休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ERIC DOLPHY Seven Classic Albums

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20170218(了)
ERIC DOLPHY Seven Classic Albums
Disc1
(1)OUTWARD BOUND(1960)
  ①-⑥
   フレディ・ハバード(tp)、ジャッキー・バイヤード(p)、ジョージ・タッカー(b)、
   ロイ・ヘインズ(ds)
(2)FAR CRY(1961)
  ⑦-⑬
   ブッカー・リトル(tp)、ジャッキー・バイヤード(p)、ロン・カーター(b)、
   ロイ・ヘインズ(ds)
Disc2
(3)OUT THERE(1960)
  ①-⑦
  ロン・カーター(b・チェロ)、ジョージ・デュヴィヴィエ(b)、ロイ・ヘインズ(ds)
(4)SCREAMIN’ THE BLUES(with Oliver Nelson)(1960)
  ⑧-⑬
  オリヴァー・ネルソン(ts・as)、リチャード・ウィリアムズ(tp)、リチャード・ワイアンズ(p)、
  ジョージ・デュヴィヴィエ(b)、ロイ・ヘインズ(ds)
Disc3
(5)AT THE FIVE SPOT Volume1(1961)
  ①-③
  ブッカー・リトル(tp)、マル・ウォルドロン(p)、リチャード・デイヴィス(b)、
  エド・ブラックウェル(ds)
(6)HOT AND COOL LATIN(1959)
  ④-⑫
  デニス・バディマー(g)、ネイサン・ガーシュマン(チェロ)、ラルフ・ペーニャ(b)&
  ワイアット・ルーサー(b)、チコ・ハミルトン(ds) (④-⑪、ハリウッド録音)
Disc4
(6)HOT AND COOL LATIN(1959) cont.
  ①-⑥
  フェリペ・ディアス(vib)、アーサー・ジェンキンズ(p)、ボビー・ロドリゲス(b)、
  ルー・ラミレス(timbales)、トミー・ロペス(tumbadora)
  (Disc3⑫、Disc4①-⑥、ニューヨーク録音)
(7)HERE AND THERE(1961)
  ⑦-⑪
  ⑦⑧:マル・ウォルドロン(p )、ブッカー・リトル(tp)、エド・ブラックウェル(ds)、
      リチャード・デイヴィス(b)、
  ⑨⑩:フレディ・ハバード(tp)、ジャッキー・バイヤード(p)、ロイ・ヘインズ(ds)、
      ジョージ・タッカー(b)
    ⑪:ベント・アクセン(p)、エリック・モーズホルム(b)、ヨルン・エルニフ(ds)
                   ・・・・・
  エリック・ドルフィー(フルート、バスクラリネット、アルトサックス、ソプラノクラリネット)
  CD4枚組/ジャズ/ⓒ&Ⓟ ?/Real Gone Music/mcps/輸入/中古
  <★★★☆~★★★★>

CD4枚セット(LP7枚分)、のんびり聴いていたら時間がかかっちまった。
エリック・ドルフィー;1928/6/20~1964/6/29、活動期間は1949-1964。
ロスアンジェルス生まれ、糖尿病による心臓発作でベルリンで亡くなった。
本格的活動は1958年ごろからで、とすると6年ぐらいか。36歳なんてのは
ジャズミュージシャンではざらだ(った)けれど、でも短い。
遺品のバスクラとフルートは両親からコルトレーンに贈られたんだって。
コルトレーンは1967年に亡くなってしまったから、3年ほどしかその楽器を
持っていなかったんだな。
学生時代によく通ったジャズ喫茶では結構リクエストが多かった。
このへんてこりんなアドリブはなんだ、フリージャズってやつか、なんて思っ
たもんです。「ブルースの真実」「ラスト・デイト」「アット・ザ・ファイブ・スポッ
ト」「アウト・トゥ・ランチ」など。
苦手もいいところでしたね。ワタシは上記コルトレーンはなぜか好きでよく
聴いたんですが。
ところがこの数年でとうとう「面白いじゃん!」なんて思えるようになっちま
った。「ブルースの真実」と「アウト・トゥ・ランチ」を聴く機会があってのこと。
少々かかりすぎたか・・・
あの突拍子もないというか、すっとんきょうな感じのフレーズはフリーでな
く、基本的には音楽理論に則ったものなんだそうな。まあ理論のほうはと
りあえずどうでもいいけれどね、どういうものか抵抗感がなくなった。
あのころ、ドルフィーを面白がっていた友人や常連どもは進んでいたんだ
なあ。ハハ。その友の一人はオレをジャズに引きずり込んでくれたんだが、
もう死んじまった・・・
どのアルバムも、よく覚えている「アウト・トゥ・ランチ」ほどの完成度(彼の
場合ちょっと変な言葉かもしれないが)ではないように思うものの、トラッ
クによっては負けていなかったり、もっと‘爆発’もしている。「アウト・トゥ・
ランチ」はどちらかというとかなり軽妙なタイプのアルバムだったんだね。
それにしても・・・あの馬のイナナキふうなバスクラがやたら有名だけれど、
アルトサックスのテクニックだって相当スゴイわ。まあアルトならアルトでう
まい人は山ほどいるけど。
これらLP7枚分の中では、(3)と(5)がやっぱりよかったみたい。
有名盤「ラスト・デイト」はもう忘れてしまった。聴いてみたくなったが手元
にない。中古屋で探してみよう。
上記以外だとおすすめはこんな感じなのかな?
