休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

色川武大/うらおもて人生録

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20170308(了)
色川武大/うらおもて人生録
    解説; 西部邁
    カバー&カット; 和田誠
  1987年/エッセイ系/新潮文庫/ⓒ1984 毎日新聞社//中古
  <★★★☆>

(カバー解説) 優等生がひた走る本線のコースばかりが人生じゃない。
ひとつ、どこか、生きるうえで不便な、生きにくい部分を守り育てていく
ことも、大切なんだ。勝てばいい、これでは下郎の生き方だ・・・。著者
の別名は雀聖・阿佐田哲也。いくたびか人生の裏街道に踏み迷い、
勝負の修羅場もくぐり抜けてきた。愚かしくて不格好な人間が生きてい
くうえでの魂の技術とセオリーを静かに語った名著。
(不良)中学生とその親に向かって書かれている。
語りかける口調での55篇。
名著ときたね。そうかねえ。特異ではあるが。
「生物学的」なとか「遺伝学的な」とかいった傾向の物言い、あるいは
そういうものを匂わせる言葉はゼロ。これが信じられないくらいすごい。
 ‛適者生存’なんてことはもちろん、「社会的な」なんていうタイプの言
い方すらなかったんじゃないか・・・ 
とにかく、ワタクシメの思考傾向とは猛烈に違っていて、真反対に近い
かもしれない。
徹底的にアナログで、かつ徹底的に経験に裏打ちされた、微に入り細
穿った処世術!
極めて実際的、能動的なハウツーになっているのに、なんだか「哲学」
めいてもいる。
自分の子供たちにも、こんなふうに言えばよかったんじゃないか、と思
うことがいっぱい!
ところで・・・
学生時代、‘雀聖’という感じでは見てなかったけど、下宿の仲間の中
には「麻雀放浪記」をすでに読み終わっていたやつがいたし、まあ、マ
ージャン界では有名人だという認識はワタシにもすでにあった。
怪異な風貌や目つき、ナルコレプシーのことも多分知っていたと思う。
麻雀放浪記」は卒業してから読んだ。ワタシも麻雀は強くはなかった
もののけっこう好きで、徹マンなんぞ数えられないくらいやったので、
麻雀のことはわかって、この物語はめちゃくちゃ面白かった。
本名での名作の一つ『怪しい来客簿』のほうはそのずっと後で読んだ。
でも、こっちはほとんど思い出せない。そんなものなのだろうが、悲しい
よなぁ。まあ、しゃあない。