解説の表現はないだろう。‘移民’という言い方もヘン)
出ずっぱりの犬(シェパード、かわいいんだけど)も厄介な存在でね・・・、と
観るほうは不法入国を試みるメキシコ人のほうに感情移入してしまう。
トランプさんなら狙撃者に肩入れするんだろうか。(言うまでもない)
‘そういう’反応をせざるを得ない映画なのか、と二の足を踏まれる向きもあ
るでしょう。‘トランプ’という事情は後付けではあるのですが、今観れば、そ
りゃあこの手の反応なしでは済まないと思います。
今年最初に読んだナショジオに、まだ全く中途半端な塀の写真があって、そ
の記事によると、砂漠地帯の国境の近くには、そこそこ間隔を開けてだけれ
ど、水が用意してあって、定期的に補充もしているとか書いてあったな。そう
いう慈善団体だかNGOだかが活動しているんだった。そんな給水設備は映
画にはなかった。ま、あっても映すわけがないか。
3月4日のGLOBE(朝日新聞)を読んだ。メキシコからの不正入国者はメキシ
コ人だとばかり思い込んでいたけれど、どうやらそうでもなさそう。
お隣のホンジュラス、グァテマラ、としてとりわけエルサルバドルから、メキシ
こを突っ切って越境してくる人間が多いんだって。
エルサルバドルの国情のひどさは目に余る。政治・経済の失敗。猛烈な格
差社会、そして何よりヤバイのは少年ギャング‘マラス’。全く手に負えな
いこいつらが主に底辺の層を狙ったり性犯罪を犯したり・・・強烈な内容。
ぜんぜん知らなかった。
この映画で次々に狙撃される人々の多くは、この3国の出身者が多かった
のかも、と思ったわけです。そんな説明に当たるものはなかったし、誘拐対
象になりそうな子ども(ガキ)もいなかったけど。
西隣のニカラグァの向こうには、コスタリカ、今世界で最も幸福度の高い3つ
の国の一つ(これもナショジオの記事による)、があるのですねぇ。
GLOBEの一部をちょっとだけパチリ。
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さて、幕切れの景色は茫漠と横たわる塩湖の夕暮れ。
米国/メキシコの国境地帯にはこんなところがあるんだ。リオ・グランデ川
なんて映らなかった・・・ テキサスやニューメキシコではなく、アリゾナ
ほうだったのかな。こんな塩湖があるの知りませんでした。この辺も幾度
も海中にあったということなんやね。


補:20180404・・・

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