休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ホレス・パーランSeven Classic Albums

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20180206(了)
HORACE PARLAN Seven Classic Albums
DISC ONE
 〈1〉MOOVIN'  GROOVIN' ―1960 ①-⑧
 〈2〉US THREE ―1960 ⑨-⑬
DISC TWO
 〈2〉’US THREE ―1960 Cont. ①②
 〈3〉SPEAKIN' MY PIECE ―1960 ③-⑧
 〈4〉HEADIN' SOUTH ―1961 ⑨-⑬
DISC THREE
 〈4〉’HEADIN' SOUTH ―1961 Cont. ①-③
 〈5〉ON THE SPUR OF THE MOMENT ―1961 ④-⑨
 〈6〉UP AND DOWN ―1961 ⑩⑪
DISC FOUR
 〈6〉’UP AND DOWN ―1961 Cont. ①-④
 〈7〉DOIN' ALRIGHT(with Dexter Gordon) ―1961 ⑤-⑨
 ?年/CD/モダンジャズ/REAL GONE /4枚組/輸入
<★★★★>/<3><6>、<★★★☆>/<1><2><5><7>、<★★★>/<4>
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最初のアルバムのベースがサム・ジョーンズで、そのほかはパーランの
ピアノ、ジョージ・タッカーのベース、アル・ヘアウッドのドラムスのピアノ
トリオが基本。1960-1961年の録音。
パーラン・クインテットの〈3〉〈5〉の時は、トミー・タレンタイン(tp)とスタ
ンレー・タレンタイン(ts)兄弟が加わり、そのほかは固定メンバーではな
さそう。
〈4〉ではパーカッションのレイ・バレット、〈6〉ではブッカー・アーヴィン(ts)
グラント・グリーン(g)、最後の〈7〉では大御所デクスター・ゴードン(ts)
と若きフレディ・ハバードが加わったもの。
と知ってそうに書いてますが、知ったかぶり。でも誰をよく知らないって、
パーラン自身のことをろくに知らない。だけど、どんなものでちらっと読ん
でも好意的な書き方しか見なかったので、一度は聴かなくちゃと思いつ
つ、何十年もたっちゃった。
まあ、聴かなかったのにはもちろん理由があったからで、この方、右手
指に障害があってうまく動かせないとかいうことは知っていた。ワタシは
どちらかというと、ころころ指がよく動く人が好きでね、モンクなんかはほ
とんど聴いてこなかった。それと同じような選択をずっとしてきていたん
ですね。だから知らない。
目についたのをいいことに選んでみました。
そうそう、先に書いておくと、このディスクの跨ぎ方はイカン!(このシリー
ズのレヴューでは、その点がやたらとあげつらわれている。当たり前!)
なんと愚かな! これって、なに考えたんですかねぇ。
LP2枚ずつ合わせて、4枚目はLPが1枚分しかないというのでもいいじゃ
ないですか、どうしても7枚分を4枚のCDにするというのなら。

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さーて、文句言っても仕方がありません。
<1><2>はピアノ・トリオの演奏で、ファンキーで品がいい。
<3>このタレンタインの兄弟が入ったアルバムが、ワタシにはもっとも
乗れた感じです。更にファンキー。同じクインテット<5>も同様ながら
<3>のほうが出来はいい。
<4> アノトリオにパーカッションのレイ・バレットが加わったもの。
学生時代にたびたび聴いたケニー・ドリューの「イッツ・オールライト」だ
ったかに似ている気がする。軽すぎて評価されないタイプ。結構好きな
のです、こういうの。ただし、Disc2の⑪Summertimeというのが、ベース
のアルコをフィーチャーしていまして、メロディを弾くベースのアルコは実
はワタシかなり苦手。 残念。それと⑫、ピアノがあらぬ方に行ってしまっ
たみたいで、これも×。他はOKだったんだけどな。
<6>唯一ギターの入ったアルバムで、テナーのブッカー・アーヴィンとは
ちょっとマッチングがどうかとも思うけれど、そうでもなく、落ち着いて乗
りの良いいいアルバム。グリーンもアーヴィンも生き生きしている。全て
パーランのオリジナル。
Disc3の⑪は、アルバムタイトルと同じ UP AND DOWN、ミシェル・ルグラ
ンが音楽を担当した有名な映画『華麗なる賭け』に同じような始まりの曲
がありました。この曲パーランのオリジナルのようですが、空似なのかな?
<7>全てゴードンの曲。ジャケット写真ではゴードンの名が大きく見えてい
て、リーダ-もゴードンなのね。うる覚えですが、ベニー・ゴルソンのアレン
ジもこんな、アンサンブル的に決まっているって感じだったような・・・
豪快だけれどなめらか。とても暖かい感じのソロ。ファンキーさがちょっぴ
り古臭い感じもするけれど、気持ちよく吹いている。ハバードは‘オレのジ
ャズじゃない!’と言っているみたいなところもあるが、まあまあ。パーラ
ン・トリオは後ろに徹している感じ。


べつにねえ、アルペジオみたいなのを弾かなくったって、ちゃんと素敵な
バップジャズじゃないですか。
ジャケットに写真があったので、撮ってみました。この右手ですね。
ちょっと他ではないムードとかコードの扱いとか、左右の指の独特の使
い方というものがあって、はまるとヤバイ、なーんていう感じなんでしょう
ね、ワタシにはその辺はよくわからなかったですけど。
確かに転がっても短いので、流麗さには欠け、音の量も少な目。でも、
たどたどしいかもという想像は当たらない。手指を欠点にはしていない。
羽目を外さないというか、カッカすることなく自分のジャズを貫いていると
でもいうか、落ち着いたピアニストなんじゃないかと思いましたね。
ジャズだぞ、燃えなくてどうする!と言われても、、、ワタシャ別に困りま
せん。いや、その辺が品の良さというワタシの印象に繋がっているかも。
ところで、パーラン自身は、メンバーを集めるのにはきっと苦労したんで
はないかと想像するが、どうだったのでしょうか。
何のことはない、引っかかったのはDisc2の⑪⑫のみ。
パーランの古いアルバム7枚分。突飛なところなんぞ皆無でしたが、大い
に楽しませてくれました。
ちらっとWIKIを見てみると、その後はヨーロッパに渡ってスタイルを新しい
ものに変えながら結構長く活躍したんですね。
今から一年ほど前に亡くなっている。

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