休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ヴェーベルン;全作品

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20170521(了)  
アントン・ヴェーベルン  
Anton Webern(1883-1945);Complete Works Op.1-Op.31  
<CD1>  
1)管弦楽のための《パッサカリア》作品1 (1908年) 10:05  
2)無伴奏合唱曲《軽やかなる小舟にて逃れよ》作品2   
   Ⅰ~Ⅳ(1908年、詩:シュテファン・ゲオルゲ) 2:32  
3)Der Siebente Ringによる《5つの歌曲》作品3 (1907-08年) 5:01  
4)シュテファン・ゲオルゲによる《5つの歌曲》作品4   
   (1908-09年、ピアノ伴奏独唱曲) 7:43  
5)弦楽四重奏のための《5つの断章》作品5 (1909年) 12:10  
6)大管弦楽のための《6つの小品》作品6   
   (初版:1909-10年、改訂版:1928年) 11:53   
7)ヴァイオリンとピアノのための4つの小品作品7 (1910年) 4:52  
8)リルケの詩による《2つの歌曲》作品8 (1910年) 2:08  
9)弦楽四重奏のための6つのバガテル 作品9 (1913年) 4:10  
10)管弦楽のための《5つの小品》 作品10 (1911-13年) 4:10  
11)ピアノとチェロのための3つの小品 作品11(1914年) 2:12  
12)4つの歌曲 作品12 (1915-17年) 5:05  
   
   ヘザー・ハーパー(sp)(3)(4)(8)(12)、アイザック・スターン(vn)(7)、
   グレゴール・ピアテゴルスキ(vcl)(11)、チャールズ・ローゼン(p)(3)(7)(11)(12)、
   ジュリアード弦楽四重奏団(5)(9)、ジョン・オールディス合唱団(2)、
   ロンドン交響楽団(1)(6)(10)、ピエール・ブーレーズ(cond)(1)(2)(6)(8)(10)
   録音:1967-1972年、ロンドン・ニューヨーク&ハリウッド Tot.71:49
   
<CD2>  
1)4つの管弦楽歌曲 作品13 (1914-18年) 6:54  
2)6つの歌曲 作品14 (1917-21年、編成:歌手、クラリネット、バスクラリネット、  
   ヴァイオリン、チェロ) 7:32  
3)5つの宗教的歌曲 作品15 (1917-22年、室内楽伴奏) 4:48  
4)ラテン語詩による5つのカノン 作品16 (1923-24年、編成:ソプラノ、クラリネット、  
   バスクラリネット) 3:07  
5)3つの宗教的民謡 作品17 (1924-25年、編成:歌手、ヴァイオリン、ヴィオラ、  
   クラリネット、バスクラリネット) 2:22  
6)3つの歌曲 作品18 (1925年、編成:歌手、E♭管クラリネット、ギター) 3:24  
7)2つの歌曲 作品19 (1926年、編成:混声合唱、チェレスタ、ギター、ヴァイオリン、  
   クラリネット、バスクラリネット) 2:19  
8)弦楽三重奏曲 作品20  Ⅰ・Ⅱ(1927) 9:24  
9)交響曲 作品21  Ⅰ・Ⅱ(1928年) 9:19  
10)四重奏曲 作品22 (1930年、編成:ヴァイオリン、クラリネット、テナーサキソフォーン、  
   ピアノ) 7:12  
11)ヒルデガルト・ヨーネの詩集による3つの歌 作品23 (1934年) 6:51  
12)協奏曲 作品24(1934年、編成:フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、  
   トランペット、ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノ) 6:31  
13)ヒルデガルト・ヨーネの詩による3つの歌 作品25 (1934-35年) 3:49  
   
   ヘザー・ハーパー(sp)(1)(2)、ハリーナ・ルコムスカ(sp)(3-6)(11)(13)、  
   ダニエル・マジェスケ(vn)(10)、コリン・ブラッドリー(cl)(6)、ロバート・マーセラス(cl)  
   (10)、エイブラハム・ワインスタイン(ts)(10)、ジョン・ウィリアムズ(g)(6)、  
   チャールズ・ローゼン(p)(10)(13)、ジュリアード弦楽四重奏団メンバー(8)、  
   ロンドン交響楽団とメンバー(7)(9)(12)、ピエール・ブーレーズ(cond)(1-7)  
   (9)(10)(12)  
   録音:1967-71年、ロンドン&ニューヨーク Tot.73:32  
   
