休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

F.E.レヴィ/交響曲第3番・チェロ協奏曲第2番 他

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20150909(了)
F.E.レヴィ/交響曲第3番・チェロ協奏曲第2番 他
Frank Ezra LEVY(b1930); Symphony №3 etc.
(1)夏の序曲(1997) ① Vivace 8:39
(2)チェロ協奏曲  第2番(2002)
   ②6:14 ③7:05 ④6:52
(3)ロンド・タランテラ(2003) ⑤ Allegro molto vivace 15:53
(4)交響曲 第3番(1977)
   ⑥Lento 11:58 ⑦Vivace 8:12
   湯浅卓雄指揮/アイルランドRTÉ国立交響楽団/
   スコット・バランタイン(チェロ)
   録音:2004年9月、アイルランド、ダブリン、ダブリン・コンサートホール Tot.64:53
   (全曲世界初録音)
   2006年/CD/管弦楽・協奏曲/NAXOS/輸入/中古屋
   <★★★☆>
(帯紹介文) ベートーヴェンやリストの激烈な演奏で、知る人ぞ知る至高の
ピアニストのエルンスト・レヴィは、作曲家でもありましたが、当盤に登場す
るのはその子息、彼もまた作曲家、チェリストとして活躍しています。父や
父の友人でもあった師・カウダーの衣鉢を継ぎ、調性の枠内に拘った作風
ですが、すべてのパートが見透かせるくらいに、一音一音が慎重に積み重
ねられた音楽は、むしろ厳しさに満ちているといってよいでしょう。しかしそ
のストイックな響きの中から立ち上がる詩情と、そしてエネルギッシュな躍
動感は大変に魅力的です。まずは、ロンド・タランテラやチェロ協奏曲の急
速楽章といったあたりが、この作曲家の特異な魅力への入門編としてよい
でしょう。
American Classicsの括りになっている。父でピアニストだと言うスイス出身
のピアニストは知らなかった。
紹介文の「ストイックな響き」「詩情」「エネルギッシュな躍動感」は、その通
りではあっても陳腐だと始めは思ったのですが、なかなか自分の言葉にな
らないので、長らく放置。
(1)活気に満ちた楽しい管弦楽曲。緩徐な部分も湿り気なし。まるで西部劇
の音楽。
(2)作曲者自身がチェリストのわりには地味目のソロかとも思う。オケのほう
は小太鼓、大太鼓、ティンパニ、木琴などを中心に、打楽器が活躍する。ビ
シバシしばくようなところが多い。
第2楽章がこのCD全体としてももっとも深さを感じさせて圧巻。 マーラー
ふっと思った。そのマーラーと言えばユダヤ人。とくに両脇の第1楽章、第3
楽章ではなにやら民族的としか表現しにくい‘臭い’を嗅ぎ付けた気がし、
それはひょっとしたら‘ユダヤ’なんじゃないかと連想した。ネット情報では
ユダヤ系なんてどこにも書いてないけどね。でも、そんなふうに感じさせると
ころが確かに個性的だとおもわせるんじゃないかな。
最後は、かなり唐突な終わり方をする。
(3)チェロ協奏曲と並んで紹介文お薦めの管弦楽曲。これが素晴らしい。
みごとな(1)よりなぜこのロンド・タランテラを推薦するのかは、聴いてすぐ
分かった。協奏曲で書いたのと同じで、臭いのような個性。
曲調はいろいろ変わっても、全体を通してタランテラ独特の速い6拍子の踊
りの感じが続く。様々なソロが楽しい。ブラスの咆哮、協奏曲でも書いた打
楽器の多用など盛りだくさん。でも力任せなところはない。なかなかの名曲
じゃないか。(うまく書けない)
(4) 2楽章だけの交響曲、表示も「レント」と「ヴィヴァーチェ」のみ。
「レント」は出だしからしばらく少々おどろおどろしく、まるで『エイリアン』・・・
いや冗談ではありますが、ゴールドスミスの「エイリアン」のサントラを引っ張
り出して確認までしてみたのです、ハハ。ちょっとですが似たところがありま
したヨ。そのエイリアンっぽいところに、ロマン派の音楽が挟まって来るとい
う、言葉でいうと変わった音楽。ヘンテコリンではありません。
ところが「ヴィヴァーチェ」は「エイリアン」のサスペンス部分にはならず、おお
むね(1)を短調に置き換えた、くらいの感じでした。
帯の謳い文句に 〈まだまだ尽きぬ調性音楽の可能性〉とあるとおり、現代音
楽らしい書法はまるっきりないようでしたが、立派なオーケストレーションなん
で、映画のワクワクするサントラのように聴けたというのが、簡単に言えと言
われた時の感想になるけれど、それじゃあ何も伝わらないですもんねえ・・・
曲毎にメモって予想通り長くなってしまいました。