休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

エラ・フィッツジェラルド Seven Classic Albums

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20160223(了)
エラ・フィッツジェラルド(1917-1996)
  ELLA FITZGERALD  Seven Classic Albums
(Disc1)
[1] GET HAPPY -1959                        ◎
   1~14
   Six sessions from July 24 1957―July 11 1959 in Hollywood
   arr,con; ネルソン・リドルフランク・デ・ヴォールラッセル・ガルシア
         マーティ・ペイチ、ポール・ウェストン
[2] SINGS SWEET SONGS FOR SWINGERS -1959       ○
   15~24
   Two sessions held on November 24 1958 & July 1 1959 in Hollywood
   arr,con; フランク・デ・ヴォール/ tp.;ハリー・エディソン他
(Disc2)
[3] ELLA WISHES YOU A SWINGING CHRISTMAS -1960  △
   1~12
   July 15-16,August 5,1960,NY
   arr,con; フランク・デ・ヴォール
[4] HELLO LOVE -1960                        ○
   13~24
   July 15-16,August 5,1960,NY
   arr,con; フランク・デ・ヴォール
(Disc3)
[5] ELLA IN BERLIN - MACK THE KNIFE -1960        ◎
   1~9
   ポール・スミス(p)、ジム・ホール(g)、W・ミドルブルックス(b)、ガス・ジョンソン(ds)
[6] LET NO MAN WRITE MY EPITAPH -1960          △
   10~22
   April 14-19,1960,Hollywood([5][6]とも)
   ポール・スミス(p)
(Disc4)
[7] CLAP HANDS,HERE COMES CHARLIE -1961       ○
   1~14
   June 22-23,1961,LA
   ルー・レヴィ(p)、ハーブ・エリス(g)、ジョー・モンドラゴン(b)、ガス・ジョンソン(ds)
   ?年/CD/4枚組/ジャズヴォーカル/maps RGJCD315/輸入/ネット
   <★★★☆>
[1]いろんなセッションを集めたものながら、同じようにフルバンドがバック
の[2]~[4]より意外なことに出来がいいんじゃないか。最初の2曲だけの
ネルソン・リドルが素晴らしいスタートをかけ、あとも手馴れたアレンジが
利いて、色々楽しめるアルバムになっている。
[2][3][4] このアルバム3枚分はデ・ヴォールの編曲・指揮なのでまとめち
ゃう。
[1]に入っているN・リドルやM・ペイチは映画のサントラの作曲家としても知
られているわけだけれど、F・デ・ヴォールも同じ。
  リドル:「オーシャンと十一人の仲間」(1960)、「七人の愚連隊」(1963)、「エ
       ル・ドラド」(1966)、「晴れた日には永遠が見える」(1970)、「華麗
       なるギャツビー」(1974)など
  ペイチ:「わんわん物語」(1955)
  デ・ヴォール:「飛べ!フェニックス」1965)、「何がジェーンに起ったか?」
       (1962)、「ふるえて眠れ」(1965)、「特攻大作戦」(1967)、「北国の
       帝王」(1973)、「ロンゲスト・ヤード」(1974)、「カリフォルニア・ドー
       ルス」(1981)など
リドルとデ・ヴォールの映画音楽の作品数なんか厖大。
ジャズのアレンジということだと、ニール・ヘフティなんかも映画の仕事が多
かったことが思い出される。「砦の29人」とか「裸足で散歩」「おかしな二人
とか・・・
ジャズ系から映画音楽に携わった作曲家は結構多いですね。
クインシー・ジョーンズヘンリー・マンシーニ、ロイ・バッド、ジョン・バリー
ジョニー・マンデルデイヴ・グルーシンラロ・シフリンなどまだまだどっさり
いる。あのジョン・ウィリアムズだってジャズ・ピアノ弾いてたんだし。
リドルやデ・ヴォールはあまり高い評価はないようで、軽い映画≒軽い音楽
という扱いなんでしょう。コルンゴルト、M・スタイナー、F・ワックスマン、D・テ
ィオムキン、A・ニューマンなんかとは同列には論じられない感じ。ちょっと
可愛そうな気もする。
はい、大脱線。
まあそんなに書くことがないのです。デ・ヴォール、上手いもんだなあという
話です。[2]と[4]は見事です。[3]のクリスマスだけは、そう素敵というわけ
にもゆかないですけどね。時を選ぶわけだし。
バックのバンドのことばかり書いちゃって・・・メンバーも知った名前ばっかり
です。
歌のほうは、それこそ、すごいというほかない。
こんな音程の狂わないアドリブ、他に誰ができる!ってなもんで、ま、天才
歌手以外の何ものでもない。
この声が好きじゃないって方はいるんだろうな。好悪はそこだけじゃないか。
[5] これは昔ジャズ喫茶でさんざん聴かされた。リクエストはしたことがない。
ヴォーカルものではアニタ・オデイアビー・リンカーンなんかもよくかかって
た。学生時代はまだエラフィッツは好きな方でもなかった。歌ではニーナ・シ
モンぐらいしかリクエストをした記憶がない。暗いのに吸い寄せられるようだ
ったっけ。だから、これなどちょっとうるさいと思いながら聴いたんじゃなかっ
たかなぁ。
でもさすがに名盤。録音に不満はあるものの、歌唱は絶好調。 めちゃくちゃ
上手い。どれも聴かせるも、最後の⑨How High The Moon は白眉。
[6] 丁寧な歌唱。元々が正確な音程の歌唱なんで、ここまで丁寧だと若干
地味に聞こえ、特徴すらも減じてしまいそう。
ピアノ1台だけのスタンダード集。
[7] LPはこれしか持っていなかったと思う。当然もうないが、けっこう気に入
っていた。今久々に聴くと、出来はとてもいいけれどアレンジや抑制が効い
ていて、ライブ的興奮は全くなかったんだ・・・ なんてね。つまり落ち着いた
いいアルバムということだし、つまるところワタシは本来的にはこの方向の
ほうが好きなのです。
聴き知った曲が多い。
このシリーズのエラフィッツは3セットあって、これが一番目。2番目もできた
ら欲しいな。でも3番目は、ちょっと。
なぜかというと、ファンがたいそう多いサッチモとのレコーディングが複数入
っているようだから。変人と言われても困るが、ワタシはサッチモが好きで
はない。その理由を言えなくもない。ですが、まあそれはまたいつか。