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(帯紹介文) ベートーヴェンやリストの激烈な演奏で、知る人ぞ知る至高の |
ピアニストのエルンスト・レヴィは、作曲家でもありましたが、当盤に登場す |
るのはその子息、彼もまた作曲家、チェリストとして活躍しています。父や |
父の友人でもあった師・カウダーの衣鉢を継ぎ、調性の枠内に拘った作風 |
ですが、すべてのパートが見透かせるくらいに、一音一音が慎重に積み重 |
ねられた音楽は、むしろ厳しさに満ちているといってよいでしょう。しかしそ |
のストイックな響きの中から立ち上がる詩情と、そしてエネルギッシュな躍 |
動感は大変に魅力的です。まずは、ロンド・タランテラやチェロ協奏曲の急 |
速楽章といったあたりが、この作曲家の特異な魅力への入門編としてよい |
でしょう。 |
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American Classicsの括りになっている。父でピアニストだと言うスイス出身 |
のピアニストは知らなかった。 |
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紹介文の「ストイックな響き」「詩情」「エネルギッシュな躍動感」は、その通 |
りではあっても陳腐だと始めは思ったのですが、なかなか自分の言葉にな |
らないので、長らく放置。 |
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(1)活気に満ちた楽しい管弦楽曲。緩徐な部分も湿り気なし。まるで西部劇 |
の音楽。 |
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(2)作曲者自身がチェリストのわりには地味目のソロかとも思う。オケのほう |
は小太鼓、大太鼓、ティンパニ、木琴などを中心に、打楽器が活躍する。ビ |
シバシしばくようなところが多い。 |
第2楽章がこのCD全体としてももっとも深さを感じさせて圧巻。 マーラーを |
ふっと思った。そのマーラーと言えばユダヤ人。とくに両脇の第1楽章、第3 |
楽章ではなにやら民族的としか表現しにくい‘臭い’を嗅ぎ付けた気がし、 |
それはひょっとしたら‘ユダヤ’なんじゃないかと連想した。ネット情報では |
ユダヤ系なんてどこにも書いてないけどね。でも、そんなふうに感じさせると |
ころが確かに個性的だとおもわせるんじゃないかな。 |
最後は、かなり唐突な終わり方をする。 |
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(3)チェロ協奏曲と並んで紹介文お薦めの管弦楽曲。これが素晴らしい。 |
みごとな(1)よりなぜこのロンド・タランテラを推薦するのかは、聴いてすぐ |
分かった。協奏曲で書いたのと同じで、臭いのような個性。 |
曲調はいろいろ変わっても、全体を通してタランテラ独特の速い6拍子の踊 |
りの感じが続く。様々なソロが楽しい。ブラスの咆哮、協奏曲でも書いた打 |
楽器の多用など盛りだくさん。でも力任せなところはない。なかなかの名曲 |
じゃないか。(うまく書けない) |
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(4) 2楽章だけの交響曲、表示も「レント」と「ヴィヴァーチェ」のみ。 |
「レント」は出だしからしばらく少々おどろおどろしく、まるで『エイリアン』・・・ |
いや冗談ではありますが、ゴールドスミスの「エイリアン」のサントラを引っ張 |
り出して確認までしてみたのです、ハハ。ちょっとですが似たところがありま |
したヨ。そのエイリアンっぽいところに、ロマン派の音楽が挟まって来るとい |
う、言葉でいうと変わった音楽。ヘンテコリンではありません。 |
ところが「ヴィヴァーチェ」は「エイリアン」のサスペンス部分にはならず、おお |
むね(1)を短調に置き換えた、くらいの感じでした。 |
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帯の謳い文句に 〈まだまだ尽きぬ調性音楽の可能性〉とあるとおり、現代音 |
楽らしい書法はまるっきりないようでしたが、立派なオーケストレーションなん |
で、映画のワクワクするサントラのように聴けたというのが、簡単に言えと言 |
われた時の感想になるけれど、それじゃあ何も伝わらないですもんねえ・・・ |
曲毎にメモって予想通り長くなってしまいました。 |