ルイ・フレモー CBSO全録音 (12枚組)
LOUIS FREMAUX The Complete CBSO Recordings
9&10/12
CD9 67:28 |
Francis Poulenc 1899-1963 |
(1)フランシス・プーランク:グローリア | |
①~⑥ 23:41(2:44/2:58/4:15/1:21/6:34/5:49) | |
ノーマ・バロウズ(S) | |
バーミンガム市交響合唱団(合唱指揮:ピーター・ジェイムズ) | |
(1976年5月11-12日、バーミンガム大学グレイト・ホールでの録音) | |
(2)フランシス・プーランク:ピアノ協奏曲 | |
⑦~⑨ 19:41(10:10/5:25/4:06) | |
クリスティーナ・オルティス(Pf) | |
(1976年4月21日、ベッドワース市民センターでの録音) | |
(3)フランシス・プーランク:バレエ組曲《牝鹿》 | |
⑩~⑭ 18:42(3:29/3:23/5:30/2:54/3:26) | |
Erik Satie 1866-1925 | |
(4)エリック・サティ:ジムノペディNo.1 & 3(ドビュッシー編) | |
⑮⑯ 5:04(2:14/2:50) | |
(以上 1973年8月30-31日、バーミンガム大学グレイト・ホールでの録音) | |
<★★★★> |
最後にサティじゃ、CD8と同じ構成じゃないか・・・と、つい。 |
プーランクはずいぶん前から好きな作曲家です。 |
ではあるのですが、この(1)グローリアはちょっと苦手だった。それほどい |
ろんな演奏で聴いたとは言えないので、苦手意識が変わればいいと思って聴 |
き始めたら、なんと大当たり。 |
重たくない、力みがない、騒がない。軽く明るくきびきびして、晴れがましい。 |
こうでしょう、この曲。 |
全体に粋な感じすらありましたね。宗教的ではないかもしれないけれど。 |
オケも合唱もちゃんとしっかりしてました。 |
まあこの1曲を聴くためにこの盤を選ぶこともないかもしれないですがね。 |
あとの曲次第。 |
(2)ピアノ協奏曲はまぁ普通だったかな。悪くはなかった。テンポの動かし |
他、いろんな表現の工夫がありました。でもワタシには、ちょっと力み過ぎだ |
ったかなぁ。 |
(3)「牝鹿」。楽しい曲で、昔っから好きです。曲がいいからね、きびきび |
しておれば、いいに決まっている。これ案外知らない人が多いかもしれない。 聴けば好きになる人、多いだろうな。 |
皆素敵なプーランク、こうなるともうちょっと曲数がほしかった。 |
(4)のジムノペディ2曲は、ドビュッシーのオーケストレーションが精妙で |
いいのですけれど、でも、これらは余白埋めでしょう。 |
というわけで、この盤はよかったですね。きっと聴きたくなる。 |
(20230206)
CD10 67:50 William Walton 1902-1983 |
①~⑪ウィリアム・ウォルトン:《ファサード》組曲より抜粋 (1926/31)22:52 |
(1976年9月1-2日、ベッドワース市民センターでの録音) |
⑫ウィリアム・ウォルトン:《グローリア》 (1961)18:59 |
バーバラ・ロボサム(Ms)、アンソニー・ロルフ・ジョンソン(T) |
ブライアン・レイナー・クック(Br) |
バーミンガム市交響合唱団(合唱指揮:ゴードン・クリントン) |
⑬ウィリアム・ウォルトン:戴冠式行進曲《宝玉と王のつえ》 (1953)6:57 |
⑭ウィリアム・ウォルトン:テ・デウム (1952)9:29 |
ウォーチェスター大聖堂聖歌隊 |
バーミンガム市交響合唱団(合唱指揮:ゴードン・クリントン) |
⑮ウィリアム・ウォルトン:戴冠式行進曲《王冠》 (1937/63)9:09 |