 ・アット・ザ・ファイブ・スポット Vol.2
 ・OTHER ASPECTS
 *ミンガス・プレゼンツ・ミンガス(ミンガス)
 *フリー・ジャズオーネット・コールマン
 *エズゼティックス(ジョージ・ラッセル
この後は一応各アルバムごとのメモ。
だらだらと長くなっちまうが、4枚組だしね、ご容赦。
(1)素っ頓狂じゃないが、いきなりすごい①。こういうのはあるがあとは普
通のバップのアルバム、という感じ。
(2)上記に同じ。⑦では面白いソロが聴ける。アルコのベースが目立たな
い。(ワタシにはそのほうがいい) 全体にアレンジが行き届き、②のバラ
ード(実際にはODE)など独特の詩情。リトルのトランペット、誠実。
(3)ピアノレス。ただし、ロン・カーターだろうがベースでだろうが、もちろん
珍しいチェロでだろうが、ジャズでのアルコはどうも好きになれないのは、
どういうものか今でもさほど変わらない。
と書きつつ、④⑤⑦なんぞのアブストラクトな感じは素晴らしい。デュヴィヴ
ィエのベースとは別にカーターがチェロを弾くなんざ、ちょっとない楽器構成。
このアルバムが4枚組全体を引き締めている気もする。
(4)オリヴァー・ネルソンやビル・エヴァンズとやった「ブルースの真実」と何
か関係があるのか、おおらかなブルースで始まる。この一曲目を除くと、ド
ルフィーが吹いていない限り、まあ、ごくストレートなバップジャズ。
割と裏方的なドルフィーだが、ひとたびソロを取るとガラッと雰囲気が変わ
ってしまうのが、いいんだか悪いんだか・・・
(5)有名なライブ録音の片割れ。大作3曲だけ。面目躍如!もちろんこの
感じこそが学生時代には苦手だったんだ。
マル・ウォルドロン、(2)の⑪に彼のLeft Aloneが入っているが、そこには
加わっていない。ここではおとなしく和音をぽろぽろ鳴らしているだけみた
いな感じで、ソロになってもソロらしくない。でも音は確かに今にも「Left 
Alone」が鳴ってきそう・・・、ピアノの音、よくない、安っぽい!
(この方、学生時代に地方都市での公演後、ワタシタチがたむろしている
小さいジャズ喫茶店に連れられてきて、ほとんどワタシの隣に座った。だ
まーってコーヒーを啜り、借り猫のようだったと記憶している。)
(6)は変わっている。
④~⑪はチェロなんぞ入ったりしているが、ラテンなかじゃない。すごいス
ピードのソロを聞かせるも、概してくつろいで軽い調子。だからむしろ特異
な感じではあるけれど、とはいっても、Disc3の最後⑫からDisc4の⑥まで
は完全にラテン。録音データと符合。
ヘンテコリンなアルバム! コンセプトがまるっきり違ったものを一緒にして
あるということになる。で、タイトルをよくよく眺めてみる。「ホット」と「クール
・ラテン」は別ものだが一緒にしてしまったんだと理解する。
まあドルフィーにチャチャチャで踊れそうなものがあるのがなんたってヘン
テコリン。名盤扱いにはならないだろうが、楽しいじゃないですか。
(7)はラテンから続いているために、がらっと変わる。
⑦は猛スピードによるアルトの吹きっぱなしで始まる。テナーならコルトレ
ーンというところ・・・、ピアノはマル・ウォルドロンでは精一杯・・・。
ともあれこのアルバムは(6)とはまた違うけれど、3か所ほどの録音をまと
めたもののよう。
⑦はアルバム(5)の時のもの、⑧はバスクラのソロのみだが多分同じ。
⑨⑩はアルバム(1)の時。⑪は北欧のどこかで、ここにあるものとは違う。