| <帯惹句> |
| ヴィラ=ロボス(1887-1959)の「戦争」と「勝利」の交響曲は、第一次世界 |
| 大戦の休戦を記念するためのブラジル政府から委嘱された作品です。当 |
| 時32歳の彼は、すでに「国際的なモダニズム感を持つブラジルの芸術家 |
| グループの中心人物」として位置づけられており、この依頼を受けた彼は、 |
| 決して勝ち誇った態度をとることのないように細心の注意を払った上で、 |
| この2つの曲を書き下ろしたのです。第3番「戦争」では、ブラジルの国家と |
| 「ラ・マルセイエーズ」の断片が聴こえてきたり、リゴレットの苦悩のモティ |
| ーフが引用されたりと、かなりコラージュ的な手法で書かれています。第4 |
| 番はさらに情熱的になり、最終楽章では狂乱の真っただ中に放り込まれ |
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るかのような陶酔感に満ちています。
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| (1)第一次世界大戦の休戦記念とはいえ・・・惹句にあるように慎重に書 |
| かれたようで、Ⅳ.のBattleでさえ、派手にならないように気を付けていた |
| みたい。コラージュったってワタシには「ラ・マルセイエーズ」ぐらいしかわか |
| らなかった。 |
| Ⅰ~Ⅲ.はむしろ美しい。分厚い音も繊細な音も。これが戦争?ってくらい。 |
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| (2)タイトルからして、晴れがましさを思い浮かべるけれど、3番と同様で、 |
| 底抜けの明るさという感じじゃない。特にⅠ~Ⅲ.はそう。Ⅲ.の美しさなん |
| か3番同様特筆もの。「ラ・マルセイエーズ」はやっぱり聞こえる。 最終楽 |
| 章が惹句では‘狂乱の真っただ中’なんて書いてあるが、これは違うね。 |
| 大音響でも抑制がしっかり利いていましたぞ。 |
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| 両曲とも政府からの委嘱で、同じ年に書かれているということもあるのか、 |
| 雰囲気につながりがある気がします。‘兄弟’ふう、あるいは‘連作’。 |
| 抑えて書いたことがよかったかどうか。 |
| ワタシはその抑制でもっていい曲になった気がする。 |
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| 録音のせいもあるかもしれないが、音が軽く明るいのもいい。 |
| 苦悩も正直あまり感じないし、悲惨さや地獄絵図なんていうリアリズムに |
| いたっては皆無。いわばひたすら美しい。 |
| 音楽的にはきっと新味には乏しく、民族色もなく、尖ったようなところもな |
| い。だから評価も人気も低目。ワタシはだからこそ素敵だと思う。 |
| 以前6番、7番も聴いた同じオケ。結構うまいんじゃないか。木管なんかの |
| サウンドはホントによかったなぁ。 |