(1976年9月18-19日、バーミンガム・タウン・ホールでの録音) |
①-⑪、⑮<★★★★>、⑫-⑭<★★★☆> |
ルイ・フレモー指揮/バーミンガム市交響楽団(CBSO) |
CD/12枚組/クラシック/Ⓟ&ⓒ Parlophone/Warner Classic/中古
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この1枚はすべてウォルトン。次のにも一曲。やっとイギリス系です。 |
オケのお国もの。 |
①-⑪ 「ファサード」組曲 11ものいたって軽い小品の寄せ集めで、都会の様 様な表情を明るく描いている感じ。いかにも明るさが大事、というふう。フラ |
ンスものならこういうのはレビューっぽくなったり、踊り子の裏にいるヒモの |
存在を感じさせたリ・・・って、それでは言い過ぎだし、差別みたいだね。 |
⑤では多分冗談として「ウィリアム・テル」序曲が引用されてます。 |
ファサードって建物の正面なんて意味があるから、いろんな建物のそれからの |
連想や印象、はたまたそこにいる人々のことも含めて描いているとか。 |
とにかく、かなり映像を意識させますね。英国はほとんどなく、むしろヨーロ |
ッパ大陸や南欧などの街の印象が多いのでは。結構暖かい。 |
知らないはずなのですが、聴いたことがある気がする。 |
⑫ 「グローリア」というタイトルを知らないままかけた時の出だしは、歴史劇 の映画。もう少し聴き進むと「グローリア」なんて言葉が聴き取れたので、そ |
れに宗教(勿論キリスト教)がからんだもの、という印象に変り、あとはドラ |
マの中で使う音楽が続く。ことほどさように、やはり映像を喚起する音楽だな |
ぁと。 |
ウォルトンには、シェイクスピア劇の映画の劇伴(オリヴィエの『ヘンリー五 |
世』『ハムレット』『リチャード三世』)や戦争映画『空軍大戦略』(ガイ・ハ |
ミルトン)なんてもののサントラなんかもあるぐらいですから、まあ当然と言えば 当然。 |
ああ、これよりもっと録音のいい、(映画)音楽を集めたCD、久々に引っ張り |
出してみるか。(見つかるかな?) |
さて、だんだん、音楽が尖がってきて、映像のことは考えなくなってしまいま |
した。宗教的なものについても同様想像しにくい。カッコ良すぎるのです。 |
⑬ これこそはエリザベス二世の戴冠式のために作曲された行進曲《宝玉と王の つえ》。その時、⑮も一緒に演奏されたそうな。間にゆったりした部分を挟む |
が、徐々に盛り上がって、実に見事。まああの『威風堂々』の影響はあるとは |
思います。 |
従って、ついでに⑮ 戴冠式行進曲《王冠》。もとは1937年にエドワード八世 |
の戴冠式のために作曲されたが、その前に退位されて使われず、その後ジョー |
ジ六世の戴冠に使われたあとは改訂を経て、エリザベス二世の即位時に再び使 |
再われた。これもはじめはわりと抑えて始まるが、だんだん盛り上がってド派 |
手で極めてカッコいい。演奏もリキが入っているように感じました。ウォルト |
ンのもっともメジャーな曲ということになるんでしょう。ウォルトンを知らな |
くても、この曲なら知っているという人は多いと思う。 |
⑭ 「テ・デウム」 〈神よあなたをたたえます〉という臆面もない意味の宗教 |
音楽。いかにもイギリス風な響きだなぁと思えます。これ、オルガンや合唱も |
素敵だけれど、ワタシはやっぱりオケ伴だからこその「素敵」。 |
近々、ウォルトンの合唱曲を聴く予定で、さぁどんな感想になることか。少し |
心配。もともと得意なジャンルじゃないし、車のスピーカーは合唱に弱いから。 |
ハイおしまい。音質良好でした。 |
(20230216) |
2枚づつアップしてきたフレモーのセットもの、あと一回分になりました。 |
次のCD(№11)に、もう一曲ウォルトンがあります・・・ |