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〈帯紹介文〉 アイルランドに生まれ、アメリカ合衆国に帰化したチェリスト・ |
作曲家ハーバート(1859-1924)のチェロ協奏曲集です。幼い頃から音楽 |
の才能を発揮していたものの、家庭の事情で正規の教育を受けること |
が叶わず、15歳になってようやくチェロを弾き始めたといいます。しかし、 |
すぐに上達し、18歳の時にはチェリストとして中央ヨーロッパに演奏旅行 |
に出かけるほどの腕前となります。 |
やがて当時隆盛を誇っていたヨハン・シュトラウス2世の楽団員になり、渡 |
米後はメトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席チェリストになります。 |
作曲家としても数多くの作品を書き、それらは当時のアメリカで大人気を |
博しましたが、彼のもう一つの功績は、米国作曲家作詞家出版社協会(A |
SCAP)を設立したことであり、こちらのシステムは現代アメリカでの音楽家 |
たちの権利をしっかり守っています。そんな偉大なハーバートの作品は、 |
驚くほどにメロディが美しく、そして充実したオーケストラパートを持つもの |
です。とりわけ劇的な第2番は、同じ頃に作曲されたドヴォルザークの協 |
奏曲と比べてみても、なんの遜色もないほどの名作と言えるでしょう。 |
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なんともはや、ハウエルズと間違えて手に入れてしまった。 |
間違えるもんかね・・・ |
ところがこれがなかなか素敵な間違いだった。 |
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(1)なんとも馥郁たるロマン派の音楽。 |
明るく幸せそうに始まった調子が最後まで続く。びっくりするような、あるいは |
ハッとするような要素は全くない。押し出しは強くない代わりに、上品でさわや |
か。 |
(2)第1番より少し大掛かりで、押し出しも強い感じで始まるが、物々しくはな |
い。第2楽章が実に美しい。 |
(3)知っているメロディも出てくる、楽しい管弦楽曲。 |
3曲ともに作曲者の良い性格が出ている感じ。それが欠点でもあるという言い |
方もできるんだろうなぁ。 |
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協奏曲は国籍不明。 |
オーケストレーションがみな古臭いといえば言えるんだが、時代を考えれば、 |
この位の古さ。そう思って聴けば、とてもバランスがいいし、品がいいだけで |
なくとても充実している。各楽章の構成も、当たり前のようにバランスが良く、 |
この作曲家は相当実力があったのだと考えざるを得ない。 |
そう思って、WIKIをちょっと覗いてみたら、なんだぁ、チェリストより作曲者とし |
てのほうが大きな仕事をしているじゃないか。そしてピッツバーグ響の指揮 |
者としても重責をこなした。 |
第2チェロ協奏曲は、なんと、ドヴォルザーク(のチェロ協奏曲にということだろ |
う)に霊感を与えた、なんてことだそうな。それはそれは。 |
作曲家として目立っているのは、オペラ、オペレッタで、充実した作品がある |
ほか、様々なクラシックのジャンル。そしてこの当時ではオペレッタとあまり分 |
け隔てなかったのかもしれないが、ミュージカルの作品も多い! |
要は作曲も指揮もチェリストの余技なんかではなかったんだ。 |
オペレッタやミュージカルというのが主戦場だったから、音楽史に大きくは名 |
を刻まなかった方ということなんだな。 |
もう少し新しいと、コルンゴルトみたいな感じだろうか。もっとも、出どころはド |
イツではなくアイルランドだけどね。 |
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オケも指揮もがんばってます。 |
録音、特に残響については問題があるかもしれない。ままあることだけど、少 |
少チ-プかな。惜しい。まあ・・・瑕というほどじゃないと思う。 |