休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ブーレーズ/ドメーヌ・ミュージカル Vol.1(3-3)

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20170404(了)
ピエール・ブーレーズ/ドメーヌ・ミュージカル 1956-1967 Vol.1

                                       (3-3)
CD3   59:46
P・ブーレーズ(1925-2016);
   ①-③『ストラクチュール第1巻』 2台のピアノのための
                              (1952)  14:21
   ④『ソナチネ』(1946) フルートとピアノのための    11:44
   ⑤-⑧『ピアノソナタ第2番』(1947-48)         33:36
   アルフォンス&アロイス・コンタルスキ(p)①-③、
   ガッツェローニ(fl)④、Y・ロリオ(p)④-⑧、その他
   ドメーヌ・ミュージカル(オケ&ソリスト)、ピエール・ブーレーズ(指揮)
   Ⓟ1958(ソナチネ)、1960(ストラクチュール)、1961(ソナタ)
CD4   73:15
M・カーゲル(1931-2008)〈アルゼンチン-ドイツ〉;
   ①弦楽六重奏(1953、1957)             7:34
L・ノーノ(1924-1990);
   ②『インコントリ (集合)』 24楽器のための(1955)  6:01
H・W・ヘンツェ(1926-2012);
   ③「Concerto per il Marigny ピアノと7つの楽器のための
                              (1956) 6:35
H・プッスール(1929-2009)〈ベルギー〉;
   ④マドリガル クラリネット・ヴァイオリン・チェロ・パーカッション&ピアノのための
                             (1962) 12:01
   ⑤Mobile  2台のピアノのための(1958)       10:11
K・シュトックハウゼン(1928-2007);
   ⑥Zeitmasse フルート・オーボエ・コールアングレ・クラリネット・バスーンのための
                             (1956) 13:38
   ⑦Klavierstück (1956)               17:03
   ルドルフ・アルベルト(指揮)③、デイヴィッド・チューダー(p)⑦
   アルフォンス&アロイス・コンタルスキ(p)⑤、その他
   ドメーヌ・ミュージカル(オケ&ソリスト)、ピエール・ブーレーズ(指揮)
   Ⓟ1956(ノーノ、ヘンツェ)、1957(シュトックハウゼン⑥)、1960(カーゲル、
   プッスール⑤、シュトックハウゼン⑦)
CD5(付録)
Interview with Pierre Boulez by Claude Samuel(September 2005)
   ①~⑥                            48:49
Pierre Boulez
  Le Marteau sans maître pour voix d'alto et ó Instruments
   ⑦-⑮ 〔1953-1955/1957〕               30:44
    Marie‐Thérèse Cahn(コントラルト)
    ドメーヌ・ミュージカルのソロイスト、ピエール・ブーレーズ(指揮)
    Ⓟ1956
   CD4枚組+1/ⓒ2006 Universal Classics France/現代音楽/輸入


(CD3)
ブーレーズの作品3曲で、ピアノとフルート。
フルートはガッゼローニ、ピアニストはコンタルスキー兄弟、楽団の専
属ピアニストふうのDavid Tudor、そしてメシアン夫人のイヴォンヌ・ロリ
オ。
まあピアノという楽器はそれ自体が響くので、録音の古さや、デッドな
録音場所であっても、ある程度は響きがあるものだけれど、それにし
ても潤いのない音楽。そもそも潤い(≒感情的なもの)なんてものにな
んぞこれっぽっちも興味などないというタイプのもので、セリーその他、
フランス人らしい理論や(屁)理屈に基づいて作られているに違いない。
知識のないこちとら、説明を受けても同じだろう。実験に付き合わされ
るだけ、みたいな気になった。
奏者がミスタッチしたところで、なーんもわからんちゃね・・・
1961年の録音らしい⑤-⑧になると、俄然ピアノの音が新しくなってい
て、えらい違い。このころに録音の革命でも起きたのかい?
ホールトーンはないけれど、断然聴きやすい。曲まで‘良く’なったみた
い。そんなことはないんだろうけどさ。
・・・とまあ、何も書いたことにならないヨ。


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    *写真のブーレーズさん、若くてなかなかハンサムじゃないですか。
(CD4)
①カーゲル。アンサンブルになるとうんと親しみがわく。表現の幅が格
段に増すからね。この六重奏曲が好きかどうかはわからない。美しい
とかわくわくするとかなら、まるでないけれど、まあ嫌いでもない。
②ノーノ。もともと苦手。アバドの録音が初めてだったと思う、それ以来
聴く気にならないまま時間がたった。で、今回は・・・今回もダメ。
何より苦手なのは、ポッコンポッコンと鳴る意味の感じられない太鼓。
響きのないことも預かってのことだろう、陳腐というか冗談めいてという
か、そんなふうに聞こえる。
③ヘンツェ。若い時にはこういうのを書いたんだな。いたって現代音楽
っぽいが、ピアノに誘導されるように進み、聴きづらさはない。
プッスール。この作曲家初めて。
 ノーノの②とどう違うか。ポッコンポッコンの太鼓も似て、説明不可。
⑤ピアノがリードし、ヘンツェと似る。ちょっとトリッキーな動きが、天井裏
を駆け回るネズミを連想。
シュトックハウゼン
⑥音楽の速度だとか拍子という意味か?気に入らない太鼓がないから
か、意外なほどに楽しめる室内楽。ほとんど喜遊曲の気分。
ワタシがシュトックハウゼンの曲をそんなふうに言うなんて、変すぎる。
⑦ピアノ小品6。音で埋め尽くしていないため、できた空隙・空間に、な
んだか意味があるように感じる。これも人間の性か。最後の余韻は、こ
ういってよければ、深い。メシアン俳諧より俳諧らしい。
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      *写真は、若かりしシュトックハウゼンさん?


(CD5)付録
◆インタヴューはパス。
◆アルトと6楽器のための『ル・マルトー・サン・メートル』、1956年録
音。恐ろしくデッドな音だけどね、ちゃんと聴けた。
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 *この写真の方、どなたかわからない。
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「現代音楽」というわけのわからんくくり方をされる音楽、新しい技法
なりで書かれなきゃ「現代音楽」とは呼ばれないらしいんだよね。現
代の音楽だから「現代音楽」だろ?というとそう単純じゃないんだよ。
評価の定め方が出来上がっていないこともあって、しょうがない気
はするものの、おかしなこと!
そもそも「クラシック」をジャンル扱いして無理が来ているだけ。
ここには7人の「現代音楽」作曲家の作品が収められているんだが、
このCDが出た時点では何人かが生きておられた。それが去年のブ
ーレーズさんの死去で、もうどなたもこの世にはいらっしゃらなくなっ
てしまった。
音の良くない現代音楽ってのもなんだか言語矛盾みたいな気がす
るが、まあそれもよし。
精神的に安定していないと聴いたり楽しんだりできないジャンルなん
で、とすれば今はけっこう落ち着いているということ。ワタシにとって
は悪いことではありません。
いささか寂しい音質の録音を、ほとんど抵抗なく聴くことができました。
さあまた聴くことがあるんでしょうか、このセットもの・・・
こういうのね、実は職場でごく小さい音でかけているとちょうどいいの
です、ワタシ以外には清掃担当のかたが一人おられるだけで、事務
所にはあまり入ってこないし、お客さんも当然事務所には入ってきま
せんから、案外邪魔にならない。もちろん鑑賞にもならないのですけ
どね。

5枚組のメモのアップが終わりました。
義務じゃありませんが、ほっとしました。