休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ヘンツェ;交響曲 第7番 & 舟歌

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20190316(了)
ヘンツェ;交響曲 第7番  舟歌
   Hans Werner HENZE(1926-2012)
大オーケストラのための舟歌(1979) 21:30
   ― パウル・デッサウの思い出に
交響曲 第7番(1983-84)
 ②Ⅰ.舞踏―生き生きと生気を持って   10:57
 ③Ⅱ.静かな動きで              12:42
 ④Ⅲ.たえまない動きを持って         5:12
 ⑤Ⅳ.静かに、抑制して             9:28
  サイモン・ラトル指揮/バーミンガム交響楽団
  録音:1992年、バーミンガム、シンフォニー・ホール 〈Live Recording〉
  1993年/CD/管弦楽/ⓒ1993EMI//東芝EMI/邦盤/中古
  <★★☆/★★★>

 パウル・デッサウ(1894-1979)というのは、指揮者で作曲家だったとの
こと。知りませんでした。
ごく近くで雷が落ちたみたいな大音響で幕を開ける。ヴォリュームを下げる
暇なし。舟歌だって?
そのあとは陰気ながら様々な曲想が入り乱れる交響詩ふう。
たいそう物々しい。でもどうやら死が主題というわけでもないみたいでした。
友人か、年がひとまわ以上も上なので‘師’なのか。ひととなりなのか、考
えたことか、書いた曲のことなのか・・・
②-⑤ 出だしこそぐっと抑えぎみな調子なのですが、どんどん上記「舟歌
のものものしさを上回ってゆく苛烈なもので、このころのヘンツェはそういう
傾向があったんですかね。
久しぶりに聴くヘンツェなので、前の記憶がよみがえりません。
この苛烈さ、尋常じゃない。いったい何を表現したんだろうと、頭を抱えたく
なります。つまり・・・戦争とか巨大な災害など以外に何があるというんだろう
というような感じ。
日本盤(ジャケ写、ヒドイ)なので解説を読めました。それによれば、ドイツの
交響曲の伝統に回帰したような形式感をこめている云々、いたって軽い調子
なんで、解説ではこの猛烈な雰囲気のことはとんと伝わってこなかった。そ
んなんじゃ分からないよぉ!
上記同様大オーケストラを用いているようで、音がものすごく濃い。
ヘンツェって難解と言われますけどね、これまではそういう意識で聴いたこと
はほとんどなかったんだけど、今回はそうかもしれない。
交響曲は3~5番をヤノフスキ指揮のもので聴いたことがあるだけ。引っ張り
出してみました。
今回はラトル指揮/バーミンガム市響。指揮者の違いがかなりあるかもしれ
ない。
例えば5番はセリーかな、かなり尖って緊張感のある音楽で、かつかっこよ
かった。それに対してこの7番の猛烈な物々しさはすっかり別世界のイメー
ジやったね。ライヴ・レコーディングということもあるのかも。
また、オケにとって大変むずかしい曲であって、ヘンツェはもともとベルリン・
フィル(の技量)を想定して書いたとのこと。この邦盤の解説者は、ラトル/バ
ーミンガム市響の演奏を、よくやっている、とねぎらっている。