<CD3>  
1)混声合唱管弦楽のための《眼の光》作品26 (1935年、詩:ヨーネ) 5:50  
2)ピアノのための変奏曲作品27 Ⅰ~Ⅲ(1936年) 5:52  
3)弦楽四重奏曲作品28 Ⅰ~Ⅲ(1937-38年、バッハ主題による作品)8:35  
4)ソプラノ独唱、混声合唱管弦楽のための《カンタータ第1番》作品29   
   Ⅰ~Ⅲ (1938-39年) 7:50  
5)管弦楽のための変奏曲作品30 (1940年) 7:13  
6)ソプラノ独唱、バス独唱、合唱と管弦楽のための《カンタータ第2番》作品31  
   Ⅰ~Ⅵ (1941-43年) 13:54  
7)弦楽四重奏のための《5つの断章》作品5 管弦楽版   
   Ⅰ~Ⅴ  9:45  
8)「6声のリチェルカーレ №2」(バッハ『音楽の捧げもの』BWV1079から)  
   (?年、管弦楽編曲) 7:01  
9)F・シューベルト(1797-1828)『ドイツ舞曲』D.820(同曲の管弦楽編曲)  
   Ⅰ~Ⅵ (1932年) 8:35  
   
   ハリーナ・ルコムスカ(sp)(4)(6)、バリー・マクダニエル(br)(6)、  
   チャールズ・ローゼン(p)(2)、ジュリアード弦楽四重奏団(3)、  
   ジョン・オールディス合唱団(1)(4)(6)、ロンドン交響楽団(1)(4-8)、  
   ピエール・ブーレーズ(cond)(1)(4-8)、フランクフルト放送管弦楽団(9)、  
   アントン・ヴェーベルン(cond)(9)  
   録音:(1)(3)-(8);1969-70、ロンドン/(2);1970、ニューヨーク/  
       (9);1932、フランクフルト、ライヴ(モノーラル) Tot.74:35  
   
   CD/3枚組/現代音楽/Ⓟ&ⓒ 2013 Sony Music Entertainment  
   <★★★★△>
 
 
 
3枚をとっかえひっかえしばらく聴き続けていたので、印象もまとめて
しまった。アップもまとめます。
 
(タワー惹句) ブーレーズが成し遂げた最上の成果が刻まれたアナログ
時代の超名盤「ウェーベルン作品全集」が、マスターズ・ボックスに登
場します。1967年から1972年にかけて録音され、1979年に4枚組LP
で発売されて以来ウェーベルン作品の鑑賞には不可欠とされている
精緻な名演ぞろいのボックスです。すべての作品番号付き作品が番
号順に収録され、後期ロマン派から、無調を経て12音技法へと変遷
してゆく過程を音として体験することができます。ウェーベルン自身が
指揮するシューベルト「ドイツ舞曲」の歴史的録音も収められています。 
 
(タワーレコードのネットで買ったわけではありません)
内容を細か目にアップまでしたんだが、この3枚のウェーベルンのセッ
トものの感想文を書くのは難しい。
曲ごとに書くのも、CDごとに書くのも、不可能というわけじゃないもの
の、そんな気が起きない。時間はかかったけどね。まとめて書くしかな
いみたい。
一言でいうと、
「やけに落ち着く」。
 
それだけというわけにもいかない・・・
はじめてウェーベルンを聴いたのは、もういつ頃のことか忘れたけれ
ど、曲は「作品1」、つまりパッサカリア
ずいぶんたった。
ほんの時々聴くという感じのウェーベルン。でも長い間にはいくらかは
聴いた。管弦楽室内楽が中心。
でも今回、番号順に並んだ31曲をとっかえひっかえ聴き続けてみて、
苦手な歌曲がぜんぜん抵抗なしに入ってくるじゃないですか。
(なんでや?)
仕事場でもかけましたね。警備・清掃担当の同僚(ちょっと年上のオジ
サン≒ジイサン)は、なににも反応しないので、問題なし。
もちろんいつもどおり詩(歌詞)はまるっきりわからないまま。
何が起きたんですかねえ。
気が休まっちまうんだ、これが。
 
ええかげんにこじつけると、例えばこんなふう。
理由はわからないが、ウェーベルンの音楽は、ワタシにやさしい。決ま
った調性(人工物)でないのは当然だけれど、自然(のもの)に近い、
ワタシ(ヒトの代表ではない)実際的な(デタラメな)営みのリズムや調
子、肉体内部の振動に近いからなんじゃないか・・・
(それじゃ理由にならん!なんでや!)
と言われても、わからんものはわからん。
 
そんなところ。
 
戻りまして・・・
惹句のように演奏はビシッと決まって、色彩感も音のクリアさも十分だ
し、特にブーレーズの熱っぽさがヨロシイ。
最後の曲は書いてある通りなんだが、シューベルトのドイツ舞曲6曲
管弦楽編曲したもので、なんとウェーベルン自身が指揮している。
今から86年前ですよ。古ぼけてはいますが、寂しい歴史的録音という
ほどでもない、一応ちゃんと聴ける演奏。
技術の進歩なんだろうが、残っているもんですね。
CD3の(8)と(9)以外は作品番号なしのもの(全部で21作品)が収録
されていない。
こればかりは残念。