|
[1]いろんなセッションを集めたものながら、同じようにフルバンドがバック |
の[2]~[4]より意外なことに出来がいいんじゃないか。最初の2曲だけの |
ネルソン・リドルが素晴らしいスタートをかけ、あとも手馴れたアレンジが |
利いて、色々楽しめるアルバムになっている。 |
|
[2][3][4] このアルバム3枚分はデ・ヴォールの編曲・指揮なのでまとめち |
ゃう。 |
[1]に入っているN・リドルやM・ペイチは映画のサントラの作曲家としても知 |
られているわけだけれど、F・デ・ヴォールも同じ。 |
リドル:「オーシャンと十一人の仲間」(1960)、「七人の愚連隊」(1963)、「エ |
ル・ドラド」(1966)、「晴れた日には永遠が見える」(1970)、「華麗 |
なるギャツビー」(1974)など |
ペイチ:「わんわん物語」(1955) |
デ・ヴォール:「飛べ!フェニックス」1965)、「何がジェーンに起ったか?」 |
(1962)、「ふるえて眠れ」(1965)、「特攻大作戦」(1967)、「北国の |
帝王」(1973)、「ロンゲスト・ヤード」(1974)、「カリフォルニア・ドー |
ルス」(1981)など |
リドルとデ・ヴォールの映画音楽の作品数なんか厖大。 |
ジャズのアレンジということだと、ニール・ヘフティなんかも映画の仕事が多 |
かったことが思い出される。「砦の29人」とか「裸足で散歩」「おかしな二人」 |
とか・・・ |
ジャズ系から映画音楽に携わった作曲家は結構多いですね。 |
クインシー・ジョーンズ、ヘンリー・マンシーニ、ロイ・バッド、ジョン・バリー、 |
ジョニー・マンデル、デイヴ・グルーシン、ラロ・シフリンなどまだまだどっさり |
いる。あのジョン・ウィリアムズだってジャズ・ピアノ弾いてたんだし。 |
リドルやデ・ヴォールはあまり高い評価はないようで、軽い映画≒軽い音楽 |
という扱いなんでしょう。コルンゴルト、M・スタイナー、F・ワックスマン、D・テ |
ィオムキン、A・ニューマンなんかとは同列には論じられない感じ。ちょっと |
可愛そうな気もする。 |
はい、大脱線。 |
|
まあそんなに書くことがないのです。デ・ヴォール、上手いもんだなあという |
話です。[2]と[4]は見事です。[3]のクリスマスだけは、そう素敵というわけ |
にもゆかないですけどね。時を選ぶわけだし。 |
バックのバンドのことばかり書いちゃって・・・メンバーも知った名前ばっかり |
です。 |
歌のほうは、それこそ、すごいというほかない。 |
こんな音程の狂わないアドリブ、他に誰ができる!ってなもんで、ま、天才 |
歌手以外の何ものでもない。 |
この声が好きじゃないって方はいるんだろうな。好悪はそこだけじゃないか。 |
|
[5] これは昔ジャズ喫茶でさんざん聴かされた。リクエストはしたことがない。 |
ヴォーカルものではアニタ・オデイ、アビー・リンカーンなんかもよくかかって |
た。学生時代はまだエラフィッツは好きな方でもなかった。歌ではニーナ・シ |
モンぐらいしかリクエストをした記憶がない。暗いのに吸い寄せられるようだ |
ったっけ。だから、これなどちょっとうるさいと思いながら聴いたんじゃなかっ |
たかなぁ。 |
でもさすがに名盤。録音に不満はあるものの、歌唱は絶好調。 めちゃくちゃ |
上手い。どれも聴かせるも、最後の⑨How High The Moon は白眉。 |
|
[6] 丁寧な歌唱。元々が正確な音程の歌唱なんで、ここまで丁寧だと若干 |
地味に聞こえ、特徴すらも減じてしまいそう。 |
ピアノ1台だけのスタンダード集。 |
|
[7] LPはこれしか持っていなかったと思う。当然もうないが、けっこう気に入 |
っていた。今久々に聴くと、出来はとてもいいけれどアレンジや抑制が効い |
ていて、ライブ的興奮は全くなかったんだ・・・ なんてね。つまり落ち着いた |
いいアルバムということだし、つまるところワタシは本来的にはこの方向の |
ほうが好きなのです。 |
聴き知った曲が多い。 |
|
このシリーズのエラフィッツは3セットあって、これが一番目。2番目もできた |
ら欲しいな。でも3番目は、ちょっと。 |
なぜかというと、ファンがたいそう多いサッチモとのレコーディングが複数入 |
っているようだから。変人と言われても困るが、ワタシはサッチモが好きで |
はない。その理由を言えなくもない。ですが、まあそれはまたいつか。 |