Pierre Boulez conducts Schoenberg(1874-1951): Chamber Works・Orchestral Works・Vocal Works
20210526(了)
【CD1】 60:57 |
(1)組曲op.29 D1〜D4 |
(2)浄められた夜op.4(六重奏版) D5 |
(3)室内管弦楽のための3つの小品 D6〜D8 |
アンサンブル・アンテルコンタンポラン |
全ての指揮;ピエール・ブーレーズ |
録音;1974~1986年 |
Ⓟ&ⓒ 2013 Sony Music Entertainment/11枚組/現代音楽/管弦楽 |
11枚の大物を釣り上げました。だからって、特に気張ってはいません。 |
もはや現代音楽というイメージの音楽でもないですしね。 |
それについちゃ、あまり読まないコメントに、割とぴったりくる言葉があった |
ので、ちょっと使わせていただきますと・・・ 「現代音楽ではなく繊細なバロック音楽のように遠く懐かしい響きで・・・ 耳に届いてくるから不思議」 |
これぐらいカッコイイこと、言ってみたいもんですね。悔しいですが、譬えと |
しては、なかなか言い得て妙じゃないかな。そんな気がする。 |
シャカリキな鑑賞はしません。多くは聴いたことがあるものの、シェーンベル |
クともなると、どうせロクなことは書けない。星の数は好き嫌いに徹して、ゆ |
っくり味わい、楽しませてもらいましょう。 |
ブーレーズの「解釈」にも録音にも多分、言及はしない(≒出来ない)と思い |
ます。 |
【CD1】 |
チェロ, ピアノのための /(ⅰ)8:36 (ⅱ)7:24 (ⅲ)6:04 (ⅳ)7:21 |
<★★★★> |
この感じ、好きですね。若い時には、好きでも嫌いでもないどころか、間違い |
なく嫌いでした。こんな作品が若い時から楽に聴けるようだったらなぁ。 |
上に引用した「現代音楽ではなく繊細なバロック音楽のように・・・」の感じ |
がピッタリの音楽。 |
まさにシェーンベルクの12音音楽。 |
(2)浄められた夜/六重奏版; Vn-2,Vla-2,C-2 /29:16 |
<★★★☆> |
全てを通して最も回数を聴いたに違いない曲でしょうが、弦楽合奏版のほうが |
恐らく多いでしょうね。 |
CD3を聴いて、なんと書くことになりますか。若い時なら、断然弦楽合奏版に |
軍配を上げたでしょうが、予想では六重奏版が勝ちそう。 |
デーメルの詩「浄夜」によれば、男女の語らいであって、かなり性が絡んでエ |
ロティシズムも込められているはずだけれど、ジジイになってみれば死を嗅ぎ |
つけてしまう。さぁて、どっちがしっくり来るか。ま、年齢による違いは大き |
い気はする。この室内楽ヴァージョンのほうが雄弁で切実。激しくも哀切。 |
(3)室内管弦楽のための3つの小品 /計1:16 |
<★★★△> |
別に嫌いというわけでは全然ないのですが、3つともあまりに短い。室内オー |
ケストラのための、とあるので、いろんな楽器が聴ける。凄味はあります。 |
でも結局、例えば(1)のいわばサンプラーみたい。 |
調性のある(2)と比べて、全く違う感触の音楽である(1)。 |
Wikiで《12音音楽》をちょこっとお勉強・・・ |
ドデカフォニーDodekaphonie(ドイツ語)の訳語。1オクターブ内のすべ |
ての音,つまり12の音を同等に扱い,これを並べた音列(セリー)を基本と |
して作曲された音楽。音列は原形のままのほか,反行形,逆行形,反行形の |
逆行形,およびそれぞれ12の移高形が可能で,これらの音列を守って楽曲が |
構成される。この技法は理論化された無調音楽といえ,1920年代前半にシェ |
ーンベルクによって確立され,ウェーベルン,ベルクらに引き継がれて、現 |
代音楽の大きな要素となった。彼らを総称して〈新ウィーン楽派〉または |
〈第2ウィーン楽派〉とも呼ぶ(〈ウィーン楽派〉は18世紀中葉の前古典派 |
についての呼称)。なお1922年にウィーンのハウアーJoseph Hauer(1883 |
ー1959〕も,体系の異なる十二音音楽の理論を発表している。 |
→ミュージック・セリエル |
まとめると・・・ |
無調音楽を理論的に徹底化し、1オクターブの中にある12の音に平等の |
価値を与えるように組織的に作られた音楽 という感じですか。ワタシにはこれでも十分すぎるぐらいです。 |
アップはしましたが、まだ全体の三分の一ぐらいしか聴いていません。
気温が高くなってくると、しんどいジャンルですから、ちょっと心配
ですが、まあ気張らずに聴き進めます。