125年前の戯曲。 |
翻訳者の解説はワタシにはずいぶん古臭い表現。 |
フーケの「ウンディーネ」という戯曲との類似や、自身の好きな絵画 |
と関連付けて、長々と書いていらっしゃるが、なにやらよくわからん。
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狩で森に迷い込んだ王子ゴローは、泉の傍らで泣いているメリ |
ザンドを見つけ、妻とした。ゴローの弟のペレアスもまたメリザ |
ンドに惹かれる。彼らは互いの心に、二人だけの夢が宿ってい |
るのに気づくのだった。いらだつゴロー・・・。 |
メーテルランク(1862-1949)のこの戯曲に、ドビュッシーは美し |
い音を与えてオペラ化した。・・・(カバー惹句) |
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そもそもメリザンドは誰で、どこから来たんだろうということからして |
ついにわからないまま、お話はうすぼんやりした悲劇へ進んでゆく。 |
彼女は「水の精」(ウンディーネ)かもと言われても、こちとら教養な |
く「だから何?」のレベル。 |
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ネットから出したオペラの対訳があまりのひどさで、話がまるで分か |
らんようではオペラ(ドビュッシーの音楽)に申し訳ないと、戯曲のほ |
うを読んでみようと思いたった。(オペラ鑑賞記参照) |
ところがところが、この戯曲の翻訳も骨董品! |
杉本秀太郎さんは結構有名なフランス文学者だったそうだけれど、 |
もとの1978年の訳はすでに古色蒼然。なにかこんなふうに訳すと |
いうような伝統ないし決め事があったのだろうかと、疑ってみたくな |
る。この方、1931年生まれだから、1978年よりだいぶん前に翻訳を |
済ませていたかもしれないな。
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でもまあ、状況はオペラ対訳よりははるかによくわかった。
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メリザンドの出自は皆目わからんかったけどね。彼女曰く・・・ |
この森がどこかワカラン |
「みんなで、誰もかれもから」いじめられた |
「ずっとずっと遠いところ」から来た
これくらいしかない。
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それをだよ、しくしく泣く彼女を美しいというだけで連れ帰って嫁にす
る?
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始めに「あの方」という存在のことも彼女は口にするが、その後は一 |
度たりとも出てこない。 |
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オペラの感想文には“インモラル”なんて言葉を使ってしまった。まち |
がいじゃないけれども大仰。何のことはない、ストレートに言えば「嫉 |
妬」。やれやれ。いやそれぐらいネットのとんでもない「オペラ対訳」で |
もわかってはいたのですが・・・ |
ドビュッシーさんこそ偉い! |
(フォーレ、シベリウス、シェーンベルクなどの作品もあるわけで、正直 |
なんでこんな戯曲に惹かれたのか、ようワカランよ)
※
風邪をひいてしまって二日間ほどヘタッていました。
完治はしていないものの、軽く済んだようでラッキーです。
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